夏のダボスでも「社会起業家」たちは注目です。日本は技術先進国ですし、とかく世界を国内からばかり見ているので、国際貢献といっても、思考、製品の基本に「現地での感覚がかけている」、「進んだ技術に気をとられすぎる」傾向があり、これが日本の「弱さ」だということに気がつかなくてはいけません。
このような視点で立ち上がってきたのが、すでに紹介したMITのD-Labです。
社会起業家をテーマにしたIdeasLabで提示された事例の一つが「D.Light」(資料1)のNed Tozanで、これは最も注目を集めました。インドやアフリカでは電気がなく、夜はケロシンを燃やしているところもあります。危険ですし、健康にも良くない、貧しい人にとってそれなりのお金もかかります。これを何とかしたい。ここから始まります。皆さんの意気込みが伝わってきます。
他にも;1)出稼ぎに来た人たちにそれなりの教育と能力開発をし、帰国して自立できるようにしようという活動、2)小さな土地しかない人たちを自立させてきた活動、3)カンボジアなどで若い売春婦にさせられた女性を自立させてきた活動などなどです。
Tozanさんに、「これはD-Lab (資料1)から出てきたの?」と聞くと、「そうです」、といっていました。先日、MITが始めた素晴らしいコースとして紹介しましたが、そのときにも卒業生を通してどんどん広がって、Stanfordの学生が始めた成功事例として話を聞いていましたが、やっぱりそうでしたね。創業者のSam Goldman (資料1) の背景からもアメリカの若者 たちの、若いときからの世界へという考え方、活力、駆動力、それも受け止めるエリート大学のイノベーションは素晴らしいと心の底から感じます。
日本のビジネスも若者も、世界の問題に自分で実体験として接してみると、このような人たちが、もっともっと出てくるのでしょうね。引きこもりなんてもったいないです。自分たち世代から20歳、30歳年上の周りの「おじさんたち」を見ていると、それしか選択肢がないと思い込んで、将来が暗くなってしまうのでしょうか。そんなことはありません。「若者にはもっと外の世界を見せ、体験させる」(資料1、2、3)このことこそがこれからの世界の日本の構築には大事なのです。いつも言っていることですが、再確認しました。世界は広いのです、Steve Jobsの「Don’t Settle, Keep Looking」 (資料1)です。