医療改革へ、また一言

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最近の医療改革の動きは目覚しいものがあります。しかし、どのような政策に基づいて行動に起すのかが、とても重要な所です。関係者がつい自分たちの立場から発言をしてしまうのはやむを得ないところもあります。これが政治のプロセスなのですから。

しかし、一方で歴史的背景に立脚し、中長期的な展望を持った政策という視点からの発言は極めて大事です。どうしても政府案は近視眼的になりがちですから。

私はできるだけこのような立場に立って、このブログ書籍新聞などで発言するようにしています。あまりにも展望を持った政策への発言が少ないと感じるからです。

最近、読売新聞が医療改革への提言を大きく取り上げました(10月16日朝刊)。また、11月21日の読売新聞(21面)「医療ルネサンス No.4479 提言 現場の声1:医療体制、まず効率化を」では私のコメントも掲載されています。記事は以下のような流れでした。

「■読売新聞社の医療改革提言(10月16日朝刊)には、医師ら医療現場からも多くの反響が寄せられた。4回にわたり、その一部と専門家の意見を紹介する。

■医師不足対策として、提言で打ち出したのが「医師の計画配置」だ。地方や、救急、小児科、産科などで医師不足が目立っている。こうした医師の偏在を解消するため、地域・診療科ごとに定員を設け、医師を計画的に配置する。

■まず、医学部卒業後2年間の初期研修を終えた後、専門医を目指して後期研修を受ける若手医師が対象となる。そのために、大学病院や地域の基幹病院、医師会、自治体が中心となって、新たな医師配置機関を都道府県ごとに創設するよう提案した。配属は、医師の希望に基づいて行われるが、希望者の多い診療科や地域では働けない場合もある。読者の医師からは「憲法で保障された『職業選択の自由』『居住・移転の自由』に反するのではないか」という意見が寄せられた。」

なかなかの滑り出しです。

「■これに対し、早稲田大学大学院法務研究科教授の和田仁孝(よしたか)さんは「地域ごとの医師配置を法規制することは難しいが、医療界が自ら工夫して配置の仕組みを作るなら問題ない。診療科の偏在は、専門医に定数を決めれば解決するはず」という見解だ。

■医療機器に敬称を鳴らす著書のある埼玉県済生会栗橋病院副院長の本田宏さんは、「計画配置の考え方は理解できるし、可能だ」と話す。仮に、医師が希望していた渡海の病院の定員枠が埋まり、第2希望の地方勤務になっても、地方での経験は必ず勉強になる、と考えるからだ。「ただし、一度勤務したら戻れない“片道切符”では困る。地方で一定期間、勤務した後は、大学に戻って専門医四角を取れる道を保証するなど、安心して働ける仕組みを作らなければならない」

■政策研究大学院大学教授で内科医の黒川清さんも、医師の計画配置には賛同する。ただ、「地域・診療科ごとに必要な医師数を決めるには、医療提供体制の効率化を進めることが不可欠」と指摘する。救急たらい回しを防ぐため、基幹病院に地域の医師や看護師が常に参加し、24時間体制の救急医療を行う。また大学など大病院は入院医療に専念し、必要なら、外来には開業医も参加するのが効率的だという。黒川さんは「教育、環境など重要課題のほとんどに基本法があるのに、医療にはない。今こそ『医療基本法』を制定し、改革の理念を打ち出す時だ」と話す。」

いかがでしょうか。読売新聞もがんばりますね。皆さんのご意見をお寄せいただけると担当の記者たちも喜ぶでしょう。皆さんも政策のプロセスに少しでも参加しましょう。