一部の方はすでにご存知かと思いますが、先般、「大学病院革命」という本を日経BPから出版しました。amazom.co.jpなどを見ると、それなりの評価をいただいているようです。18日の朝日新聞の朝刊の「書評」で、政治学の小林良彰さん(慶應大学教授)が、この本を紹介してくださいました。嬉しいことです。以下が、小林先生のご意見です。
● 「大学病院革命」 黒川清(著)
● 問題解決へ説得力ある提案
● ともすれば「3時間待ちの3分診療」と言われる大学病院。本書は、日本の大学病院が優秀な人材を集めながら、患者を満足させる医療が必ずしも行われていないのはなぜなのかを解き明かし、解決のための処方箋を示したものである。
● 著書は、日米双方の大学で医学部教授を務めた経験から、医者の道を選ぶのが 日本では大学受験の時であり、早過ぎると言う。米国のように学部生時代に自分の興味や基礎知識を育てた後で、医師としての適正を踏まえ、卒業後に(できれば別の大学の)メディカルスクール(医学専門職大学院)に進む方式を導入すべきである、と主張する。
● また、医療サービスを提供する大学病院と、研究や教育を行う医学部を明確に分け、大学病院では診療に応じた報酬を得る米方式の検討を促す。
● さらに、<かかりつけのお医者さん>を全国民が持つことを勧め、そのかかりつけの医師が大学病院の施設を利用して手術を行えるようにするなど、大学病院の一層の開放を訴える。
● たこつぼ的な医局の風通しをよくするため、医学部卒業後の2年間、臨床研修 医として病院に勤務する制度の導入を実現させた著者だけに、その分析と提案は説得力に富んでいる。
皆さんはどう思われるか分かりませんが、ご意見をいただければと思います。将来の若者のためであり、そのためにこそ私たちの世代はあるのです。先日の日経に紹介された「私の苦笑い」でも同じ趣旨のことが書いてあります。つまり、これが私の信念というか、原則、プリンシプルなのです。