国会の福島原発事故調査委員会 -3

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この委員会について今年の初めから2報ポストしました。日本のメデイアの英語版でも書かれているので、海外の友人からもメールなどをいただいています。

ヨミウリ、キョウドウなどの報道です。ほかにもあるかと思いますが、、。

私もできるだけ英語での発信をしていくつもりです。

英語のOn-lineのメデイアでよく知られているHuffingtonpostでも、わたしの友人のDr Sunil Chakoさんの投稿が掲載されています。とてもうれしいです。

皆さんの応援は、私たちにとって大きな励みになります。

 

新たな大チャレンジで2012年が始まる

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あけましておめでとうございます。

この1ヶ月、つまり去年の12月6日以来、このカラムの掲載がありませんでした。twitterも発信しませんでした。

ご存知かもしれませんが、降ってわいたように「国会による、独立した」、「この60年余,憲政史上、初の」といわれる、政府からも、国会からも独立した「福島原子力発電事故調査委員会」の法律が国会を通過し、私がその委員長に任命されたのです。10人の委員とともに、12月8日に衆参両院議長から、国会で辞令をいただきました。

ウェブ上で「ニュース」などで私の名前をサーチすると、この件についていろいろ (資料1)と見ることができます。

とんでもない役目をおおせつかったものです。JST理事長を退任したばかりの北澤宏一さんが委員長を勤める「民間の福島原発事故調」にも参加していましたが、これは辞任しました。

この委員会の難しさは、いずれ折々にお伝えするので感じ取れるかと思いますが、なんと言ってもこの委員会の10人の委員と、いかに委員会のミッションを共有し、調査・検討を進めていくのか。皆さん、それぞれお忙しい方たちですし、また、事務方スタッフも、進め方のルールも、こちらが決めていくのです。委員会で一応のルールが決まるまで、私も発信を遠慮していたということなのです。

何しろ「「憲政史上初」の重み」は、その民主制度上の意義ばかりでなく、「いままで行われたことがない」ところに、数多くの難しい要件があり、この委員会の運営自体が大チャレンジなのです。

早速18(日),19日(月)の両日、委員の皆さんと福島第一原発の事故現場(重装備です、、)をはじめ、原発近くの人の気配(ひとけ)のない大熊町と除染現場、翌日には仮設住宅と別の除染現場資料1)などを訪れて戻りました。

とんでもないサプライズで2011年は終わり、2012年が始まりました。

 

「第3の開国」は国民の自らの手で、新しい動きへ

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「3.11フクシマ」以来、日本国の信頼はかなり落ちていると感じている人は多いでしょう。信頼回復の兆候もあまり感じられないように思います。なぜなのでしょうね。TPP議論、Olympusなども、その一面をあらわしています。

「3.11」で見えたのは現場の人たちの素晴らしい力です。世界に日本人の芯の強い力を見せました。でも、ちょっとおとなしいのも気になります。これも同じことの裏側かもしれません。

しかし、「第3の開国」などのお題目を唱えていた政府に比べて、東日本震災の被害者たちは、それぞれが新しい頑張りを見せ始め、このような動きが「第3の開国」への道筋になっていくきっかけになるかもしれません。

こんな意見を書きました。

 

 

 

講演やプレゼンする、打ち合せ会、研究会、講演会など続く

このところ、いろいろな会や委員会などで講演、プレゼン、などが続いています。

文部科学省、中央教育審議会で「グローバル人材」について、これも教育の実践で活躍している船橋 力さんと私がプレゼン。資料などは役所のサイトに出ますのでそのときにリンクします。この後、参加の方々と文部科学省の何人かと近所の安いところで夕食、ここで盛り上がりました。
別の日、「MOT」を推進する会 が発足記念とも言うべきなのでしょうか、元文部大臣の有馬朗人先生が会長をされ、今回、学術振興会の理事長に就任した元慶応義塾塾長の安西祐一郎さんが司会のパネルで、まず基調講演。これも「グローバル人材育成」です。続いて昭和女子大学長の坂東真理子さん、知る人ぞ知る渋谷教育学園長 の田村哲夫さんでした。

その後のパネルは政策通の林 芳正藤末健三両議員も参加して、だいぶ議論が盛り上がりました。しかし、日本はなかなか変われないですね、口では色々言っていますが、、。そこが、私の言っているところなのですが、、。それぞれが言っていること、提案していることを、難しいでしょうかど、どう実践するか、これが大事なのです。

ある夜は、南アフリカ大使館で、Groebler大使と日本の科学技術関係の方々(JST、CSTPなど国連大学や主要大学関係者)が集まって、南アフリカで100年ちょっと前に創設されたUniversity of Free States の研究科長Prof Stroebelをお迎えしたレセプションで、ご挨拶する機会をいただきました。ありがたいことです。前大使のNgubaneさんとは両国の子供の「スピーチコンテスト」 なども開催し、数年前にCape Town へも行きました。

来月、正式に大学院大学になる予定の沖縄科学技術大学院大学の学長になるJonathan Dorfanさん(資料1)も参加。この大学院は、2人の南アフリカ出身の科学者 Syndey Brennerさん(現理事長)とJonathan Dorfan学長におおいにお世話になっていることを、挨拶の最後にご紹介しました。

ある夜は、早稲田のスパコンのラボでも笠原博徳さんのプレゼンがあり、その会にも参加しました.。 私は日本のスパコンなどをめぐる問題、特に企業組織の課題についてコメントしました。院生のプレゼンにも問題あり、とも指摘して、学生さんたちを元気にする試みもしました。研究の成果はなかなか面白いものですが、時にプレゼンがいまいち、なのですね。学生たちもっと自信を持ってプレゼンするようにしてください。この辺は、日本の教育の共通する問題だろうと思います。多くの大学の環境では、学生がのびのびしていないように思います。

私もサポートしている「Learning for All」。これは米国発の素晴らしいプログラム「Teach for America」への段階のステップで、ここへ向けて大変苦労してがんばっているのです。1年半ほど立ちましたが、松田悠介くんをはじめとてもがんばっています。素晴らしい若者たちのグループに成長しています。が、日本の社会の景気などもあり、苦労しています。これは、将来の日本へ向かってとても意義のある、「1石3,4鳥」以上の効果のある素敵なプログラムです。企業、社会、大学などがもっと理解を示して欲しいものです、政府も言うまでもないことですが。

このような会でも感じることですが、「3.11」は、世界に向かって明確に日本の「強さと弱さ」(資料)をまる見えにしてしまいました。

皆さんそれぞれが、自分の言っている意見をどう実現へ行動するのか、はじめは小さい行動でいいのです。これが問われていると、つくづく感じます。

Steve Jobs特集と伝記出版

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 Bloomberg Newsweek TIME

Steve Jobs氏が亡くなって2週間が過ぎました。米国でNewsweek, Times, Bloombergなどの有数なWeekly magazineが彼の追悼特集を出したことは、20世紀後半でもJobs氏がそれだけ極めて傑出した人だったということでしょう。

特にNewsweekとBloombergは他の記事のない、全部がSteve Jobsのみの特別扱い、しかも広告もないのです。これはすごい扱いです。それだけ私達の社会を大きく変えた偉大な天才Artistという扱いでの追悼特集です。

Timesの頃からJobsとのお付き合いのあるWalter Isaacsonが、Timesの特集で付き合いのいきさつも書いていますが、彼の書く「Steve Jobs」の伝記が10月24日に出版されます。早速読んでみたい本、皆さんも本棚に入れておきたい一冊です。

Steve Jobsほど、私達の日常生活を、子供から大人まで、見える、触る、楽しむなど、色々な形で変えた人はいないでしょう。しかも、多くのファンのココロを掴まえて離さない、楽しい、うきうきした気持ちにさせながら、、。

Steve Jobs の生涯を短時間で、全体をまとめて想うにはこのビデオはいいよ。

 

 

Harvard学部生たちと日本の大学生達による高校生へ向けたLiberal Arts Summer Course -2

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このコースの初日、私が基調講演をしました。この100年で大きく変わった世界、この20年で急激に変化するグローバル世界、これからどんなことが起こるか予測がつきにくい世界の状況の背景について、いくつかのポイントを話しました。その上で、「なぜLiberal Arts」が大事なのか、について話をしました。

このSummer CourseはHarvardの学生さんが始めたことなので、100年前に今のようなHarvard大学のあり方への改革をしたCharles Eliot学長についても触れました。いくつもの質問もあり、交流を楽しみました。

翌日は、夕方からHarvard同窓会の方達にも案内したレセプションがGRIPSで開催され、私もそれに間に合って到着、昼間はUniQloの柳井さんの話でまた刺激を受けたようです。何人かの高校生に聞いてみると、まだこの2日間だけの経験ですが、とても刺激的で、これからの進路の考え方が大きく変わっていくのを感じつつ、これからどうしようかと、本気で悩みだしているということで、皆さんの思いは同じのようです。いいことです。これからの人生はまだまだ始まったばかりなのですから、いくらでも選択肢が増えることはいいことです。

主催の小林くんたちのヴィデオ・メッセージ、また、Japan Times にも記事が出ています。

このコースの様子はいずれウェブに出てくる予定ですが、ほかにもいくつかの取材を受けていますので、これらも楽しみです。

 

MIT Media Labの2人、Itoさんと石井さん

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MIT Media Labといえば、世界でもよく知られている研究センターです。1985年に発足、多くの日本企業が共同研究などに参加していたので、日本では特によく知られているのかもしれません。

最近、この所長にJoi Ito (伊藤穣一)くんが就任 したことは、明るいBig Newsです。先日、Joiと、もう一人、Media Lab副所長も勤める石井裕さんと一緒に夕食の機会を持ちました。石井さんは今年のTEDxTokyoにお招きして、素晴らしい熱いスピーチをしていただきました。

話題は色々でしたが、要は日本の若者をもっと世界と交流させたいということです。Joiは「3.11」以後、フクシマを中心にした放射能測定も積極的に実施しているので、この件についても意見交換。

今年のAERA、4月25日号で石井さんが「現代の肖像」で紹介され、また8月8日号でJoi Itoが「表紙の人」になり、「「世界の未来を作る場所」の未来」という記事が掲載されました。

Joiは10年来、世界のalpha-bloggerの一人、石井さんはtwitter (@ishii_mit)のとおり、いつも熱い2人です。

 

「2010 ACCJ Person of the Year」のこと再度

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去年2010年の終わりに、2010 ACCJ Person of the Year に私が選ばれ、今年の2月にTokyo American Clubで受賞講演の午餐会が開かれて、その講演もこのサイトに掲載しました。

最近、ある方が教えてくれたのですが、このときの話からの記事だと思うのですが、私のことを「Kiyoshi Kurokawa, The Maverick」として、Tokyo Weekenderに、Richard Smartさんが書いてくれていることを知りました。

まあ、私は確かに、皆さんが嫌がることを多く発言していますから、無理もない話しですが、しかし、私の言っていることが間違っているなどとは思ったことはありません。日本社会はあまりに閉鎖的な「タテ社会」だ、ということを指摘してきた、ということですから。

本当のことを指摘されると気分を悪くする人も多く居ることはいたし方ありませんが、本当のことを言うことは大事です。

「3.11」以後の日本では、いかに取り繕った政府サイドよりの報道が多かったかは、皆さんご存知の通りです。権力寄りの日本のジャーナリズムの姿勢でその信用はガタ落ちです。これは政府や保安院、東京電力だけの話でないことは世界に広く知られてしまいましたね。

日本はどこへ行くのでしょうか?ちょっと心配です。

 

「公明党」紙、「自由民主党」紙に私の意見

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先月、公明党の機関紙「公明」に斉藤鉄夫さん(元環境大臣、現公明党幹事長代行)との対談 「危機を乗り越え世界に貢献する日本へー原発事故の教訓を世界の共有財産に」  が掲載されました。大震災1か月後、4月13日の対談です。このサイトに紹介するのをうっかり忘れていました。ごめんなさい。

以下のような中見出しです。
? 日本の本当の姿
? 危機に弱いリーダー
? 震災復興の青写真
? 世界の中の日本

民主党現政権の課題についても「政治のリーダーシップ」(p. 3)にもはっきりと書いてあります。

私の前後の号では軍事評論家の小川和久さん、歴史学者の山内昌之さんとの対談になっています。

7月には自由民主党の機関紙「自由民主」の3回のシリーズ物です。「国のかたちを考える」シリーズ、私のテーマは「社会保障」。以下のようなタイトルになりました。

「グローバル化遅れ、社会構造改革進まず」
「変化する世界のグローバル化に対応せよ」  
「社会の幅広い分野から新しい力と知恵を」 

編集者に「このような大きなテーマで、このスペースで3回では、、、各論だけ書いても理解しにくいし、それでは意味がないので、、、」と電話で話をしたところ、「何人かの方から同じことを言われます、、」、と。

3回で大きな枠組みだけを論じていることになりましたが、これが私の言いたいことになると思います。

最終回が出た今日の昼過ぎに、たまたま自由民主党のある議員さんの事務所に行きました。ちょうど目を通していただいていたようで、コメントいただきました。

自由民主党にもきついことを書いてあります、当然ですが。

いま、きわめて危機的な状況にある日本、政治家の責任はとてつもなく大きいですよ。

 

なでしこジャパン奇跡の勝利、World Cup Championに、日本中沸き立つ

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沢選手、延長後半12分奇跡の同点ゴールのヴィデオ

16日土曜にWashington DCから帰国して、時差と戦いながら日曜をすごす。17日は英国でのThe Openをテレビで見る。北IrelandのDarren Clarkが優勝。20回目の出場での快挙には心温まるものがあった。日本からは池田選手が決勝ラウンドでがんばる。

この17日の夜中すぎの18日午前3時半から女子のWorld Cup、#1ランクの米国との決勝戦。ちょっと一眠りして、これを見なくては、と見始めたのだが、米国が前半「0:0」で圧倒的に攻めた点を取れなかったので心理的にイライラが募ったことでしょう。ちょっと精神的にも消耗したかも知れない。前半のボールキープ率は日本53%:US47%。身体的な差は明らかだが、日本の選手もがんばっている。

後半、やはり米国選手のMorganが素晴らしいシュートで1点をもぎ取る。日本も再々相手のゴールに迫るがなかなか点を取れない。後半後残り10分程度のところで、見事なゴール前の競り合いで同点ゴール。1:1で試合は延長戦へ。

延長前半で米国のエースWambachのヘッデイングで1点。これで勝ったと米国の皆が感じたかも知れない。後半15分の残り3分というところで、コーナーキックから、沢選手の奇跡的なoutside heelがドンとゴール。これで2-2の同点。3分後に試合終了。

PK勝負になった。精神的には日本が有利な状態。なぜか日本の選手は皆笑顔。米国の選手は最初の3人が失敗。1,3番目がゴールキーパー海堀の好守に阻まれる。日本の4人目で3:1の奇跡的勝利。

何たること、何たる大番狂わせ。でも両軍とも実によく奮闘しました。沢主将の引っ張る力、またゲーム中にどこにでもいることのすごさ。沢選手はMVP、最多ゴール賞を獲得。素晴らしい活躍でした。

全員参加の精神と、佐々木監督の優れた操縦術がよかったのでしょう。

すごいね、本当に素晴らしい戦いだった。なでしこJapanは私達に多くの感動を与えてくれた。本当にありがとう。

また色々な写真もここでも見られる

今日、帰国したなでしこは実に晴れやかだった。素晴らしい女性達。本当に尊敬する。東北の人たちにも大きな感動と希望をくれた。ありがとう。