「一橋ビジネスレビュー」という季刊のビジネス関係の方に広く読まれている雑誌があります。一橋大学イノベーション研究センター編(センター長は米倉誠一郎教授)で、この創刊10周年ということで、御手洗冨士夫キャノン会長、野中郁次郎先生、岩崎卓也「Diamondハーバード・ビジネス・レビュー」編集長とご一緒に特別企画「10周年に寄せて」に、私も祝辞を書かせていただきました。
「「美しい」履歴書の時代」というタイトルです。この言葉は、Silicon Valleyからblogでも大いに発信している海部美知さんの「パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本」 (1) から引用した言葉と、その説明も引用してあります。この海部さんの本では、実にうまい言葉がたくさん出てきます。お勧めの本のひとつです。
私がいつも主張している「他流試合の連続を通して、自分のグローバル世界での「立ち位置」を認識するキャリア」ということと、ほぼ同じことですが、海部さんは言葉の使い方で美しく表現しているので、使わせていただきました。
このような「美しい」履歴書の作り方、これが石倉洋子さんと書いた「世界級キャリアの作り方」のコアのメッセージでもあるのです。
そして、そのために出来ることの始まりのひとつが、私の言っている「休学のすすめ」 であり、また「アジア青年の家」 計画などなのです。
単線路線、同じ組織で順々に上がる、しかも大学新卒から、しかも3年で内定などなど、というキャリア、それが常識と広く認識している社会などは「トンデモ」キャリアの時代なのです。本来、終身にわたって同じ組織に勤務するのは「雇用される側」の選択肢なのです。役所、大企業もそうなのですが、自律度が高いはずの大学でも「4行教授」 (資料1)などが、結構多いのですから。
このようビジネスの本に、私ごときが寄稿させていただけるのはなぜなのか?私も読者のことを考えるとちょっと躊躇しましたが、うれしかったです。そこは米倉先生の目利きでしょうか? 私の察するところ、ビジネスでも、教育でも、医療でも、政府でも、すべての基本は「BtoB」、そして「変化の本体を知る、感じ取れるか」なのだ、といっているからでしょうね、「Back to Basics」ということです。これを企業家、起業家に言い続けていたのが皆さんよくご存知のPeter Druckerなのですね。