新しい年度を迎えて新しいリーダーを送り出す Teach For Japan

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Teach For Japan は恵まれない社会状況にある子供たちの教育を支援する、そのような心からの熱い思いの若者たちを現場に送り出し、その若者たちを通じて、子供を育て、社会を変え、新しいリーダーを育てようという、実に壮大で素晴らしい活動です。「1石何鳥」ともいえる、米国発、しかもHarvard、Yaleなどの一流大学の学部卒業生が、社会人の第一歩として選びたいトップの選択肢なのです。

素晴らしいと思いませんか?これを日本で実現しようと、この数年、本当に熱い思いで、4年ほど前から活動してきた松田くん。私も何度か紹介しています(12)。

多くの苦労がありましたが、今年はなんと15人の新卒、大学院生、社会人などが、東京、奈良、大阪などの小中学校の教員として、ほんとうに恵まれない社会環境の子供たちの多い学校に、「TFJから派遣」の格好で赴任します。

今晩、その皆さんを送り出す「壮行会」があり、私も参加しました。送るほうも、送られるほうも、実に、心の底から、熱い、あつい。

何人かが自分の背景、今度のTFJの活動に参加する思い、3週間の準備合宿がキツかったこと、などなど、恵まれない子供たちへの思いがほとばしる思いがあふれていました。

感動的な2時間でした。中には、東北大震災の救援、NGO活動から教育へと、心からの思いで、このとても大きなチャレンジへ向かう若者や、韓国に留学中に韓国の貧困から考え始めた日本の問題、社会人から「これだ」と気が付いて活動を始めた若者たちなどもいました。

このような若者たちこそが、まだまだ小さい活動ですが、日本を本質的に変える、大きな意味のある一つの核になるだろうと、心から思います。

皆さんもぜひ、いろいろな形で、応援してほしいです。

大雪の日、Norman Minetaさんと昼食、AGOSで世界を目指す若者たちと対話

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1月14日、朝から雪が降り始めました。

ちょうど来日されている日系アメリカ人のリーダーのおひとりNorman Minetaさんとの昼食へ。MinetaさんはSan Jose市長、下院議員、そしてBushとClinton両政権でSecretary(大臣)を務められた方です。10月にWashington DCの米国議会Capitol Hillでもお会いしました。最近逝去されたDaniel Inouye上院議員のことなどから始まり、いろいろな話題が出ました。

Inouye上院議員とは奥様のIrene Hiranoさんとご一緒に、去年5月に国会事故調でWashington DCを訪問した時にお食事をする機会がありました。日米関係にとってほんとうに大事な方がなくなられました。

Mineta氏との朝食のあと、先日ご案内した留学支援プログラムAGOSで若い人たちとお話をする機会へ向かいましたが、とんでもない大雪が降り続き、なかなかタクシーもつかまらず、30分も遅れて到着。この雪で、参加予定の方々もかなり来られなかったのではないかと思います。

この会には国内外の大学実地検分と動向などの報告でその活躍が広く知られている山内太地さんも来られました。

外へ出てみると見えてくる「自分」、という視点での「休学のすすめ」、「留学のすすめ」、「グローバル世界」、「広がるネットワーク」などについて、セッションは主として対話式で進みました。AGOSの横山さんの進行係で、みなさんにも喜んでいただけたようです。

若者たちが、世界を経験し、感じとり、自分を見つけ、「YOU」の目で自分を見る感性を獲得しながら、日本人であることをユニークな強みとして、一人ひとりが自分のキャリアを見つけてほしいと心からねがっています。

グローバル世界はとても広く、ユニークな自分への大きな機会があるのです。

 

福沢諭吉記念文明塾に参加する

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明治の新時代への転換期の日本で、福沢諭吉は先見性のある素晴らしいリーダーの一人でしょう。特に「独立自尊、官に頼らず」の精神と彼の生き方は、その時代を考えてもすごいことで、私の好きな福沢諭吉の真骨頂があると思います。

この福沢諭吉の精神は、今の世界でも普遍性の高い社会的価値の一つです。福沢諭吉のすごいところは、このような思想を実践していることにもあります。つまり口先だけではないのです。慶応義塾(人材育成)、交詢社(財界交流)、時事新報(メディア)、学士院(科学者)などを立ち上げるのです。また「学問のすゝめ」、「文明論之概略」をはじめとする深い洞察と先見性のある多くの著書のあることです。まさにスーパーマンです。

そんな理由かもしれませんが、なんとなく慶応義塾とのご縁がいろいろとできるのです。私のこのサイトで「慶応義塾」とか「福沢諭吉」とか「検索」すると、福沢諭吉のことがかなりの数で出てくると思います。

湘南キャンパスでも2010、2011年の秋セメスターで1コマ授業を持ったりしました。2010年にも、なんと「グローバルアジェンダと日本の危機管理」というテーマでも話しています。

数年前から、福沢文明塾というリーダー育成の企画が始まっています。講師も素晴らしい方がラインアップされています。私も4年ほど前に参加しましたが、去年の第8期の最後のセッションにも参加しました。

若者たちの将来のキャリアを自分なりに見つけるという趣旨のほかにも、今でも、いや今だからこそ福沢諭吉の精神が大事なのだという趣旨には大いに賛成です。

多くの元気な若者たちに会いました。

 

国会事故調 ‐9: 活動は続く、Swedenの視察団、取材記事など

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 国会事故調の報告書は「たなざらし」という意見、報道が多く聞かれます。

国会議員さんたちは、解散・選挙でそれどころではない様子ですし、竹島、尖閣などと、周辺国とのいざこざで、政府の対応も容易ではないでしょう。日本のことなどどうあっても世界はどんどん動いています。

先見を持ってしっかりと政府をリードしていく政治家、また官僚たちにもそれなりの責任感と覚悟があるはずとは思いますが、あまり感じられません、と多くの人が感じているのではと思います。

一方で、私たちの国会事故調報告書は、出版もされ書店でも販売され、アマゾンなどネットでも購入できます。より広く読まれる(全部ではなくてよいのですよ、、、)ことになるでしょう。

一方で、私たち委員、調査担当の方たちも機会をとらえて、国会事故調の意義、経過、報告書の骨格、これから国民の皆さんにしてほしいこと、などについて、広く知っていただけるよう、機会をとらえては(といっても限りがありますが、、、)講演会、テレビ、新聞などのインタビューなどにも対応しています。

岩波書店の「科学」にも、国会事故調の民主制度での私の意見が出ています。読んでいただけると、とてもうれしいです。

経済同友会、二本松での講演会などについても報告しました。このサイトの「記事・講演録の一覧」を見ていただけると、そのような活動の一部(他の記事などは「有料でないと掲載できない」とか、いろいろあるのです)をご覧にいただけます。このサイトでも8月16日のポスト以来、いくつもの報告をしています。

最近ではSweden大使館東北被災地のKamedo視察団(Topの写真はこの会見の時のものです)、再度の福島での講演、またいくつもの取材記事もあります。

皆さんと一緒に「国会事故調」を考え、一人ひとりに何ができるのか、これを考えながら、日本を変えていきたいですね。

 

国会事故調 -4: 報告書が一般書店で発売へ

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私達の国会事故調の報告書は、国会で衆参両院議長に提出とともに、ウェブ上に掲載されました。

しかし、その内容の量が大きいので、多くの方達が読むのに不便であり、この内容を広く知っていただくのは難しいと感じています。

しかし、朗報です。

国会事故調査委員会報告書が徳間書店から出版されることになりました。

事故が起こってから1年半の来週9月11日に多くの書店で買い求めることができます。またAmazonからも注文できます。税込で1680円です。参考資料、委員会議事録はCD-ROMで付けてあります。

ぜひ皆さんも、この報告書に目を通し、事実に立脚する内容、そこからの「立法府への7つ提言」として、これらを生かすことへの行動を考えていただけると嬉しいです。

また一歩前進です。

 

沖縄へ、アジアの若者たちの交流を支援する

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福島を訪れた翌日は、朝から沖縄へ向かいます。

「アジアユース人材育成プログラム Asian Youth Developing Program in Okinawa (AYDPO)」(旧アジア青年の家 Asian Youth Exchange Program in Okinawa (AYEPO)は2011年より現在の名称に変わりました)の最終日に参加するためです。今までもこのサイトで紹介(資料)しているように14-16歳のアジアの若者たちが、沖縄で3週間の合宿をするのです。

私はこのプログラムの企画の時からかかわっているので、毎年のように出かけています。今年も最後の日に出かけました。このような企画から、素晴らしい将来のネットワークを持った若者たちがたくさん出てくるでしょう。過去の参加者と大学生のチューターは、皆さんがFacebookでつながっており、毎年この時期になると、最も楽しかった思い出として、盛り上がっています。みなさん、多様なキャリアを歩き始めていてとても楽しみです。もう今年で400人を超えるサークルになっています。

最終日の皆さんの準備 と発表はいつも感激的です。楽しんでください。このところは、毎年「水問題」を議論していますね。

そのあと私のClosing lectureです。「Uncertain Times Ahead; New leadership」というタイトルで話をしました。前回のカラムに書いた「Harvard-Liberal Arts Without Borders」での私の基調講演と同じような趣旨です。講演映像はこちらをご覧下さい(1時間31分50秒から始まります。)

参加の若者たちばかりでなく、多くの支援してくださっている方たちも参加して、楽しいレセプションでした。

こういう企画がもっともっと、いろいろなやり方で広がってほしいです。

明日には大きな台風が来るということで、夜に東京に帰ってきました。

 

これからの教育 -HLAB2012

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去年夏に初めて開催したHarvardと日本のいくつかの大学の学部生が中心に始めた、日本の高校生を対象とした「Harvard College in Japan; Liberal Arts Without Borders」

去年のこの企画は「3.11」のすぐ後という制約の中で20数人のHarvardの学生さんたちも参加し、日米の学生さんたちの努力で、大きな Impactを与え、80人の高校生たちにとっても素晴らしい体験になり、またいくつかの日本のメデイアにも取り上げられました。

私もこの企画をはじめから応援していたので資料1)、とても嬉しい出来事でした。

去年の影響もあったのでしょう、多くの方たちの応援も受けて今年も第2回を開催することができました。特に Harvardからは80人ほどの参加希望者がいたそうで、しかも今回の23人の参加者のうち6人が去年の参加者ということで、この企画が成功していると確信しました。

さらに、今年は高校生の参加希望者も350人もあったということで、とても嬉しくなりました。この350人から80人の選考を含め、企画に当たった学生さんたちもずいぶん苦労したことでしょう。

今年は10日ほどの合宿です。

私は、第1日に「Uncertain Times Ahead: Why Liberal Arts Now?」というタイトルの Opening Keynote Lectureをさせて頂きました。翌日も午後の一部とレセプションに10分程度しか参加できず、あとの1週間は福島、沖縄などへの出張もあり、ほとんど参加できませんでした。

H-LABのような同世代の人達の、しかも国境を超えた「Peer Mentoring」は、これからの教育の一つの大事な軸になるでしょう。

若者たちの自発的な活動は、頼もしいことであり、本当に嬉しいことです。心の底から応援したくなります。

応援してくれた多くの方たちへ、心から感謝します。

 

AIESECの若者たち

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私が大学生の海外でのインターンシップを推進する「AIESEC」 の応援していることは、何度か報告しています

去年のAIESECの集まりでも、インド、ブラジル、フィリピンなどでの苦労を乗り越えて行く感動的な話を、日本の大学生さんたちから聞かせてもらいました。また、去年は東日本大震災によって延期されたあとでしたので、仙台の企業での素晴らしい体験をした中国の学生さんの体験談と、この学生さんのインターンシップから、この企業が中国への展開を考えるきっかけになり、この学生さんと協力して中国進出計画を始めていること、などの話をききました。

今年の3月のAIESECの会合は、わたしの所属するGRIPSで開催。今年も100人を超える学生さんたちと応援団があつまり、私も出席しました。鈴木寛 前文部科学省副大臣の元気の出る応援の講演など、今年の活動から選ばれた7人の学生さんたちの、外国での戸惑い、苦労し、何かを成し遂げたという、感動いっぱいの話とプレゼン。そして優秀賞の発表。

さらに、海外の学生の受け入れをお願いする企業との折衝などに苦労するこちら側の学生さんたちの苦労話などなど、一人一人の大きな目覚めと成長に、会場の学生さんたち、審査の方、応援企業の方達の皆さんと素晴らしい半日をすごしました。応援企業とつなげる活動をした学生さんにも、企業へのありがとうの気持ちのこもった優秀賞が。

翌週末、今度はAIESECのAsia-Pacific支部設立50年記念も兼ねた機会に参加し、アジア太平洋の多くの国からの250人ほどの元気な若者たちと楽しい時間を過ごしました。2日目の閉会式の講演では、「このような若者が1週間にわたって合宿するようなことこそが、どのように変化する予測も出来ない世界をしょって立つ上での大きな財産になるんだよ」、と閉めくくらせてもらいました。

日本の若者達も、がんばっているよ。楽しみだ。

 

Media Lab in Tokyo -2

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先日、MIT Media Lab in Tokyoについてカラムでお話しました。この様子はそのカラムにあるリンクでも感じられたと思います。

MIT Media Labのような自由で闊達な雰囲気の環境を、若い人たちに、短期でもよいので実体験してもらいたい、何か出来ないかと相談しています。

ところでこのときの様子を朝日新聞 (資料1)が書いてくれました。

この記事の中での私のコメントにあるように、その時代、時代で「Crazy Ones」 と思われるような人たちが時代を変えていくのです。近代科学の基礎を築いたGalileo、Darwinであり、時代の変革者たちです。最近では、というか20世紀を変えた変革者といえば Steve Jobs がいますね。

一年ほど前まで、若い人たちが「内向き」、とか「元気がない」とよく言われていたものですが、ちょっと違うと思います。多くの若者達にとっての目標となるような、日本の社会でも広く受け入れられている「お手本 (role model)」があまりいなかったのではないかと思います。

時代を変えていくのはいつも「時代の異端者(misfits)」、「出る杭」です。40-50年前の日本で言えばSONYの井深さんと盛田さん、Hondaの本田宗一郎さん、クロネコヤマトの小倉さんなどなどです。皆さん、その時代では異端者、misfitsと思われていたことでしょう。

最近では、Uniqloの柳井さん、楽天の三木谷さん、SoftBankの孫さん、ローソン(LAWSON)の新浪さんなどなど。彼らも異端者misfitsとつい最近まで思われていたのではないでしょうか?MIT Media Lab所長のJoi Itoさんもそのような一人です。

今回の大震災でも、これらの方達の対応はとても思い切りのよい、また素早いものでしたね。

そうです、世界は広いのです。若いときに、自分が情熱を持って突き進みたいと感じるような、大きな目標を持てる、大好きなことを見つける機会を増やすことですね。大学生には例えば「休学のすすめ」 とか。

「3.11」は、「日本の第3の開国」 を、若者達こそが主導していく機会になる、と私は期待しているのです。

MIT Media Lab in Tokyo

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MIT Media Lab  は世界でも日本でもよく知られた、「未来を構築しよう」という、いわば極めて「尖がった」存在です。その存在は、この(理念の)特徴で世界でも高く評価されています。

去年のことですが、このMedia Lab所長に日本人とは言っても、むしろ「グローバル市民」としてよく知られたJoi Itoさん(資料1)が就任して、日本でも色々なメデイアにも取り上げられて、話題になりました。

私のこのサイトでも紹介しました。

1月17日に「MIT Media Lab@Tokyo 2012」が東京で開催されました。Media Labを1985年に立ち上げたNegroponteさんも来日、日本企業の支援の歴史などを語ってくれました。彼はアフリカ支援のOne Laptop Per Child資料1)でも知られていますが、今度は新しい「Tablet」もみせてもらいました。

こういう「破天荒」なことをするメジャーな大学、これが世界を変える人材、「出る杭」、「Change Maker」を作り出すのでしょう。

副所長の石井さん資料1)も参加。

皆さん熱く語り、デモもありのアツアツの1日。私もJoiとのパネルに出ました。その後は、国会事故調の仕事に戻り、また夕方にMedia Labレセプションへ戻り、楽しい夜を過ごしました。

この企画は Ustream資料1)で見ることができます。

ここではJoiのOpeningで始まり (このUstreamでの大体の時間ですが「00:00:00–)、Hilgadoさん「00:23:20–」、Ishiiさん「00:45:55–」、Joiと私の対話 「01:00:50–」、Joiと日本の大企業の「変人」のパネル「01:22:45–」と続きます。それぞれを楽しんでください。

Media Labへ行ってみよう。あなたの中で何かが変わるかもしれない。もっと多くの日本企業も応援しましょう。