借金漬け、日本は崖っぷち

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世界、特に「先進国」では公的出費が増え続け、しかも経済の回復が遅いので(日本ほどではないにしても、、)、国の債務が増えることに対して懸念が問題にされています。

EUではギリシャが債務超過になり、ついでスペイン、ポルトガルも債務過剰になりそうでユーロの価値の危機です。

日本の経済はあいも変わらず調子が悪いですね、この20年、ほとんど成長できないのです。今年の予算は、税収より国債のほうが多く、打ち出す政策は公費の出費が多くなるばかりです。国の債務(借金)がGDPの200%近くになりました。

しかし、日本ではあまりにも債務が巨額(GDPの200%)だからでしょうか、国債発行にもまったく規律が欠けていますし、よそに比べても国内ではこの債務への懸念が、学者も、報道などもあまり大声では叫ばれていません。「麻薬中毒」状態です。しかも、高齢化が進み、借金返済はほとんど不可能ですね。将来の世代はますます暗い気持ちでしょう。この世代は実に無責任です。

日本の「偉い人たち」などが、日本には国民の貯金その他で1,400兆円ほどあるから、国全体としては債務過剰ではないから大丈夫、などといっていましたがさすがにそんな発言は、最近は不思議に減っているように感じませんか?なぜでしょう。

今年1月末、格付け機関Standard and Poor’s (最近のGoldman-Sacks問題などに関して、企業格付けでまた不正を働いたようなこともあるようですが、、)が日本の国の信用を1ランク下げました。日本の報道では、不思議なことにちょっとしか扱われなかったですね、こんな大問題なのに。

思い起こせば前回の格下げは2002年5月でしたか、そのときの日本は大騒ぎの報道と、財務省まで抗議文、広告を送りつけなどしました。次の記事などがあります。覚えていますか?今回とはずいぶんな違いです。なぜなのか、考えてみましたか?

本当はどうなのでしょう。確かに日本の借金は返済不可能でしょう。国の信用は低下していくでしょう、経済成長もなかなか難しそうですね、、、。来年度は日本が発行する国債が国内だけでは売れさばけず海外に購入してもらうより仕方ありません(普通は国内だけで売っているほうがおかしいのですけどね)。このときは金利が4-5%程度には上がる、借金の返済はさらに苦しくなり、国の借金は急速に増え、インフレになり、国民の生活はさらに苦しくなるでしょう。

今の政治のひどさ、今までの「政産官の鉄の三角」もひどいものです。政治財務省などの「エリート」の考えていることは大体想像できますね、自分たちは責任を採らない、政治の貧困のせいだと。国民、特にこれからの世代は困窮というシナリオでしょう。ひどいものです。その先の手も読めそうな気もしますが。

最近、亀井大臣が郵便貯金の上限を2,000万円にあげました。不思議ですね。来年の国債を国内だけで買いきれるようにしようとの陰謀にもみえます。だから金利の上昇、インフレをさしあたり1年延ばそうという、いつもながら「問題の先送り」、「陰謀」でしょうか。あまりにも突然ですしね。では、その翌年は予算が成立するのでしょうか?

結局、国債の金利が上がり、返済額が増え、日本円は安くなり、ひどいインフレになるでしょう。ひどいことですよ。

選挙を前にして政治家は消費税上げることを言えず、役所に大鉈を振るえず、決断できず、役所も、学者もね。報道も政府に操作されているのか、広告料で企業に遠慮しているのか、あまりつらいことには意見を広く発信しません。

大体、日本はバブルがはじけて、1998年ごろから超低金利、私たちの預金はみんな国外へ出て行ってしまって、結構「サブプライム」の引き金の1部になっていた可能性は高いのです。サブプライムでバブルがはじけて、私たちの預金は実はもう返ってこない、と思いますが。

日本国の財政状況は極めて危険水域(資料)です。政治は選挙を前にして減税はできない、企業も集中と選択がなかなかできない。外人や女性を重要なポストにつけたくないとか、希望ないですね。「あれもこれも」と議論しているのは結構なのですが、問題は実行です。大企業も内向きで元気ないですね、もっともっと「M&A」など積極的な、厳しい経営が必要と思います。

世界では日本への信頼はガタ落ちで、できれば相手にしたくないという雰囲気も出始めていますね。日本経済は「弱い」のではなく「麻痺している」のです。

今回も、もっぱら「The Economist」の記事を引用している理由は、2月15日のカラム「トヨタの問題と苦悩」 に書いた通りです。