大学トップの招聘; KUSTARとOIST

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前回ポストしたMIT D-Labの翌日は日曜日。アブダビへ向かいました。KUSTARの理事会出席のためです。KUSTARは、何回も書いていますが、アラブ首長国連邦の科学技術高等教育の中心にしたいという意欲的なプロジェクトです。このサイトでこの1月に何回も報告したアブダビで韓国の原子力発電事業の勝利にも、この大学での人材育成大事な要件でした。

今回は招聘する学長を決める大事な案件があり、約6時間にわたって、短い休みを2,3度入れながら議論が続きました。候補者4人のうち2人もこられ抱負、質疑等のインタヴュー。皆さんすばらしい方ばかりでした。もうしばらくで決まるでしょう。

アブダビでは原子力エネルギーへ向けて着々と手を打っています。IAEAとの連携も視野に入れて人材獲得に向け動いています。日本の人材ももっと現地へ行って活躍してほしいものです。関係の何人かの方とお会いしてきました。またIAEAの人材育成の会議も開催されたばかりで、日本からも何人か参加されていました。

ところで、帰国して2日後の夜から沖縄へ。沖縄科学技術大学院大学 OIST 移行への理事会です。ここでも招聘する学長が大きな課題です。基本的に、国の支援を受けながら運営する新しい形の「私立大学」となる予定ですが、何をするにも前例のないことをする手続きが大変です。「グローバル世界の大学、研究所」などと言葉では言っていても、いつまでたっても大学でさえ「知の鎖国」(資料1)状態ですから。

成長するアジア、グローバル化する世界で、日本の高等教育の劣化が目立ち、「出る杭」枠を外れる若者は頭をたたかれ、財界も、政界も、政府も、大学も、いつまでたっても変われないですね。

私はこの10日間で、SingaporeではA*STARの会議東京でMITのD-Labの紹介、Abu Dhabi、日本(沖縄)と大学、大学や研究中心の課題を中心として会議に参加してきましたが、「外から見た日本」のスピード感のなさ、リーダーの影の薄さ、存在感のなさは、情けないです。

MITのD-Labの素敵な1日、外に出た若者たち

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20日(土)の朝早くSingaporeから成田へ到着、家に直行。シャワーを浴び、着替えて私の本拠のGRIPSへ急ぎました。

今日は1日、GRIPSで「「大学」x 「技術」x 「BOP」」 というタイトルでMITのD-Lab を開催するのです。このサイトでも何回か紹介資料1)、 、しましたが、グローバル時代にふさわしい、学部生対象の新しい企画です。主催者は現在MITでD-Labプログラムに関わっている土谷君遠藤君 (資料1)、陸さん、そして私たちGRIPSの「イノベーションチーム」です。3日前の夜はMITの宮川教授資料1)ともお会いして、この企画の話をしていたところです。とても喜んでおられました。

多くの方からOn-Lineで申し込みがあり、GRIPSの講堂はちょうどよいほどにいっぱいでした。講演もパネルも充実しており、質疑応答も活発、参加の皆さんの満足度は高かったと思います。私が最後に「D-Lab」の意義を中心に「まとめ」の話をしました。

皆さんの満足度のあらわれでしょうか、レセプションは3時間にわたり、皆さんとても「熱かった」です。夜の9時ごろに閉会となりました。

松下さんの熱いblog posting など、いくつかのblog も参考になるでしょう。多くの若者がグローバル時代への大きな目標、可能性を感じ取ってくれたと思います。ウェブでライヴでも見れたようですが、、チェックしています。

これが成功したのは、主催の3人だと思います。遠藤君土谷君 は日本の大学でMaster取得のあとMIT/HarvardでPhD、陸さん(女性)は日本の高校からMITへ、というキャリアの若者で、今現在もいろいろな形でD-Labに関わっているということでしょう。実際に行動し、活動している若者が日本の若者へ思いを伝えたいというこの思いが伝わったのでしょう。

この3人を見ていると、「若者は外へ出ること」だ、これがいかに大きな視野と可能性をつかませるか、よくわかります。皆さんも、思い切って出てみることです。

Harvard大学女性学長Faustさんの訪問

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何回かこのサイトでも繰り返し、いろいろと紹介 (資料) (3はScienceのEditorialです)していますが、世界のトップ大学では女性の学長さんが多く選ばれ、大きく活躍しています。Cambridge、 MIT、さらにIvy Leagueの8大学の実に4校が女性学長です。多くは外部から招聘です。こんなこことは昔ではあまり考えられなかったのかもしれませんが、著名大学という点では1994年にJudith Rodinさんを招聘したIvy LeagueのPennsylvania大学からでしょうか。

今回、Harvard大学長のFaustさんが来日しました。私も3月16日にデイナーレセプションに参加しました。私も感じたことが石倉洋子さんのBlog にも出ていますのでそちらも参照してください。1月のダボス会議 でもちょっとお会いしました。

2008年の金融危機でのHarvard大学の対応の話題、どんな学生を入学させているのか、どのようなプログラムを作り出しているのかなどなど、大変参考になるトピックスに触れられ、また質問に対する対応がとてもすばらしかったですね。このような、思想、計画推進のプロセスばかりでなく、対話からもご本人のお人柄と、能力の高さがにじみ出ています。

特に日本からの学生の減少に(学部生が5人程度とか、ひどい状況ですね)、繰り返し触れていました。大学院を含めると、日本はCanada、英国についで一番同窓生が多いそうです。でもすぐにどんどん落ちていく様子ですね。これも私のサイトに繰り返し出てくる「内向き日本」(資料)のテーマです。

特に、Faustさんは女性のHarvard大学長という話題性からも、できるだけ機会を捉えて、特に高等学校の女生徒などにも話しに行くようにしているそうです。今回もそのような機会を作り、学生の反応のすばらしさに触れました。グローバル社会での自分の立場と特別な役割にも配慮されていてとても素敵でした。

ガーナから-3

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10日は、まずAccra郊外にあるAchimota病院 (写真)へ。ここは英国植民地時代1927年設立、Ghanaの超名門Achimota学校の広い敷地内にあります。この学校の校章にあるように高い理想と、この時代に英国人もアフリカ人も一緒、男女共学という革新的な思想でできていて、多くの人材を輩出しています。病院もこの学校付属の診療所だったそうです。独立後の3人のガーナ大統領を含めて多くのアフリカのリーダーを育てています。どの時代でも大きく将来を見据えた人材育成こそがいつの時代でも、最も重要であることを思い起こさせます。

ところで、やはり英国ですね。この敷地内にGolf Courseを作ります。名門Achimota Golf Clubです。英米の名門校にもよく見られます。

院長先生をはじめ(医師は4人とか)、多くの看護師さんが活躍。Computerは診療所全体で1つとか。手術などは市内の大きな病院に移送するとか。毎日、妊婦さんが200人ほど受診するとか。訪問したときに1人赤ちゃんが生まれました。Dr Greenwood, Wereさんもご一緒しましたが、Wereさんは大もてです。Africaのヒロインですから。

そこから日本が設立した「Noguchi Memorial Institute for Medical Research」(このサイトのトップに私たちの訪問の写真が出ています)。これは近郊のLegonにある広大なUniversity of Ghana (資料) のなかにあります。東京大学、医科歯科大学から先生がHIV/AIDS、H1N1などの研究にも参加しています。頼もしい限りです。研究所の見学、討論などとても活発で、楽しかったです。

昼食時に空を見上げると、なんと頭の真上にある太陽の周りを丸く囲んだ「虹 Circle Rainbow;
暈(かさ)Halo」(写真)が出ていました。

ここに別れを告げて、次は82年前に野口英世が研究していた研究室へ。皇太子殿下も訪問されたばかりです。University of Ghanaキャンパスとは別にAccra市内にある大学病院敷地の一部にあります。1993年にここをご訪問された高円宮殿下、妃殿下のご記帳があります。今から80年前は、ここはどんなところだったでしょうね。でも、野口博士からNew York Cityの野口夫人への電報も展示されています。これが現在でも「鎖国の日本」の例として私が指摘している「Western Union」 です。もちろん今回の旅でもGhana、Botswanaでも町の中で「Western Union」を見かけます。日本ほか世界の4カ国にだけにこのサービスがないのです。実に異常です。

夕方に片上大使にお招きを受け、大使館で夕食をいただきました。大使館の庭も広くとても素敵でした。この日はそれほど暑くなく、快適でした。食後酒にはご当地の名物「Takai」。Tia Mariaのような味、おいしいので、つい飲み過ぎそう。

ところで、Ghanaはココア生産で有名、主要産業です。最近Off Shoreに石油も見つかりました、日本で有名なチョコレート「Ghana」ですが、ご当地のチョコレートはこの暑さでも溶けないということです。私たちの味覚には合わないそうですが。

夜に飛行場へ、London経由で故国の途に。2晩が機内泊で2月23日に出発した18日の旅を終えます。

「環境後進国ニッポン」、ついに明らかに?

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日経ビジネス3月1日号の特集を見ましたか?(ネットでは有料のみで見れるようですが、なぜでしょうか)。

はじめには「今週の焦点」で、経済同友会代表幹事、リコーの桜井正光会長。いつも財界のうち向きさ加減に鋭い異論を唱えていましたが、この特集との組み合わせは編集者の意図があるのでしょう。よい選択です。

特集は22-39ページ。タイトルは、ずばり「環境後進国ニッポン」です。世界の動きについていけない、内向きの「技術過信」日本の産業界。特に大企業は会社内の理屈ばかりで、グローバルな世界の動向を「実感」として知らない、議論すると「できない理由」ばかりをいう。

環境技術、日本は世界一、とずいぶん言われていましたね。省エネルギー、水処理、電池等々、でも世界の市場ではどうでしょうか?

技術が進んでいても「グローバルの横への展開」思考と、その「ノウハウ」がわからない。「ガラパゴス」 (資料1)、といわれてもなかなか新しい展開ができない。世界の人脈が薄い、英語もだめ、過去の「成功」にとらわれている精神的鎖国の上層部、責任者に運営される大企業群。国内事業で満足していた「ツケ」ですね。そこへ入社したい若者たちの10-20年後の将来は?そこでの中間管理職をはじめとする「人材」を見ることでしょうか。

具体例もいろいろ、大きく「こと」を見れない、「ものがたり」 を構想し、語れないのでは、いくら技術があっても、宝の持ち腐れです。

これは電気製品ばかりでないのは明白でしたが、なぜか国内の抵抗勢力の力が大きく、また横並び企業が多くて大転換できないでズルズルここまで来たのでしょう。

少々明かりが見えてはいますが、規模が小さい、スピード感に欠ける、何度も指摘されているとこところです。いつまで「単線路線」の従来型のキャリアパスが邪魔なのです。

このように、紙面、報道、ニュースなどなど、しっかり、繰り返し、国民へのメッセージの発信が大事です。それこそがメデイアの役割、そこでこそ政策の施行が可能になるのです。もう「黒船は来ない」 (資料1) のです。

今年1月に何報か報告した韓国の原子力 、さらに産業界ではサムソンをはじめとする、LG、現代、ポスコなどの躍進、最近ではVancouverでの韓国選手の活躍、そこへのトヨタの問題です。

ニッポンがんばれ。ニッポン企業がんばれ。大学も

人材、人財の育成、教育こそが国の根幹です。どんな教育なのか、これは別のことですが。

中国ばかりでなく、韓国にも学ぼうという素直な機運は結構なことです。何事にも謙虚であることは、昔からの知恵であり、教えです。

「東大までの人」と「東大からの人」

人材育成こそが国家の根幹 であることは、このカラムでも繰り返し書いているところでです。グローバル時代に大変化を始めている時代への人材育成には従来とはまた違った要素が必要です。

大学教育については小林久志Princeton大学名誉教授も憂慮されており、最近も小林さんのblog記事を紹介したばかりです。小林さんの意見は、今の日本、皆さんが感じている「衰えていく日本」の根本問題について正鵠をえていると思います。特に大学人、大学関係者、文部科学省関係者には小林さんの資料などにも、よく目を通してほしいものです。

2月6日号の「週刊現代」にも「「東大までの人」と「東大からの人」」PDF)という特集記事が「理系、文系」と分けて書かれています。私のコメントも引用されて(On-lineでは3ページ目、pdfでは4ページ目)いますが、皆さんのお考えはいかがでしょうか。「トップ」はどこでも、いつでも社会の目標、標的ですから。それだけ社会への責任が大きいということです。仕方ないですね。

理系ではUniversity of California at Berkeleyから東大で活躍する村山さんが取り上げられています。

すぐれた若者の才能をノビノビと伸ばす、世界に広く、物理的にも、精神的にも開かれた、闊達でオープンな大学、学会の環境づくりが大事です。

大学も、企業も、組織も、横に動けない「タテ」の社会構造は「フラット」な世界には基本的に適さなくなっているのです。

大きな可能性ある若者たちをどのような人材、人財に育てるか、これがグローバル時代の大きな課題 です。内向きの偏差値人間ばかりでは困るのです。どう育てるか、どのような人たちに育ってほしいのか、これこそが大事なのです。大学の教育への使命は重要です。研究も当然ですがこれも、将来の人材育成の大きな計画の一部です。

ダボスから-3

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ダボス3日目の29日は、午前は何人かのVIPと個別に面談、午後は2時間の長丁場「Prepared for a Pandemic?」、感染症などの専門家のほかに企業、保険会社などの方も参加したセッションの「Discussion Leader」 の1人として参加しました。去年の春からのH1V1に何が学べるか、政府の役割、企業の準備は、などなどリスク、保険、損失、社員と家族、経済へのインパクト等々、実に多面な議論になり、とても勉強になりました。企業も実に周到に考え、予防策を考えているものだ、と感心しました。この辺が、違う分野の一流の人たちとの議論がとても勉強になり、また楽しいところです。

Bill Gatesさんとばったり出会いましたので、2008年のJakartaの話などちょっと。夕方のメイン会場で「Business Leadership」  、Obama政権の経済諮問会議議長のLawrence Summersの「The US Economic Outlook」、司会のCharlie Roseの柔らかですが、タイミングのよい核心をつく質問はすばらしかったですし、またSummersの対応も見事なものでした。このあたりはウェブで見てください。

夜はまずHarvard大学のレセプションへちょっと顔を出し、Drew Gilpin Faust学長 (資料1)(女性の学長です、知っていますね?)と。今年3月に日本にもこられるとか。夜半すぎに仙石大臣ほか2人の大臣が到着される予定もあり、竹中平蔵さん、朝日新聞の船橋洋一さんたち数人で、久しぶりに中華料理レストランでわが国の政権について話す機会をもてました。となりました。ホテルに帰るとロビーでGrameen BankのYunusさんとばったり。去年と同じですね。去年、そしてすでに今年の1月初めにもバングラデッシュに出かけている日本の学生たち (資料) のことをお話しました。彼らも現地でYunusさんと何回かお会いしています。特に今年の新年の訪問では一橋大学の米倉誠一郎先生 (資料1) も学生と一緒に現地に行かれました。教育者はかくあるべしというようなすばらしい先生です。米倉さんのイノベーター(=Entrepreneur「出る杭」)若者支援、実行力には頭が下がります。

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写真1‐3; 「Toward an East Asia Community?」パネル。

翌朝30日、ホテルをチェックアウトして会場へ「Toward an East Asia Community?」、直嶋経済産業大臣登壇、司会はSingaporeのLee Kuan Yew Business School学部長、Kishore Mahbubaniさん (資料1)。私は前列で田坂広志さん、Lawsonの新浪社長さんたちと(写真)。

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写真4; 左から新浪さん、田坂さんと。

次いで、仙石大臣もでられる「Global Economic Outlook」 の前半だけ出席して会場を離れ、帰国の途へ、Zurich空港へ向かいました。このセッションもウェブでご覧ください。Financial Timesの名物カラムニストMartin Wolfの鋭い、しかも軽快な司会というところです。午後は、NHKがホストする道傳愛子さん司会のパネル「The Great Shift East in the Global Agenda」  があり、古川副大臣が登場、ウェブでも見れます。日本でも2月6日(土)、13日(土)にテレビで放映される予定です。

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写真5; 竹中さんと。

ZurichからParis経由で成田へ、機中であまり眠れず、ちょっと疲れました。なぜか日本の将来がちょっと心配になりました、私のこのサイトでも繰り返し出てくるテーマですが。30日午後のパネル「Japan in Transition」でもそんな総括だったようですね。

ダボス会議のウェブサイト はなかなか充実しています。皆さんもそれぞれの関心にしたがっていろいろ訪ねてください。ずっしりと、たくさんの情報、背景、解釈、思想などに触れることもできますし、世界へ目を開かせてくれるでしょう。

グローバル時代の日本; 教育の明確な弱さ

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日本の高等教育を含めた教育全体、つまり人材の育成には、グローバル時代を迎えた世界の動向、基本的にパラダイムシフトがきたという認識が欠けていると思います。このサイトでも、私は繰り返し主張しているところです。

先日、Princeton大学の教授を長く務めた小林久志先生 (資料1)、 をご紹介しました。そのときの先生の資料などを含め、何回も先生との意見の交換をメールで交わし、私たちの見解を広げて議論しています。

小林さんのサイトに、最近この論点が、わかりやすく、明確に示されています。私も先生の意見に100%賛成です。ぜひ読んでください。

何とか前進できないものでしょうか?日本の将来は教育にこそかかっているのです。そのあり方について、小林先生の意見には「外から見た日本への懸念」の解決へ、多くのヒントがあると思いますがいかがですか?

UAE原子力発電は韓国の勝ち-その5; 積極的な大学交流も

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この1月、このサイトで4回にわたってAbu Dhabi での韓国原子力の競争力にフォーカスして伝えましたが、その理由はここから学ぶことが多く読み取れるからです。

ところで、ここには目標に向けた戦略的なアプローチの大事さ、相手のニーズを十分に汲み取ることの大事さがあります。そして、決断とスピードですね。

このシリーズ「その2」で書いてあるように、原子力関連の研究協力も、人材育成も、韓国の提案の大事な部分でした。その約束の研究協力については、すでに提携交渉が進んでいます。KAIST資料1)、とKUSTARが原子力をはじめとした科学技術の教育、研究で、包括的な協力関係を結びました

このKAISTは、40年の歴史がありますが、21世紀に入ってから、グローバル時代にふさわしい競争力を急速につけています。Nobel受賞の物理学者Laughlinさん (資料1)、をStanford大学から学長に招聘、2006年に、その後任をMITからSuh、Nam Pyo教授 (資料1)、を招聘、メキメキと変わってきています。もちろん授業は英語です。

急速に変化する世界の動きを見ていれば、大変革時代にはこのような思い切った人事も必要です。学長に女性を招聘する大学(Cambridge、Princeton、 Harvard、 MIT、 Univ Pennsylvania、Brown等々)も多く出ています。残念ながら、日本の大学では想像もつかないことですね。グローバル世界で競争する人材を育成しているのです。韓国からの海外へ出て行く留学生の数も、やる気も、なかなかのものです。

このようなことだけを見ても日本の内向き加減は際立っていますね、このサイトでも繰り返し指摘しているところですが。大学 (グレン フクシマさんの投稿です、、、)ばかりでなく、大学の先生たちも、しっかりしてください。学生は将来の人材ですよ、先生たちが内向きでは、どうしようもないのです。

「ものづくり」と、相手を知った「ものがたり」の違い

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日本の「強さ」は何か。多くの方々が「ものづくり」、「技術」、「匠の技」などといいます。しかし、それだけでは需要を創る、顧客の心をつかみ財布の紐を緩める、新しい市場の開拓には不十分 です。これがグロ―バル時代の「新しい社会的価値の創造」、すなわち「イノベーション」なのです。このサイトでも繰り返し出てくるテーマ です。

さらに、これらの「ものづくり」、「技術」の強さは、アジアの成長がするなかで、アジアの人たちなかなかできない、できにくいことだとも思えません。

では、日本の「弱さ」はなにか?

特に「日米欧」からグローバル市場経済になったこの20年、グローバル世界への大変換です。そこで着眼、大きなビジョン、構想力、戦略と交渉、行動ができるのでしょうか。

相手を知り、顧客へ「ものがたり」を伝える力です。 顧客のニーズを知り、相手を知り、相手の立場で感じ取る力 (Ref.1)。

成長するグローバル社会で欧米諸国、アジア、ラテンアメリカ諸国などと比べて、日本の組織、その「リーダー」達の戦略と決断と実行のスピードはどうでしょうか?この辺が、今の日本の「弱さ」であることを認識し、しっかりコラボレーションのパートナーと組んで、目標へ、スピードをもって進むべきなのです。

1月8日の朝日新聞、朝刊の1面と3面に「日本のすぐれた技術とその課題」がくっきりと取り上げられ、3面には、左下に私のコメントの囲み記事も出ています。私のコメントは、このサイトでも以前から繰り返し指摘していることですが、このように大新聞にキチンと取り上げられるとうれしいです。一時的ではありますが、私のサイトとは、広がる範囲か桁違いに大きいですから。