城山三郎さんのこと

偉大な作家、反骨精神にあふれた作家、城山三郎さんが今年3月22日にお亡くなりになりました。この2ヵ月間ほど、城山さんの精神、業績をたたえ、偲ぶ記事が多く見られました。城山さんの書くような立派なリーダーがいなくなったことを嘆いているように感じられます。そのとおりなのではないでしょうか。

実は、城山三郎さんは以前、私のことも書いてくださっています。

文芸春秋のシリーズで、私がまだアメリカにいたころのことです。城山さんが私の話を聞きたいと、ロサンゼルスに訪ねてこられたのです。その時は本当にびっくりして、ご当地には本当に立派な方がたくさんおられる、特に日系の方たちは本当に苦労され、戦争中は財産を没収され、マンザナなどの日本人強制収容所に収容されて苦労されながら、それでも成功し、戦後の日本の復興に多くの支援の手を差し伸べた方々が多いことを話しました。そして、和田フレッド勇さんをご紹介しました。城山さんはとても喜ばれて、和田さんのことも私のことと一緒に文芸春秋に書いてくださいましたし、私が日本に帰国したばかりの昭和59年に、和田さんが吉川英治文化賞受賞されたときも、城山さんのご推薦があったと聞きました。本当に嬉しかったです。和田さんもこの受賞を本当に喜んでいました。和田さんとは帰国した後も、東京やロスで折りに触れ何度もお会いしていました。2001年にお亡くなりになられましたが、本当にすばらしい方でした。

この城山さんの文芸春秋のシリーズは後に単行本になり、さらに文庫本になりました。1987年7月に出版された「アメリカ生きがいの旅」(文春文庫 刊)で、私のことが書かれている部分があります。その一部を紹介します。

 「アメリカ生きがいの旅」 城山三郎著 pp63-70(文春文庫 1987年7月)より