自然エネルギー構想の5年、孫 正義さんのすごさ

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東日本大震災をうけて、新しいエネルギー構想を打ち上げ、財団も設立、さらに、ご自身の事業でも世界を駆け巡り、超大な構想で世界を駆け回る孫正義さん。

話題提供者としてこれほどの人は、日本ではもちろん、世界のビジネス界でもなかなかいないでしょうね。批判するのはやさしいですが、自分のこととして考えるとどんなものでしょう。

孫さんは、福島原発事故後に始めた新エネルギー構想でも、休んでいるわけではないのです。9月9日に開催された、この財団の講演会にお呼びいただき、パネルに参加しました。

こちらの自然エネルギー財団のサイトで、基調講演他いろいろ見ながら聞くことができます。
http://www.renewable-ei.org/activities/events_20160909.php

久しぶりにお会いする、コーぺリエル理事長、ロビンスさん(トップのビデオの14分あたりから)、そして孫さんのスピーチ(同じく43分あたりからと、上から2つ目のビデオのはじめから)と、どれも素晴らしいものです。特に孫さんの考え、着想、行動力、話の構成など、そして質疑への回答など、見事なものです。

その後の世界や、米中ほかの動向、政策などを聞く、そしてよく考えてみても、日本が世界の潮流に取り残されていくのが感じられると思います。

悲しいことですね、国の中からしか世界を俯瞰できない、エネルギー政策に責任ある、そして日本の責任ある立場の人たちの貧しい精神構造。

生かせる技術は優れたものをたくさん持っているのが日本なのですが…。生かさなければ技術は寝ているだけ。

福島原発事故という世界史に残る大事故からも何も学べない、大きな構想を描けない悲しさ、ご都合主義のエリートたちの政治と政府とメディア、そして学者たち。「辺境の国」の人々の”マインドセット”でしょうか。

まだまだ、日本の電力政策の「規制の虜」状態は続きます。

当日は、私の近著「規制の虜」を出版社から「即売」していただいたのですが、予想を超えて、あっという間に売れてしまったようです。皆さん、ありがとうございます。

ナイロビからマサイ・マラへ

ちょうど10年前のことですが、ナイロビ訪問の機会にマサイ・マラを訪れました。

その時はWHOのコミッショナー(12)としてナイロビに来たのです。その時のキベラ・スラム(Kibera Slum)訪問オリンピック学校(Olympic School)の訪問がとても印象に残りっています。

4年前に、再度ナイロビを訪問した時も、このオリンピック学校を訪ねました

その時も今回と同じく、ノグチ・アフリカ賞のイベントを、第一回の受賞者であるウェアさん、グリーンウッド教授とご一緒に開催しました。UZIMA 財団の若者たちによるノグチ・ヒデヨの紙芝居などで歓迎してくれました。

この時は、現地で活躍する多くの日本の若者たち1)と会うことができて、とてもうれしかったことを覚えています。その中の何人かとは、その後も東京でもお会いする機会もありました。

さて、マサイ・マラですが、前回の訪問は6月で、多くの草食動物が来るGreat Migrationにはちょっと早かったのですが、今回はいい時期なのです。

ナイロビのWilson空港から1時間ほどのフライトで、ワン・ストップのあとで、マサイ・マラに到着です。今回は、Governors’ Camp Masai Maraという、ちょっとしゃれたキャンプの一つに2泊しました。何しろハイ・シーズンですし、予約が大変でした。ここは行き届いたサービス、従業員の対応がとても気持ちの良いもので、とても良かったです。

食事は、朝と昼は野外ですが、ディナーは大きな設営テントの中です。キャンプの横のマラ川には10頭ほどのカバが群れています。夜はキャンプの中にも来るのだそうです。「柵」があるわけではないので、夜の一人歩きはもちろん「不可」です。暗くなったらテントの中から懐中電灯で外を照らすと、いつでも誰かが来てくれるのです。さらに、銃を持ったガードが一晩中、キャンプの中を回っています。

マサイ・マラでは、朝6時30分から約100分ほどの草原ドライブ、キャンプにかえって朝食。90分ほど休憩して、また100分ほどのドライブ、そしてゆっくりと昼食。また、夕方から草原へといったスケジュールです。大体100分ごとぐらいのサイクルですね。第1日目は、一休みして昼食後のドライブに行きました。

2日目は朝食を持って、3時間ほどの特別メニューを作ってくれました。川辺でカバを見ながらのピクニックです。この時は、幸運にも、みなさんもおなじみのヌー(Gnu)の大群の川渡りに遭遇できました。毎日あるというわけでもないようで、2泊の滞在で出会ったのはラッキーだと言われました。

この草原ドライブは、4人が乗れるジープでした。フロリダからのご夫婦と、ナイロビで仕事をしている息子さんの三人家族と一緒でした。

ライオン、ゾウ、チーター、キリン、シマウマ、ヌー、ダチョウ、ガゼル(Gazelle)、インパラ(Impala)、ハイエナ、ヒヒ、水牛、などいろいろ見ることができました。 圧倒的に多かったのはヌーですね。

それにしても自然の環境のなかの動物は、美しい(Graceful)、気高い(Noble)、おごそか(Mejestic)、といった形容詞がよく似合います。感動的でさえあります。

しかし、この素晴らしい自然もいつまで続くのでしょうか

野中郁次郎さんと私の対談のお誘い

去年にも、このカラムでお知らせしましたが、イノベーションで著名な野中郁次郎さんと私の対談をご案内します。

タイトルは、「改めて「震災後」・「日本の将来」を問う」です。

前回と同じようにUniversity of California at Berkeley (UCB) と at Los Angeles (UCLA) の日本同窓会主催の企画で、9月18日(火)、夜7:00開始、東京の新丸ビル内で開催します。

詳細はこちらです→ 
9月18日UCLAイベントのご案内 (PDF)

UCB, UCLA同窓会員でない方も、特に若い人たちの参加を歓迎します。

 

Bergenから

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Osloを朝早く出発、Bergenへ飛びました。

早速、船でフィヨルド(fjord)ツアーです。小雨模様ですが景色を楽しみながら、4時間ゆっくり過ごしました。

がっちりした大岩、緑豊かな美しい自然、所々に小さな集落がすぎて行きます。

落ち着いた、また豊かな自然と人間の営みの一部が見えます。サケの養殖なども盛んなようです。

冬は厳しいでしょうね。街並みも美しく、「しっとり」 しています。

 

国会事故調 -4: 報告書が一般書店で発売へ

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私達の国会事故調の報告書は、国会で衆参両院議長に提出とともに、ウェブ上に掲載されました。

しかし、その内容の量が大きいので、多くの方達が読むのに不便であり、この内容を広く知っていただくのは難しいと感じています。

しかし、朗報です。

国会事故調査委員会報告書が徳間書店から出版されることになりました。

事故が起こってから1年半の来週9月11日に多くの書店で買い求めることができます。またAmazonからも注文できます。税込で1680円です。参考資料、委員会議事録はCD-ROMで付けてあります。

ぜひ皆さんも、この報告書に目を通し、事実に立脚する内容、そこからの「立法府への7つ提言」として、これらを生かすことへの行動を考えていただけると嬉しいです。

また一歩前進です。

 

国会事故調査委員会 -2

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8月23日、国会事故調査委員会の報告書を提出してほぼ6週間、私は「元委員長」として、福島原発事故で被災されている12市町村の首長さんを訪ねています。お見舞いと調査へのご協力へのお礼のご挨拶です。皆さん、本当にご苦労されています。

今回は最終回で、2人のスタッフと出かけ郡山駅で蜂須賀(元)委員と合流、蜂須賀さんの車で1時間ほど、川内村の役場へ遠藤村長をたずねました。

そこからまた車で約2時間、大熊町の役場が避難している会津若松へ向かいます。途中で高速道路を降りてご当地のうどんの昼食、猪苗代湖を左に眺め、蕎麦の花の咲く広い畑などを眺めながら会津若松へ到着しました。

蜂須賀さんたちの避難している仮設住宅を訪ねてから大熊町役場へ、渡辺町長さんを訪問しました。とてもとても暑い日でしたが、仮の役場は冷房もなく、皆さん扇風機の中で忙しく働いておられます。皆さんとも何枚か写真を。

日常の生活基盤を瞬時に破壊されたまま、まだ先の見えない多くの方々を抱える首長さんたちと役場の方達のご苦労には、なんとも言えず辛い気持ちで胸がいっぱいになります。

私たちの報告書が、この状況を少しでも早く、良い方向へ向けることの役にたてば、と改めて思います。

東京駅に着いて、そのまま週刊朝日のネット上での国会事故調についてのセッションへ。70分ほどでしたが、有益なやり取りができたと思います。ぜひ見て、皆さんで考えてください。

福島の被災された12市町村の首長さん訪問をやっと終えて、何か気持ちがホッとしました。

 

国会による事故調査委員会報告書 -1

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ご存知のように、私は、今年になって、このblogでも、またtwitterでも、ほとんど発信しませんでした。

それは、今年の1月1日、2日、6日のこのblogで報告したように、去年の12月8日に発足した福島原子力発電所の事故調査委員会、通称「国会事故調」の委員長に任命されたからです。わたしのblogなどで、関係ないことでの私の意見でも誤解されるといけないと考えたからです。

「国会事故調」報告書は「ほぼ6か月」という7月5日に、国会の衆議院、参議院の両議長に提出。ここまでが委員会の役割でしたので、公的には翌日で任務を終了することになりました。

ウェブで「国会事故調」を調べていただくと、いろいろな報道がされています。提出の当日の夜、さらに翌朝にも、テレビなどメデイアに出たりしましたが、これからちょっと落ち着いて、いろいろなところでも、この報告書を委員のみなさんをはじめとして広く国民の皆さんと共有していくことが大事と思っています。

国会から依頼された私たちの提言を国会がどう受け取るのか、この辺りは急変する政治状況などもあり、いろいろ報道されているところですが、私たちは限られた時間の中で、ゼロからのチームつくりに始まり、本当にみんなががんばってくれました。

この報告書は国会に対する「7つの提言」としてまとめられています。これを実現するには国民と広くこの報告の「7つの提言」を共有し、皆さんの選ぶ国会議員の行動を応援していただくことが大事です。これが、3権分立の民主制度での立法府の機能強化になる一つのプロセスです。

最近、岩波書店の「世界」に掲載された私の 「民主主義国家の常識と責任:国会事故調は何を目指したのか」、大まかですが、私の考えが出ています。

原発事故で避難させられている福島の市町村の首長さんたちを訪問しています。皆さん、本当に大変です。

 

CSIS-HGPI、フクシマで会議

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CSIS はWashington DCにある著名な「Think Tank」の1つで、日本の方達にもよく知られています。私たちの「Health and Global Policy Institute (HGPI)」 は、すでにこのサイトでもご案内のように、去年から、いくつかの共同作業をしています

今年の初めには、HGPIと共同で、日本の国会議員さんたちとの会合なども持ち、その成果の一部を発表しているところです。

特にCSISは「3.11」以来、早速に「日本再建への提言」への取り組みを始め、ここでも健康・医療の分野ではHGPIが共同作業をしています。これもこのサイトでお知らせ (資料1)したとおりです。

この「日本再建」の報告発表会が11月3日にWashington DCであり、さらに11月7日の週に東京で開催されました。報告書 はウェブでも見ることができます。

HGPIとの共同作業の部分を中心に報告する会議を11月11日(金)にフクシマで開催プログラムはここへ。約70名の方々が参加され、大変に良い会議となりました。ご協力の皆さまに感謝します。小雨交じりのフクシマでした。

CSISから参加のMichael GreenStephen MorrisonBrian Biles、また日本側から前原民主党政調会長がTPP関係で急遽欠席。桜井 充 民主党政調副会長代理(前財務副大臣、東北大学のお医者さんです)、内堀雅雄福島副知事冨山和彦さん(福島交通の経営者でもある)、東北大学の辻一郎さん他、色々な方が参加してくださいました。

このコメンテイターで参加してくれた出雲正剛さん は在Bostonですが、早くから今回のフクシマで放射能測定や医療対策にかかわってこられました。私の後輩で、日本のお医者さん、卒業して早々に留学、Harvardの内科教授にもなった心臓疾患の分野で大きな業績を上げてきた方です。今は企業をへて、比較的時間の余裕のある仕事をしています。

医療関係テーマは放射能、精神面での対応、医療提供制度改革の3本柱ですが、日米協力で開かれたplatformを作ろうという趣旨です。

東京に戻ってMike, Steve, Brian、出雲さん、牧野義司さん(独立したジャーナリストで、多くの発信をしています)と6人で食事をしました。皆さん今回の会議についてはとても評価は高く、次への一歩を議論しました。充実した一日でした。

出雲さんはガイガー測定器を持って歩いていますが、10uSv/hs以上のところもあるね、と一言。

 

日曜日の仙台、TEDxTohokuへ

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秋晴れのすがすがしい日曜日。朝から仙台へ出発。TEDxTohokuに参加です。

ImpactJapanは3年前からTEDxTokyoを主催していますが、チームのPatrick、Toddも久しぶり。今回の大震災を受けて、多くの若者が主催して、特別にTEDxTohokuとして開催されたものです。会場は仙台、東北大学の川内萩ホール。立派なホールです。

新幹線の中で、安倍元総理にばったりお会いしました。岩手の海岸のほうへ講演をかねてお出かけとのこと。「もし帰りがけに時間があれば、仙台にお寄りになり、チョッとお話しませんか?」とお誘いしましたが、いささか無理のようでした、当然ですね、でも残念。

それぞれの演者がすばらしい物語を語ってくださいました。これもライヴで皆さんUstreamで流しました。これらは、あとでネット上で皆さんも見れるようになると思います。皆さん「かたり」がお上手なのですね。特に、気仙沼のオイカワデニムの及川秀子女性社長さんと息子さん3人の話はとても胸を打たれる内容で、さらに話し方がトツトツとしてとてもよかったのです。最後は、Californiaから参加のIDEOのPaul Bennettさんの話。4つの動物のメタフォーで日本へのメッセージでした。パワポの具合がスムーズでなくてチョッと残念でした。

さすが杜の街、仙台。ホールの外は秋らしい天気でとても気持ちのよいものでした。レセプションに参加し、お先に退席し、東京へ。

多くの元気で、日本を災害の現場から変えようという若者との1日はとても楽しいものでした。

 

国連大学で、アフリカの高等教育と持続可能な開発

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国連Millennium Development Goals (MDGs)はご存知の方も多いと思います。

国連加盟国が2015年までに達成しようという意欲的な国際的な約束です。しかし、この10年の世界の激変は、国連がMDGsを始めた2000年頃に比べるとまったく違う局面に移行しつつあるといえます。

東京の青山にある国連大学で「International Symposium on the Role of Higher Education for Sustainable Development in Africa」が、10月13,14日にわたって開催されました。

私も世界科学者連合体(ICSU、IAP、IACなど)日本学術会議日本政府国連大学世界銀行などとこのテーマで、個人的にも、いくつかかかわってきました。その様な活動をご存知でのことでしょうが、私もKeynoteをするようにともお招きを受けたのです。しかし、ご存知のようにAbu Dhabi、Washington DCへの出張予定があったので、ご了解を得てビデオでメッセージを作っていただきました。

なんと、ビデオ取りの日にHideyo Noguchi African Prizeを受賞したKenyaのDr Miriam Were (資料1)が私のところへ来られることになったので、ご一緒にビデオをとり、国連大学の当日の参加者への「Surprise」としました。参加の皆さんには予想もしなかった、大きな、嬉しい「Surprise」だったと思います。国連大学の長尾先生 他の方達に感謝です。

国連大学のこの会議の報告資料1)でも、私のメッセージに触れています。うれしいことです。

このビデオ、いずれリンクしたいと思っています。