寒い北京から暑いニューデリーへ

北京に来ています。今年3回目の北京です。政策大学院大学(11月から教授に就任しました)と中国共産党中央党校との合同会議に参加しているのです。広いキャンパスです。寒いですが、本来はもっと寒いそうです。

23日に到着、チェックイン、すぐに学生さん相手の講演に行きました。講演も質問も英語ですが、上手くなくても積極的でいいと思います。今日24日は政策大学院との共同会議で「持続可能な発展の制度設計」をテーマに双方から一人ずつプレゼン。こちらは「社会」が私、「大都市」が八田副学長、「地方政府」が高田教授(総務省から出向中、元自治省)、「エネルギー」が田端さん(北京のNEDO代表)、座長はこちらからは堀江教授(元総務省)、角南助教授という面々でした。会議の内容もとても良くて、共同研究等の可能性がいくつも見えました。

お互いに、政治も、過去もさることながら、前向きに共同作業を始めることは、世界の将来にも大事であることを双方がしみじみと感じた一日でした。

24日の午後は、NEDO田端さんのお世話で、北京の秋葉原のようなところに行きました。いやいや活気がありますね。ここでは、テレビ、液晶パネルは日本、韓国、中国製が競っています。パソコンはLenovo、Vaio等々の競争、値段は高い。デジカメは日本製の圧勝、携帯電話は日本製は見る影もなく、Nokia、Motorolaが圧倒しています。しかし世界の携帯電話の内部部品の65%は日本製です、なぜでしょう?よく考えてください。

その後は、新しく科学技術副大臣になった、中国科学院副会長だった曹 健林(Dr. CAO Jianlin; 光科学)ほか、4人の日本留学組の精華大学教授たちとお会いしました。皆、環境・エネルギー等の分野が専門で、日本の大学、中国の大学等の話題で盛り上がりました。

夜7時に空港に到着。これから今年2度目となるニューデリーへ向かいます。World Economic Forum主催の“India Economic Summit; India, Meeting New Expectatoins”でのPlenary Session、「Promoting Innovation in India; What Works Where?」に出席します。

前回のインド訪問については、4/219/9のブログに書いています。是非読んでみてください。

061124_2 写真 合同会議の質疑応答の様子

「イノベーティブな人」の条件、「フロネシス(Phronesis)」とはなにか?

今日の午前は、昨日(11月20日)の産学官サミットのゲストで来日された元Stanford大学副学長のWilliam Millerさんの訪問を受け、楽しい時間を過ごしました(今年でもう3回目の来日だということです)。原山さんもちょうど来られたので、スタッフの佐藤くん、是永くんたちにも参加していただきました。夕方からは総合科学技術会議の本会議が官邸でありました。今日のセッションはなかなかよかったです。その後、デンマーク大使館でRasmussen首相の歓迎レセプションに行きました。レセプションで東京工業大学長の相沢学長にお会いしましたが、Rasmussen首相が明日、東工大で学生さんを相手にお話をされるそうです。楽しそうですね。

今日は、久しぶりに格調高い、哲学的思索の入った「イノベーティブな人」、「イノベーティブなマインド」についての考え方を伺いました。DNDに掲載されている原山さんのレポートがそれです。

さすがに、ヨーロッパの高等教育を受け、仕事をされていた方ですね。感心しました。ちょうど出たばかりの日本学術会議「学術の動向」11月号のジェンダー特集に寄稿されている上野千鶴子さんの文を読んでいたら、原山さんも引用していた言語学者ソシュール(Saussure)の同じ本が引用されていたのでびっくりしました。

でも、出ましたね、原山さん!ここでも「フロネシス(Pronesis)」が!私の11/14のブログDNDメールマガジン Vol.196でも取り上げている言葉です。

野中郁次郎先生(本当にすごい先生ですよね)が提示したこの言葉「フロネシス(Phronesis)」の意味ですが、原山さんの引用を再引用させていただくと、“この言葉の意味の重要性、あまり聞きなれない概念なので定義を引用すると「個別具体的な場面のなかで、全体の善のために、意思決定し行動すべき最善の振る舞い方を見出す能力」となります。ここでキーとなるのが主観であり、その主観がよりどころとする価値体系の構成要素である倫理観、歴史観、社会観、政治観、美的感覚なのです。科学的知識と実践的知識を融合してアクションを取るイノベーティブなひとには規範的な側面においても卓越していることが求められるのではないでしょうか。”と。いい文章ですね。素晴らしい。

野中先生が例として挙げられる方の中に先週生誕100年を迎えた本田宗一郎さんがいまが、ほかにもソニーの井深大さん、盛田昭夫さん、トヨタの豊田喜一郎さん、クロネコヤマトの小倉昌男さんたちが私にはすぐに浮かぶのです。

このような哲学、思想にこそ、社会の変化をもたらすイノベーションを起こす「イノベーティブな人」、「イノベーティブなマインド」は深く無意識下に内在するのだと私は思います。

イノベーションについてこのような理解が広がると、本当に活気のある、素晴らしい社会変革が起こるでしょう。いや、そのような認識こそが広がってこそ、社会イノベーションが起こる「活気のあふれる」、「品格ある国家」になるのであろうと考えるのです。予算委員会などの答弁などを聞いていると、安倍総理はこのような認識をどこかにもっておられると、私は感じています。

061121 写真 Stanford大学のMillerさん、原山さんと

なぜ年齢を?

日本経済新聞夕刊(2006年11月14日)の「フォーカス」欄に「首相肝いり、「イノベーション25戦略会議」座長に、黒川清氏」という記事が出ていました。内容は以下のようです。

●「技術革新めざし環境づくり」
●「どうすれば日本がアジアの成長エンジンになれるか、議論していきたい」。安倍晋三首相が新設した有識者会議「イノベーション25戦略会議」の座長に就任した。
●「イノベーション25」は2025年の将来像を想定し、技術革新を通じた経済成長を目指そうという首相の政権構想。科学者の意見を集約して政策を提言する政府の日本学術会議の会長を70歳定年で9月に勇退したところに、首相が戦略策定の実務を担う逸材として白羽の矢を立てた。
●もう一つの肩書は科学技術担当の内閣特別顧問。日本では初めてのポストだが、米英では定着しているという。サッチャー英政権で初代顧問になったロバート・メイ氏とは日本学術会議の活動を通じて友情をはぐくんだ仲。
●来日中に内閣特別顧問就任の一報が入り、喜びを分かち合った。
●大学など日本社会には大相撲ナイゼーションが必要」が持論。外国人力士が多数活躍し活気もある相撲界のように、本当の意味で国際化を浸透させられるかイノベーションのカギと読む。
●首相と同じ成蹊高卒で、本職は腎臓専門の内科医。幅広い識見と人脈を武器に、持続的な経済成長を遂げられる社会環境づくりに乗り出す。=くろかわ・きよし、70歳

ところで、年齢を出すのはやめてほしいですね。どんな意味があるのでしょうか?しかもこの短いスペースで二度までも・・・。一般に、どの記事でも内容によっては意味がなくても直接的に年齢を出しますね。なぜでしょうか?ちょっと考えてもらいたいです。高齢社会ですから「60歳以上」なんていう方法はないでしょうかね?

でも、またまた「大相撲化」を紹介していただけました。うれしいです。

ヨーロッパの「イノベーション」とフィンランド前首相Ahoさんの訪問

科学技術に対する国家や企業の投資は、経済成長のエンジンとしての「イノベーション」、そして地球温暖化、エネルギー問題等の課題解決へのキーワードになっています。ヨーロッパでも同じことでリスボン戦略(2000)を経て、今年の1月に「Creating an Innovative Europe」、通称“Ahoレポート”といわれる報告書がでました。座長はフィンランド前首相のEsko Ahoさんで、4人の委員会で3ヶ月ほどで仕上げたそうです。

このAhoさんが来日され、私を訪ねてくださいました。 Ahoさんは、1991~95のフィンランド首相で、ソ連崩壊直後の国の難局を立ち直し、国のリ-ダ-としてきわめて優れた、そしてそれほど多いとはいえない“Statesman”として認識されている政治家の一人だと思います。個人的にもこの2年ほどお付き合いをしていますが、すばらしい方です。

9/10のブログで紹介した「Global Innovation Ecosystem」でも、この報告書が話題になっていたので、偶然でしたがいい機会となりました。そこへちょうど顔を出した総合科学技術会議の原山議員(東北大学)もお招きしてお話をしてみると、同じEUでもドイツ・フランスなどは経済成長率が低いのに対し、世界でも1、2の元気なフィンランドを始めとする北欧諸国は活気があるようですし、また東欧、ポルトガル等も元気ということでした。世界銀行の調査でもこれを裏付ける予測のようです。

事実、この2週間前に私のところに来られたドイツ、フランスの方たちは「日本はいいですね、でもわが国は・・・」といった趣旨の話が中心でした。もっとも「他人の庭は緑」ということでしょう。

この日の夜は、生駒俊明さん、有本建男さんたちと、フィンランド大使館での晩餐でした。

061115 写真 Ahoフィンランド前首相と原山さんと

イノベーション、日刊工業新聞の記事

「成長には創造的破壊が必要」という見出しで日刊工業新聞(2006/10/30)にインタービュー記事が出ています。そこで、「イノベーション25 戦略会議座長(内閣特別顧問) 黒川 清 氏」として私のコメントが紹介されています。

“2025年の社会に向けた長期戦略指針「イノベーション25」を策定する「イノベーション25戦略会議」がスタートした。技術だけでなく一般社会のさまざまな仕組みの革新をイノベーションと位置づけ、生活者の視点と20年後という長期スパンを特徴とする。
 社会の活性化の基本は人だとする安倍晋三首相の方針を受け、黒川清座長(内閣特別顧問)は「従来の仕組みを変えようとするディスラプター(粉砕者)がもっとも大事だ」と強調する。そんな人を認めて応援する、日本社会の革新について聞いた。(山本佳世子)” で始まります。

山本―― イノベーションの日本語訳はこれまで「技術革新」といわれていました。
黒川―― 「イノベーションは研究開発や製造プロセスだけでなく、組織やサービス、マーケティングなどあらゆる社会の仕組みの革新を指す。カンバン方式やセル方式など製造ラインのイノベーションだけではない。社会ではサービスの比重が高まり、組織ではなく人と人のネットワークで動きだすケースが増えている。モノではない。『それを使って何をするか』だ」
山本―― 企業も皆、変わろうと苦しんでいますが・・・。
黒川―― 「どんな社会も成長してくると保守的になり、安住してしまう。成長するには内部から新しくする(イノべート)創造的破壊が必要だ。それはいったん力を持った組織や人には難しく、担い手はマイノリテイー(少数派)の中からしか現れない。日本は米国と違って変わった人を許容してこなかったが、全体の5%程度の人が担い手になるようにしたい」
山本―― 高市早苗イノベーション担当相が言う「生活者視点」が新鮮です。
黒川―― 「社会に、生活にとってよいという理念と情熱を持って、アイデアを実社会の仕組みにつなげるには、この視点が大切だ。例えば宅配便や引っ越しビジネスがそうだった。その考えが正しいから、周囲の圧力や規制にかかわらず社会に浸透した。また、内容の魅力に加え、使いやすさを高めて普及させないとイノベーションにはならない。インターネットは技術的につなげられるだけでなく、アクセス料を劇的に下げるビジネスモデルができてこそ広がった」
山本―― すでに多様なイノベーションの報告書がありますが?
黒川―― 「内閣府の総合科学技術会議や日本学術会議、さらに日本経団連で議論され、各省庁での取りまとめもある。5年、10年先の社会のあり方にフォーカスしたこれらも大事だ。時間がないこともあり、戦略会議ではこれらを議論のたたき台にする。しかし考えるのは、20年後に日本が創造的破壊をし続ける社会になっているか、ということだ。2月の最初のとりまとめでは、そのために人が大切だと明確に打ち出す。20年後を予想するのが目的ではない。目指すのは、次から次へと何かが生まれてくる社会に変えることだ」

以上ですが、いかがでしょうか?

新聞などの論調でも、イノベーションとは単に技術革新ではなくて、外からの圧力ではなく、内から変革していく組織、企業、そして社会の構造改革であり、結局は人である、ということになりますね。そして、生活者(今の時代、日本だけではいけませんよ!アジアであり、世界の生活者です!)の視点です。そして、会社などの強さ、つまり「コアコンピテンス」をしっかり認識した、国際競争と協調なのです。そして「リーダー」の崇高ともいえる「理念」「確信」です。野中郁次郎先生の言われる「Phronesis」のある人です。これがなければ誰もついてきません。社会を変えるほどのことにはなりません。だからイノベーションとはいわないでしょうね。この点は、「イノベーション」満載のDNDメールマガジン Vol.196を見てください。

“イノベーション”、“イノベーション精神” とは何だろう

先日ご紹介した出口さんが主催するDNDでは、このブログとリンクして、「学術の風」なんてしゃれたタイトルで私の意見を掲載してくれていますが、他にも“イノベーション”についてこの方面の少し「出る杭」的な方たちの意見がたくさん出ています。大体、私の考えていることと同じようにとらえていられる方が多いようです。ぜひ訪ねて、いくつかを読んでみてください。

橋本さんの第2回、第3回とか、原山さんの第13回、第17回、森下さんの第10回、少し前のものですが石黒さんの第9回「ヒトを活かす」の中で野中先生のいわれていること、などなど、みな核心を突いています。これに共通するものが、“なにがイノベーションの本質か”を示しているように思いますね。

基本に流れる共通の認識に、一番の究極として「シリコンバレー」があるともいえますが、これについても、出口さんが書いているDNDメルマガの11月8日号「~That’s the way to go~『文庫のための長いあとがき』の余韻」で紹介されている「シリコンバレー精神」(ちくま文庫)を読んでみるとちょっと感覚的に感じがわかるかもしれません。しかし、実際にはそこに身をおいて、著者の梅田さんのように日本とのしがらみも切って(長期の出張ではなく)生活しないとわからないだろうな、と思います。橋本さんの第3回に出てくる「塚本さん」も同じですね。

出口さんはここで、“梅田さんの、この感動的ですらある「文庫のための長いあとがき」”は、私からの紹介であったことに触れ、「「シリコンバレー精神」の真髄に、イノベーション25戦略会議にいくつかの秘策が潜んでいるように感じるのですが、さて皆さんは、どう感じられたでしょうか。」、と鋭く指摘していますね。

さて、自分自身で、そのような位置に自分をおいてみる気概はあるでしょうか?

「イノベーション25」、私の考えの一端ですが

日経Business Onlineにイノベーションに対する私の考え方がすこし触れられています。これは安倍総理が国会での所信表明や予算委員会の答弁にも現れているものと同じ認識です。

「内から」「新しくなる」エネルギー、「創造的破壊」ができない社会、会社、組織は必ずだめになる、これが歴史の必然です。成長を可能にするのは、絶え間ない「イノベーション」なのです。「改善」は「イノベーション」とはいえないと思います。もっと革新的なもの、こと、考え方、社会をすっかり変えてしまうようなものなのです。

イノベーションには技術革新による新製品もあるけれど、イノベーションの対象はもっと広い。今ではほとんどのヒトはスキーやゴルフバッグを持って移動しない。小倉昌男さんのイノベーション、すなわち「宅急便」を使うわけです。巨大な抵抗勢力にもかかわらず、生活者の視点から、強い意志をつら抜いた。これなのです。

10月26日のブログで紹介しましたが、私のサイトとリンクしているDNDは、この関係のリーダーによる発信量も多く楽しいサイトです。この中の「DNDメルマガ」はお勧めです。さすがは元新聞記者、出口さんの筆がさえわたりまくるので楽しめますよ。ぜひ、皆さんもこのサイトを時々、いや頻繁に訪問してみてください。

「大相撲化」が日経新聞に

私が今年始めから何度も様々な場所で言っている「大学の大相撲化」ですが、とうとう日経新聞の11月4日(土)の朝刊一面に記事タイトルとして取り上げられました。うれしいですね。「大相撲化、オオズモウナイゼーション」というのです。これは私が英語の講演でよく使う言葉です。

伊藤譲一くんという友人がいます。彼はITベンチャー起業、blog等の分野で活躍しています。日本よりはむしろ海外で有名で、先日のNewsweek日本語版(10月18日)の「世界の尊敬する日本人100人」にも出ています。彼のblogは世界でも最もヒットの多いものの一つです。

彼も私の「大相撲化」コンセプトに共鳴してくれていて、CNN Money.comの “THE CURIOUS CAPITALIST”というコーナーに、彼のコメントが取り上げられています。

Monday, October 23, 2006

Joi Ito’s take on outsiders in Japan

In my interview with Michael Zielenziger about his new book on Japan, Shutting out the Sun, we discussed the role of such business mavericks as management consultant Kenichi Ohmae, tech mogul Masayoshi Son, and blogger/investor/ Gnome Mage Joi Ito. Michael’s take was that they remain marginalized. Joi e-mailed me this morning to say he didn’t entirely disagree. But I’ll let him tell you:

In some ways I agree with the characterization and in some ways I don’t. The "old guard" of Japan is not some monolithic single group, but rather a complex web of various interdependent networks. I think Ohmae, Son and myself all have various connections to various segments of the "old guard".

Japan very often takes "outsiders" and gives them access under the right circumstances. Sumo is an interesting example that my friend Kiyoshi Kurokawa often uses. Even though Sumo is one of the most traditional Japanese activities, recently there is a fairly large number of foreigners. I don’t remember the exact figures, but there is a single digit percentage of sumo wrestlers that are foreigners. What’s interesting is that there is a double digit number in the top tier and 100% of the champions are foreign.

This is not necessarily generalizable, but it is often the case that a lot of your influence in Japan has a lot to do with just how much time you spend focused on developing relationships. I am cyclical. I spend several years outside of Japan, running around, then I focus on Japan to rekindle relationships…

But it is true that the most powerful Japanese power brokers are people who live in Tokyo and have never spent a single minute not focused on developing and managing their power base here. On the other hand, I don’t think it is that dissimilar in other countries. Also, I do think that "changing Japan" is REALLY hard. I’ve tried it a number of times and I think it requires a revolution. Single individuals can’t do it and in many ways I’ve given up. I think a lot of it will have to do with timing. I try to keep an eye on everything in Japan with enough activity to jump into stuff if an opportunity opens. However, I have decided, as many others have, that putting all of your eggs in the Japan basket is risky, frustrating and reaches a point of diminishing return in many cases.

皆さんはどう思いますか?

北京から、BusinessWeek “The CEO Forum”、そして若者のエネルギー

BusinessWeekの“The CEO Forum”という会議に招待されて北京に来ました。どう見てもCEOらしき人ばかりですが、サイトから「Agenda」「Speakers」をみていただければわかりますが、どう見ても私は場違いのような気がします。まあ、でもいつもの「エイヤッ」で、「Plenary 5」に参加しました。

しかし、どのセッションも中国とインドの経済成長が話題の中心で、どこでもキーワードは「イノベーション」です。この意味は、既成の構造を「内から(壊して“disrupt”)新しくする」ことですからね。なんと“Disruption Consultancy”という会社もあって、そのHong Kong支社長にも会いました。いろんな人と様々な話ができて面白いです。

もちろん日本とのビジネスに関係する人たちも多いですから、いろいろと話が聞けます。私企業なのに、なぜか「役所主導風」というのが理解できないという意見が聞かれます。

確かに、このグローバル時代、ご近所さんの経済成長に日本はたくさんのすばらしい貢献ができ、相互の強みを生かしながら、互いに経済成長できることは間違いないのです。これこそが「Win-Win」の関係です。日本は「core competence」を生かす「competition and collaboration」が必要でしょうね。何でも、自分だけでというのはどうでしょうか?いろいろな背景の人たちがいることこそが「グローバル時代」の強みだと私は思います。

今日の昼食はHong Kongの若い人たち7人と一緒でした。皆さんThe Hong Kong University of Science and Technologyの学生さんたちです。新しい「Dual Degree Program in Technology and Management, School of Engineering and School of Business and Management」で勉強していて、これもその一部の単位に認定してくれているそうです。みんな19か20歳で、1人が今日21歳の誕生日だといっていました。この人たちと競争する日本の若者がちょっと心配です。

いつも私が言っていることですが、みんな、早く外へ出てみるべきです。将来を共有するべき友達の輪がとてつもなく広がりますよ。この若者たちを1週間でもいいから日本の大学に呼んでみたいです。だれか、手伝ってください。日本だけなんて、了見からして狭い、狭い!

日本医事新報で「世界級キャリアのつくり方」が紹介されました。

石倉洋子さんと共著で、東洋経済新報社より出版された「世界級キャリアのつくり方:20代30代からの国際派プロフェッショナルのすすめ」が紹介されました。

 書評 「世界級キャリアのつくり方」

出典: 日本医事新報 No.4305 (2006年10月28日)