Basriさん来訪で学ぶこと2つ:災害地現場に子供を連れて行く、冨山和彦さんの会社

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 Dr Basriさんが突然4月23日の土曜日に来日することになった経過はお話しました。

成田空港から羽田空港に到着、午後4時半ごろから30分の打ち合わせ、Dr. Basriさんと彼の娘さん、息子さんの3人の秋田空港への出発を見送り。秋田空港から車で東北を横断、真夜中に宮古、浄土ヶ浜パークホテル (資料1)に無事到着、とすぐメールで知らせが来ました。

翌日、いくつかの被災地を回り、米国から持ってきた援助物資を渡し、その日の最後は盛岡で1泊。翌日の月曜日は早朝に盛岡を出発、秋田空港経由で羽田空港へ、そこからHGPIの事務所へお迎えし30分ほどのde-briefing。東北では桜がきれいだったようです。あわただしく東京駅の近くでさらに歓談し、成田Express13;33発の予定で東京駅へ。これがまた節電のため運休で予定が狂い、違う切符を購入、無事に出発を確認しました。私がホームまでお供していて本当によかった、よかった。

ところで、Basriさんがわざわざ子供さんを日本の被災地に連れてきたのは、このような現場を見る、歩く、感じ取る経験が大事だ、といってそれを実践していることです。これが教育の基本ですね、感心しました。日本では2泊3日の強行軍、2人のお子さんも元気でした。

今度のとんでもなく急な、普通でない大災害のとても難しいお願いに、何とか2日でギリギリに対応してくれたのは、何度もここで紹介している冨山和彦さん (このサイトで「冨山和彦」でサーチしてください。)を思い付いたからです。

今度の災害のすぐ後に冨山さんから電話を頂き、彼の会社IGPI (資料1)が経営する1つに福島交通があり、「原発対策でバスの運転手達のために放射能測定器がいくつも必要だ」けど、何とか当てがないですか、と電話を受けたからです。その後の話で、冨山さんに電話したところ、福島交通のほかにも、岩手県北自動車茨城交通、そして浄土が浜パークホテルも経営しているとわかり、お願いしてみたのです。冨山さんは、その日からStanford大学へ出張で出発の直前だったのですが、担当への連絡をしてくれました。

2日で、全行程を手配、指示してくれたので、Basriさん一行も何とか間に合った、というわけでした。おかげで、大いに感謝されました。

手配の早さ、岩手で対応してくれた担当者の対応と手配とメールなどでの到着の知らせ等々の気配り。しかも、原発の初期からバス運転手達への気配り、そして、ほとんど運行への影響は最小にできたようでした。

これが、経営トップの心がけ、というか基本であることを、この危機にあっても、「運転手の、、」まずは身をもって示していることに感心したのです。

こういうことを言う人、書く人は数多くいますが、予期しない危機に際して、身をもって示してこそ「リーダー」の本当の姿資料1)が浮き出てくるのだな、と思いました。

若いときの数々の「挫折」を乗り越えてきた「挫折力」がなければ、身についてこないリーダーの資質です。