「「休学のすすめ」、休学して、、」、Seattleからの続きの続き

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Seattle最後の日です。会議からHotelに戻るとメールが。なんと、慶応SFC 資料1)の4年生から、ちょうどUniversity of WashingtonのISAYA で半年の勉強に来ているというのです。

メールでは;
「●初めまして、慶應義塾大学 総合政策学部4年に籍を置く学生です。突然のご連絡失礼致します。
●現在休学してSeattleのUniversity of Washingtonにて勉強しております。先生のtwitterを拝見したのが遅く、先日の会食に参加できず大変残念に思っております。
●もしまた同様の会を催されるようでしたら是非参加させて頂ければと存じます。」

そこですぐにメールで返事、「今晩、あなたの先輩と夕食するから、来る?」。「1時間後に授業が終わるのでそちらへ行きます」。

バスで来るのでちょっと遅れ、Waterfront Seafood Grillに到着。この先輩とは、ご当地でBiotech Venture 「ACUCELA 」を起業しているクボタくん、慶応義塾医学部卒の眼科医からの変身。もう1人のお客さんは、この4年間一緒に仕事をしているSeattle発の「National Bureau of Asian Research (NBR) 」のMs Claire Topalさん

話が盛り上がっている時間が、ちょうど日本では慶応SFCで私のクラスの最中。今日のお客さんは、あの「指一本の執念が勝負を決める」、「会社は頭から腐る」など、忌憚のなき意見を吐いている冨山和彦さん (資料1)。様子を尋ね、冨山さんとも電話でお礼などいろいろ話しました。本当に、世界は1つ、便利なものだ、と感じます。私のクラスの講義は、このサイトで見ることができます

この慶応の学生さんたちのように、自分からどんどん「外」へ出てみることです。きっといいことがありますよ。

 

「「休学のすすめ」、休学して、、」、Seattleからの続き

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前回 、Seattleで3人の学生さんたちと会って一緒に夕食をした話をしました。

その2人が自分のblogにこの夕食のことを書いてくれ、写真まで掲載してくれました。

皆さんにも紹介しますね、tomoさんと、miyamoto君のblogです。

大学も慣れていないのか、休学の手続きも結構大変そうな様子もうかがえます。もっと多くの学生さんが休学の手続きを始めれば、大学側も、もう少し慣れてくるでしょう。

ところで、私立大学では、休学の間でさえも結構な額のお金を徴収するところが結構あるようです。これはとんでもないことだと思います。大学は第1に教育の場所なのです。こんな本末転倒のことは止めてほしいです。

なんと言っても教育の目的は、若者を元気付け、彼らのこれからを支援することです。ここに紹介した休学している若者たちの反応を読んでいると、こっちまで元気をもらいます。

慶応義塾湘南藤沢キャンパス(SFC)で「Global Science and Innovation」講義はじまる

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慶応義塾の湘南藤沢キャンパス(SFC)の今年の入学式で、私は新入生を迎えて特別講演の機会をいただきました。このキャンパスは、設立152年の伝統ある慶応義塾の中でも、今年で設立20年を迎えたばかりの、新しいコンセプトによる、とても注目されてきたキャンパスです。

多くの卒業生が、広い世界を含めたいろいろ場で活躍しています。その中でも多くの方が従来の日本の常識(世界ではよくあるキャリアなのですが、、、)では考えられないようなキャリアを積んでいます。私もSFCのOB、OGの何人もの方を知っていますし、今でも一緒に仕事関係が出来ている人もいます。

そのご縁もあってでしょう、今年の秋学期、「Global Science and Innovation」  というコースを担当します。

9月29日は初日。これは「顔見世」だそうで、コースに興味のある学生さんたちが出席。次回までに登録するかを決めるのだそうです。大学院生TAと学部生SAがサポートしてくれます。さすが慶応SFC、もうこの授業をウェブで見ることが出来ます

このようなウェブという「道具」を使って、このコースでは学生さんたちも参加しながら、楽しい、全員参加型の、そしてオープンなクラスを、試行錯誤しながら作っていきたいと考えています。最近話題の1冊「ウェブに学ぶ」も学生さんたちに紹介しましたが、時代は確実に、しかも急速に変化しているのです。

参加するのは1-4年の学部生ですから、半数以上がBerlinの壁が崩壊し、北京で天安門事件が起こり、日経株価が3.9万円の最高値をつけたバブル経済崩壊前年の1989年以後に生まれた人たちです。幼稚園の頃から日本の経済成長は止まったままなのです。ご両親の年齢からは、この学生さんたちの物心ついていらいの育ってきた時代がどんな社会情勢に囲まれていたのかも、考える必要があります。皆さん、あの「9/11」のときはまだ小学生だったのです。

かなりの学生さんが海外生活の経験があるようで、これは楽しみです。何人の学生さんが参加してくれるでしょうか?ちょっと不安です。「授業仕分け」です。これが「Open Education」、「ウェブ時代の教育」の、先生たちにとっては怖いところなのです。

いろいろなゲストも迎えながら、学生さんたちと一緒にこのコースを作って行きます。

 

「イノベーション思考法」を整理する

先日、「ウェブで学ぶ:オープンエデュケーションと知の革命」 を紹介しましたが、この本の評判はかなり広がっていると思います。

その時、この本に紹介されているいろいろな「サイト」を整理してリンクしてくれているBlogを紹介しました。ありがたいことですね。

その方が、今度は私が2008年に出版した「イノベーション思考法」について分析、整理し、解説してくれています。なかなか面白く、うれしいことです。

「イノベーション」は、「アントレプレナーシップ」(資料1)とともに、どの国でも政策の中心に位置付けている「キーワード」です。日本語では、それぞれ「新しい社会価値の創造」、「進取の気性」です。変わる世界、社会で、どうするのか。ここはPeter Druckerの言葉(twitterで @DruckerBOT)をいつも噛みしめてみることです。

2008年秋のリーマンショックから世界はすっかり変わり始め、当初は「土地バブルがはじけて20年の経過から、日本は大丈夫」などといっていましたが、とんでもないですね。

世界がすっかり様変わりしているなかで、日本経済も低迷が続いています。内向きの独りよがりはもういい加減にして、もっともっと世界の動向を感じて考え、行動していなければいけないのでしょう。

 

Bangladesh「ドラゴン桜」、GCMP続報

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Grameen Change Maker Program (GCMP) (資料1)という税所、三好くんなどの早稲田大学の学生さんたちによって、2年前にできたBangladesh で活動しているプログラムがあります。そのひとつが「ドラゴン桜 e-education」をGrameen財団と立ち上げ活躍する早稲田大学(休学中)の税所君 (資料1)。

現場でいくつもの困難に遭遇。そこから貧しい村の高校生を、このプログラムで目標とする超一流大学「Dhaka大学」へバスで7時間かけて連れて行ったことを報告しています。これなどは現場にいないと決して出てこない発想ですね。その辺の背景も書いてある第2報現地の報道などが届きました。

彼の最近のメールでは;

「ダッカ大学受験までいよいよあと一ヶ月です!

ダッカ大学スタディツアーのあとから生徒たちのモチベーションも非常に高く、模擬試験の結果も徐々に上がってきています。

現在生徒は23人。

ダッカ大学模試を参考に
Aチーム5名: 最優秀
Bチーム5名: 優秀
Cチーム女性: 5名
Dチーム13名: 普通

1週間ごとのテストによってクラス間の間を下克上にして競争意識を駆り立てています。

とくにABチームの生徒のモチベーションは高く結果が期待できるのではないかと、チームで話しています。

10月上旬に大学の手続きのため一時帰国します。その際に詳しく報告できたらと思います。」

しかし、このアイデイアは税所くん自身の挫折と、それを乗り越えた体験 から。これは現実の発想力に大事なことです。何でも「現場力」が大事ということは、こういう「現場体験」にあると思います。頭の中での思考だけでは、こうはいかないのですね。

一方の三好くんは、再度Bangladeshへ、さらに昨日からさらに世界へ自分発見の旅へ向かっています。

今日は、今年の夏にBangladeshの現地にいってきた学生、院生などの若者たちが集まって発表会。休日にもかかわらず、大勢が集まり、HIS  、Sunstarなどの協賛してくれている企業の方達も参加してくれています。一橋大学の米倉誠一郎さん、元JICAの阿部英雄さんも参加して講評など。すばらしい4時間でした。

皆さん、現地での実体験からそれぞれのグループテーマを決めて知恵を絞り、プロジェクト提案のプレゼン。現場からいろいろ学んでいます。そして、そのプロセスそのこと自体が、自分自身の発見の機会になっていると思います。「外」に出てはじめて自分を、個人として見つめ、感じ取ることが出来る、そして日本を見始める。その上で、自分の思いと、自分のしたいことを感じ、どう自分のキャリアを選んでいくのか、などについても感じ取っていけるのではないでしょうか?

みんな自分がとても変わったと感じ取っています (資料1)。そして、このような機会が一人ひとりの若者の将来のキャリア形成で、世界へ広がる「dots」になることを確信しています。

 

Michael Sandelと「ウェブで学ぶ」: 「問う」ことの大事さを感じとる

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最近、このサイトでも紹介し、大いに話題になっている2つのことがあります。それはMichael Sandel教授の「白熱教室 Justice」資料1)と梅田、飯吉さんの著した「ウェブで学ぶ」 です。

Michael SandelさんのTV番組 (On-line でも見ることができます)は急激な人気で、Sandel教授は8月には日本に招かれるほどの急激な熱狂ぶりです。もっとも、この反応も日本的かもしれませんが。

また、「ウェブで学ぶ」も大きな反応が出そうです。ウェブやtwitterでは良好な反応がたくさん見受けられます。

何故か?

Sandel教授の授業は、日常の身近な具体的な事例から、その「本質を問い」かけ、「何故?」を考えさせる。そして、そのような思考過程から問題の普遍性と個別性を認識させ、根底にある人間と社会の問題の「正義とは?」を哲学的にも思考する、というプロセスを感じ取らせているところにあると思います。だからこそ、皆さんが「知的興奮」を感じているのではないでしょうか?こんなに「自分で考える」という授業を大学で共有したことがあまりないからこそ、目が覚めるように感じたのではないのか、ということです。

飯吉さんも、これらの反応についてもblogでフォロー していますが、うれしいことに私のblogのコメントについて、梅田さんとこの本で書きたかったことは皆さんに「問いかける」ことだ、という思いを私が共有していると感じ取ってくれていることを知りました。とてもうれしいことです。

私たちの日常生活、教育のプロセスで、最も欠けているのは「何故?」と常に問いかける姿勢、習慣、そしてそこから始まる「教える側と教わる側」の共同した思考プロセスだと思います。これは一般的に日本の教育、企業などの組織での研修などに決定的にかけているのではないかと思います。「指導要綱」、「教科書検定」とか。法律にしても同じです。基本的に「タテ」の思考なのですね。

教育でも、生徒と一緒に問いかけ、考えるという姿勢よりは、先生が答えを持っているかのように解説していく授業が多いと思います。大学でさえも基本的に知識の伝達ですね。だからこそSandel教授の講義は刺激的なのです。また多くの講演などでも「、、対策法」などの「Know How」ものが人気のようですが、一番大事なのは「何故?」を考えることなのです。

オープンで、フラットに広がる「知の時代」、知的興奮を刺激しないと、「指示まち」では何も始まりません。このSandel教授、「ウェブで学ぶ」の2つは、皆さんの内蔵している「知的な問いかけ」をしているからこそ、皆さんが興奮しているのだと思います。

 

「GLOBE トークライブ」のご案内

朝日新聞GLOBEはとてもしゃれた、パンチの効いた、世界を見渡す、私も好きな特徴ある企画です。毎月2回8ページで組んでいますし、すべてがOn-lineで読めることも好きな理由です。

私も意見 (資料1)、コメント資料1)を書かせていただいたりしています。

創設2周年を迎えて「GLOBEトークライブ」が、10月17日(日)午後2時から、東京国際フォーラムで開催されます。私もお招きを受けて登壇しますが、ほかの登壇者リストがユニークです。とても楽しみです。歌も演奏もあるようです。ぜひ、お出かけください。

プログラムと参加の申し込みは、「朝日新聞GLOBE」の右にあるバナーからもここ「ピア」に到着します。

実践する若者たち、Grameen日本の若者の新しいProject

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このサイトでしばしば報告していますが、早稲田大学の学生(もちろん休学中)、税所くんたちによる日本人初の活動がBangladeshのGrameen 銀行で始まっています。

「アジア最貧国ドラゴン桜」e-education programです。

彼のblog からもわかりますが、日本国内にも朝日新聞で取り上げられました。今度は「ソトコト」に連載されるようです。第1回が出ました。本当にがんばっていますね。うれしいです。皆さんも応援してください。

実際に現地で7時間もかけて、バスで村の若者を大学キャンパスへ連れて行く、などの発想、実行力は、現地で生活し、考えていなければ、出てこない発想でしょうね。税所くんからのメールと写真によれば;

「昨日、村の高校生を連れてダッカ大学スタディツアーを行いました。
どうしても村の高校生は「ダッカ大学に合格する」ということが想像できないようで、
じっさいに見てもらおう!という企画です。
「一生忘れられない経験になりました!!!」
と大絶賛のツアーになりました。」、、、、」

という反応なのです。

村の子供たち、親たち、村人たちにはどんな感動の体験だったでしょうか。そしてもちろんYunusさんをはじめとするGrameen銀行関係者の日本人を見る目が変わってくるでしょう。

このようなことが市民外交の基本のひとつですね。大学関係者もこのような若者をもっともっと応援してやるべきでしょう、もちろん企業関係からのサポートもね、将来へのブランドになるのです、「社会企業」であり、「戦略的投資」です。国にばかり頼っていることもないのです。何かといえばすぐに「予算がない」という言い訳をする大人たちも、国の教育政策も頼りならないし。どうすれば支援できるか、なのです。若者の意欲(資料1)をそぐことは、大人が一番してはいけないことです。

広がる世界のBlog Networkへ

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この私のBlogは、基本的に日英両方で発信しています。おもに日本の方達に発信しているとはいっても、英語で発信しなければ、世界の2%の人の中だけのblogだ、ということですし、また多くの内容はグローバルに意味のあることと考えているからです。

時々、海外からもいろいろな意見などをいただきます。

最近、私たちのBlogにも出しませんか、というメールが来ました。日本からの発信が少ないので、ということもあります。よく知られているサイトだそうで、リンクしてもらいました。あちらで選んでくれているようです。

私のはここです。これでいくらヒットが増えるでしょうか?楽しみです。

See-D 開催: 現地に適正な技術が世界を救う

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先日ご案内した「See-D」 が、7月31日(土)、東京大学の福武会館で開催されました。約200人、主に若い学生さんたちが参加、通りがかり飛び入り参加の方もいました。Kopernick も大事な協賛団体です。

主催者はMIT D-Labにも参加している在Bostonの陸さん、土谷くん 、とD-Lab日本支部などが、夏休みを利用して帰国したBoston組みなどが中心になって企画、運営をしているのです。

このような企画、行動が若い人たちからドンドン始まり、発信され、実行される事が大事です。

会場では、リアルタイムでtwitter などからの参加も、 Ustream (資料1)が流れ、またSkypeで東チモールの3人とのライヴ交信、こちらからはPost-Itにコメントを書くと司会者が英語で問いかけることあり。また現地からの英語は、日本語で要点がドンドンScreenに出てくるサービス、気配り。このイベントの報告書も見れます。

とにかく、皆さん元気、何かしたい気持ちがいっぱいであることがありあり。パネルではJICAの方達の海外活動の経験のお話もありました。(このうち現在TanzaniaでBetNetという蚊帳の活動をする住友化学の井出さんとは、去年3月のDubaiへの機中で隣同士というわけで知り合いになりました、、、それからも何かの機会でお会いしましたね、、)、

私も最後に、皆さんへの励ましの挨拶。やはり、「現地の感覚の大事さ」(資料1)、「休学のすすめ」などをお話しました。結構盛り上がりましたね、twitterで見ていても反応が良かったです。さらに、レセプションでの乾杯の音頭、これは騒がしくて何も言えず、短く「カンパーイ」だけ。 

しかし、皆さんも元気いっぱい、参加の皆さんもとても元気の出る、またdigital技術を駆使した明るい会議でした。そういえば、何度も紹介しているBangdaleshへ行っている三好君からもtwitterの飛び込み。

このあと、東京大学との共済で開催している「国際保健政策Summer Course」 へ、夜の7時頃に訪問、皆さん夜遅くまで、政策つくり、プレゼン、討論などに遅くまで励んでいました。参加の皆さんも、スタッフの皆さんも本当にご苦労様です。あすは2人の国会議員にプレゼンするそうです。