「漱石、熊本、牛込、そしてわたし」、不思議な偶然

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先日7月8日のブログでもちょっと書きましたが、偶然のご縁で英国のロイヤルバレーの仲間たちが、災害の中の熊本を慰問されました。ブログでも書いたように、熊本でのちょっと明るいニュースがいくつかのメディアでも報道されました。

それから一週間ほどして、蒲島熊本県知事から電話があり、記者会見で「ロイヤルバレーの訪問は友人の黒川さんからの紹介で・・・」といった発言について、一人の記者の方から「その黒川さんとは、黒川漱石の関係者なのですか?」と聞かれたというのです。

「それは、私の曾祖父です。私もこの”もう一人の漱石”についてもっと知りたいと思っていたので、その質問をされた方を紹介してもらえないですか?」とお願いしました。

数日後に、お手紙と資料が届き、実は10月、12月に、熊本と東京で舞台劇「アイラブくまもと、漱石の四年三ヵ月」がある、ついてはプログラムに掲載するので、私に何か「短い文を書いてくれないか?」ということでした。プログラムに掲載されている私の一文はこちら

「漱石、熊本、牛込、わたし」と、不思議な偶然がいくつもあるものですね。

今年は夏目漱石の没100年ということで、NHKでは「夏目漱石の妻」というシリーズが放映されたばかりですし、「夏目漱石」に関する企画が他にもいろいろとあるようです。12月の東京公演はこちらに案内されています1)。この舞台でも、「二人の「漱石」の出会い」が描かれています。

もし、ご興味、お時間があったら、お出かけいただけるとうれしいです。

がんばれ!熊本。

トロント・スター、日本の認知症対策の取材

ちょうど一年前のことですが、トロント・スターのジェニファー・ヤンさんによる認知症の取材がありました。

その後も、ヤンさんとはトロントで何かの機会に再度お会いしたのですが、「あの取材の記事はどうなった?」と聞いたのですが、「まだなんです。」という答えでした。

最近、その記事に気が付いたのでご紹介します。二部構成です。日本と認知症について広範にわたって取材されていることがわかります。

一つは、“Japan: Dementia lessons from the world’s oldest country. Dementia rising globally but the first waves crashed over Japan, How is the world’s first super-aged country coping?” 。

もいう一つは、“How Japan is training an entire country to help with dementia: Japan can’t change dementia. So Japan is changing Japan”

朝日新聞の山本さん、患者さん団体の高見さん、長寿センターの鳥羽さんとか、いろんな方が取材を受けています。

両方とも英語ですが、ちょっと我慢して読んでいただければと思います。写真もいろいろですが、なかなかしゃれたタイトルです。

この一週間後に、トロント・スターではカナダの対応についての論説記事(Editorial)を出しています。

お知らせ

福島原子力事故から見えてしまった今までの日本社会、責任逃れする「責任ある立場」の大人たち、そして事故から学び、自分のこととして行動する若者たち。

河北新報の掲載記事を紹介します。

1:「<話そう原発>「なぜ」生徒ら問う」 国会事故調報告書を読んで(上)

2:「<話そう原発> 自主性を引き出す」 国会事故調報告書を読んで(下)

3:「<話そう原発> 民主主義が機能せず」

 

塩崎大臣との朝食会、アジアイノベーションフォーラム

2週間にわたる北米、カナダの講演の旅を終えて帰国、東京でも活動が待っています。

まずは塩崎厚生労働大臣をお迎えして、医療政策機構の朝食会です。塩崎大臣とは、当機構の小野崎理事がアドバイザーとしてお手伝いしていますし、G8の世界認知症委員会(World Demencia Council、WDC)などでもご協力をいただいているところです。新しいプロセスで出来てきた「日本の医療2035」の話など、いろいろの話題があり、会員の方たちからの活発な意見が出ました。私は最後のあいさつをするのですが、何しろ風邪で声が出ないので、一言だけにしました。

アジアイノベーションフォーラムは、元ソニーの出井伸之さんが2007年に福岡から始めた活動ですが、そのころからお手伝いしています。今年は虎ノ門ヒルズで開催。私は遅れて参加しましたが、ヤフーの安宅和人さんのビッグデータのプレゼンには間に合いました。彼の話の内容は最近の日本版「ハーバードビジネスレビュー」に出ています、一読をお勧めします。

私は最後のパネル(パート4)に参加しましたが、出井さん、富山和彦さんが、いつもながらの激しい意見を次々と出していました。私も激しい意見を言いましたが、後で、友人の英国人から以下のようなメールをもらました。うれしかったです。

‘Dear Kurokawa-san, This is just a quick note to say that I much enjoyed attending yesterday’s forum; it was interesting (and – if I may say so – encouraging) to have such a consistent message from you and others in support of ‘getting out there to see the world’, but also making the most of a huge available talent pool at hand already.’

世界はどんどん、しかも急速に変わっているのです。

長崎で Pugwash 会議

「Holy Mother in Nagasaki」
https://www.google.co.jp/search?q=holy+mother+in+nagasaki&rlz=1C1CAFB_enJP633JP633&espv=2&biw=1440&bih=799&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0CCYQsARqFQoTCO-0noyn-MgCFeMcpgod1McGxw&dpr=1#imgrc=A-oWpQ8RAuYZuM%3A

Pugwash 会議が、戦後70年の今年、初めて長崎で開催されました。私もパネルで話しをする機会をいただきました。

Pugwash 会議は Einstein などの科学者が、原爆による広島・長崎での悲惨な有様から、”核のない世界を”という趣旨で、1955年の有名な「Russel- Einstein Manifesto」 から始まった、核兵器をはじめとする大量殺戮兵器の廃絶に向けた「科学者の良心」とも言われる自発的な会議です。 この宣言にサインをした11人の科学者、そのうちの一人が湯川先生、10人がノーベル賞受賞者です。

第一回の会議は1957年、Pugwash, Nova Scotia, Canada で開催されました。

戦後50年の1995年、原爆被爆国の日本ではじめて、そして60年の2005年には広島で開催されています。そして戦後70年の今年、長崎で開催されたのです。この1995年にはこの Pugwash 会議と Sir Joseph Rotblat ノーベル平和賞を受賞しています。

私は3日目の11月3日に長崎へ、2年前にもうかがった長崎大学医学部が会場です。パネル「Risk of Civil Use of Nuclear Energy」は、と Princeton の Frank von Hippel のプレゼン、旧知の CSIS の Ms Sharon Squassoni とインドの Prof Ramamurti Rajaraman のコメントという構成でした。

私のプレゼンは20分、テンポは速いのですが、その後二日の間に多くの方たちから好評をいただきました。日本のメディアの英語版1)でも早速取り上げてくれました。これは良かったです。

その後、長崎出身で、ノーベル賞受賞者の下村さん1)から被爆者であるからこその感動的な話がありました。そのうち、これも紹介できると思います。

夜は特別に、会場のステージで、私も良く知っている日本を代表する免疫学者で、文筆家でもあり、著書も多く、創作「能」など幅広い活動をされた多田富雄さん(2010年、享年76歳で没、残念です)の能の一つ、「長崎の聖母」(Holy Mother in Nagaskai)1)が演じられました。グレゴリオ歌は地元の名門「純心女子高校音楽部」。ほんとうに感動的な時間でした。

夜は Glaver 邸1)でのレセプッション。河野洋平元衆議院議長からご挨拶をいただきました。

翌日、もう一日参加。会場は伊王島のホテル。午後の講演では MIT の PhD でもある、イランの原発の専門家で外務大臣も勤めた Dr Ali Akbal Salehi の「Twelve Years of the Iranian Nuclear Controversy and Negotiations: Lesson Learned」がなかなかのもので、多くのするどい質問が出ましたが、丁寧に答えられていました。さすが外交官でもあり、感心しました。

長崎は快晴でしたが、外を尋ねる時間がなく残念。しかし、なかなか充実した時間でもありました。

ところで、今年も二人の日本人がノーベル賞を受賞しました。広島、長崎、Pugwash、ノーベル受賞者とその意義、湯川博士の受賞のメッセージ、ノーベル平和賞などなど、ノーベル賞にはそれなりの大きな社会的、世界的なメッセージが明示的に込められていると思います。興味のある人は、例えば伊東乾さんの「日本にノーベル賞が来る理由」を読むのもいいですよ。

今回の Pugwash 会議も原爆、広島、長崎、湯川さんπ中間子の発見、核の時代の冷戦などなど、深い思考的メッセージがあると思います。