去年の9月に第1回を開催したGlobal Innovation Ecosystemという国際会議の第2回を、6月29・30日に開催しました。会議のサイトはwww.gies2007.comです。1日目は経団連会館で、2日目は私が所属している政策大学院(GRIPS)での開催でした。企画は生駒、有本、石倉、私などで、全体を取りまとめる“監督(Director)”は、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の石倉洋子さんでした。1日目はまず私が「イノベーション25」についての報告を、座長という立場から話をしました。「日本語で、ゆっくりと、報告書についてですからね、余計なことは話さないでね」、という監督の指示に従って、時間きっちりでお話をしました。今日の私は「アクター」であって、アクターが勝手に台詞を変えたら舞台はダメになるからね、と私も言っていたのですが、出番の10分前までスライドの順序を変えたり内容を訂正したりして、結構神経を使いました。 皆がそれぞれの役をきっちりと務めてこそ初めて素晴らしい企画、舞台になるのです。スタッフの皆さんご苦労様でした。
私に次いで、Washington DCにある、例の「Innovate America」(通称「Palmisano Report」)を出したCouncil on Competitivenessの会長、Deborah Wince-Smithさんの力強い基調講演がありました。次に、日本学術会議を代表して北沢さんがなかなか味のある講演をしてくれました。これは日本語でしたが、スライドは英語と日本語の両方を使ったものでした。
その後はNew York Academy of Sciences会長のEllis Rubinsteinさん、産業再生機構のCOOを務めた富山和彦さん、日立の中村さん、インドからBagaloreさん(この人がまた面白い人で、共通の友人が多いことも分かりました)、中国からGuさん等が参加したパネルでした。石倉さんの軽やかで、洗練された素晴らしい司会進行で、テンポのいいパネルとなりました。このパネルも全て英語で行われました。会議のプログラム等の詳細や資料等は前述の「GIES2007」のサイトを見てください。 いずれ、ビデオでも見られるようになる予定です。お楽しみに。でもよく考えてみれば、北沢さんと私の講演だけが日本語だったのですね。
現場の雰囲気は、おなじみ出口さんのレポを読んでください。このレポでは、ロシアから帰ったばかりで、私の講演も英語だと勘違いしていたようで、後で訂正されています。成田から直行で会場にこられた帰国早々であり、私のPowerPointの資料も英語でしたので、すっかり私が英語でしゃべっていると勘違いされたようです。でもこれは英語の理解力が日本語と同じレベルで、「トランス」状態になっていたということですね。たいしたものです。
この会議の様子は、書くことでは「プロ」の出口さんのレポのほうが楽しめるので、今回はこの辺で。