今回のDoha訪問はGlobal Redesign Summit 参加が目的です。このプログラムなどはウェブで見ることができますが、いわゆる「Chatham House Rule」 で、一部を除いては、発言者がだれかはわからないようにして、文書、報告書等を出すスタイルです。したがって、blogのような形式でも、基本的には誰が何を言ったかを書くには、会議主催者や本人の了承が必要です。
今回のアジェンダは、今までの「Global Agenda Council」(資料1、2) で議論されてきたことから問題点をフォーカスし、これをさらに議論をして今回のサミットで議論を進め、来年1月のダボスでの会議へパネル等に使ってグローバルな行動を起こそうとするものと思われます。
今回もいくつかのテーマに絞ってあり、さらに1セッションでしたが「Oceans」というのが設けられ、これはもともと私自身も興味をもっているテーマですし、面白そうなので、参加しました。
参加者は「Global Agenda Council」などのメンバーを中心に、これらの課題にふさわしい方々を絞り込んでいるように思われます。
この2年間、私は世界銀行の仕事 (資料1)を「Volunteer」で手伝ってきたので、もっぱら「Development(開発)」関係のセッションに出ました。これらのテーマで議論を積み上げてきた委員会メンバーが5分ほどで課題設定での意見をそれぞれの立場で提示、その後で意見交換するのですが、参加も50人ほど、多くても100人ほどでしたので、いろいろ意見の言いやすい形式でした。
このような場を通して、ポイントをついた発言、違う見方、議論の進め方、各分野の専門家の意見などは大変参考になるものが多いですし、自分の意見を限られた時間でどうまとめるか、どのように議論を進める、展開、新しい視点を入れるなど、などなどいつものことですが大いに勉強になります。
以前も報告していますが、JICA理事長の緒方貞子さん の発言はその一言一言の意味が明確で皆さんに届き、評価され、最後のPlenary Panelを含めて4つのパネルに登場でした。これは毎年のダボスの本会議でも感じることで、こんな方は世界でも数えるほどしかいません。この最後のパネル'A Framework for the Future' は司会が男性、パネリストは男性2、女性4、このことに最後の発言となったFinlandの大統領(女性、5年外務大臣、大統領は9年目、もともとNGOの活動家)が締めくくりで触れました。このようなパネル構成は日本ではなかなか考えられないことです。
今回は緒方貞子さんとご一緒の時間が随分ありましたが、いろいろな国家元首(前職)を含めて実に多くの方々のことを10,20年前から個人的にも知っておられるのです、すごいことです、そして皆さんが緒方さんをとても尊敬しているのがよくわかります。日本の誇りですね。緒方さんは、先日もAfghanistanのKabulへ、今回はこの会議の後はEgyptと、世界中を回っておられます。
また韓国の参加者(大統領府のスタッフー若い–、G20シェルパのAhn Ho-Youngさん (資料1)、政治学者のMoon, Chung-inさんなど –何人かの方とは知り合いですが)の方たち、中国からも政府関係者、大学の研究者など、Plenaryでの発言も活発、質疑のさばきも見事なものでした。
日本の若手もこのような「場」に積極的に参加し、パネルの質疑の仕方、それを真似する、失敗もしながら成長し、「場」慣れしていくのです。そのような機会には、ぜひもっと積極的に参加してくさい。それでないと日本人の存在はますます希薄ですね。人間のネットワーク作りにも絶好の機会です。