GEW;日本経済新聞で広告報道

11月16-20日に開催した「GEW: Global Entrepreneurship Week」についてこのサイトでも2回にわたって報告しました。「GEW -1」、「GEW -2」 です。

この2つの講演会について、日本経済新聞の朝刊(12月22日)に見開き2面にわたって主要な講演を中心に広告報告が出ました。それぞれ[16日」「20日」についての記事を見ることができます。

GEW-2: メインイベント-グローバルに活躍する起業家

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GEWの今回の特別企画とも言うべきイヴェントが20日にGRIPSで開催されました。

気候変動についてCopenhagenでの「COP15」開催を3週間後に控え、さらに日本では新政権で「2020年までにCO2排出マイナス25%」という画期的目標を掲げたことを受け、さらにObama米国大統領訪日の1週間後というタイミングでの企画です。プログラムを見ていただければ、目的は明確と思います。

まず、開会は駐日Denmark大使による「京都からCopenhagenへ; Copenhagenのスマートな取り組み」というとても素晴らしい講演。日本への期待と強烈なメッセージがありました。

米倉誠一郎先生の司会によるパネルのあと、Dr Gunter Pauli によるまったく発想を違えたこれも素敵な新産業のあり方と理論と実例を示しながらのいつもながらの素晴らしい講演。

昼はHillary Clinton米国国務長官のビデオメッセージに続いて駐日Roos米国大使とNHKの道傳愛子さんとの「Entrepreneurship」をめぐる会話、そして菅 直人副総理からのビデオメッセージです。

内容の一部は「Japan Times」に掲載、また米国大使館ウェブサイトの11月24日付けで報告されています。

午後の3つのセッションでは、特に「日本についての外国人起業家の見解」が、参加者の皆さんにとっても新鮮な見方も多く、とても面白かったと思いました。日本をよく知り、しかもかなり違った見方は、「Japan Times」 が取りあげているように、多くの日本の方にとってはとても刺激的だったと思います。日本人には、このような違いを直感的に感じとる能力が欠けて(資料1)います。これこそが、グローバル時代のイノベーションにとても大事な「異質」、「多様性」の基本なのです。大相撲のもと大関、「小錦Konishiki」さんがおられたので、私も持論の「大学の大相撲化」 (資料1)についてコメントしました。

最後は駐日Norway大使によるRhapsody in Green」という素敵な講演でした。でも、私はドバイDubaiに行くためにこの講演の途中で失礼し、会場を後にし、羽田空港に向かいました。

ところで、このblog の「GEW-1」、「GEW-2」で紹介するGRIPSの16日、20日のプログラムの1部は いずれ日経新聞に出る予定ですので、そのときにまた報告します。楽しみにしていてください。

ダボス会議;世界の中の日本

昨日、思いがけなく、BSフジテレビの番組で「ダボス会議;世界の中の日本」というテーマで論じました。ネットhttp://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.htmlで見れますので、ご覧いただけますとうれしいです。

また、World Economic Forumのサイトで、「Close Up 現代」の国谷さんによるKlaus Schwabさんのダボス会議でのインタビューを見ることができます。こちらもご覧ください。

サマーダボス -2  輝く日本女性たち

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今回のサマーダボスの感想です。一言で言えば地元とはいえ、中国の元気とプレゼンスの大きさ、政府の力の入れようは温家宝首相、天津市長の挨拶など、すごいものです。そして今回のサマーダボスに関してはそのウェヴサイト(webcast 写真も沢山ありますーいろいろ探してください)、石倉さんのいくつもの報告(9月9、10、12、13、16日分)も読んでください。大いに現場感があり参考になります。

日本からも大勢の参加があってうれしいです。興味あるセッションが多く、パラレルに複数の会場で開催されるし、個人的なネットワーキング、相談事もありますし忙しいです。第2日のレセプションでも大勢の古い、また新しい友人に会いしました。

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レセプション1-4; 3つのレセプション風景、China Daily社長とスタッフと韓国Yonsei大学Moon教授(左端)

IdeasLabでは慶応義塾大学東京大学が参加、これもうれしいことですね。両方とも石倉洋子さんがセッションを引っ張ります。この2つにしても私は全部を聞き、議論に参加したわけではありませんが、慶応はインターネット、携帯電話など情報系を中心に村井さん、夏野さんなどが情報系のテーマで、プレゼンも上手に刺激的なプレゼン。特に夏野さんの日本の携帯機能には参加者も驚いていました。これがなぜ世界の一定のターゲット市場を開拓する、届けようとしないのか、できないのか、この辺の課題はこのお2人のほかにも私も参加している「超ガラパコス研究会」でも議論しており、間もなく政策提言が出ます。東京大学は持続可能な人間社会をテーマに環境、特に「水」問題が中心のテーマ。これも光触媒の橋本さん、世界水バランスの沖さんなど、面白いセッションでしたが、ちょっと時間が足りずに残念。これらの詳細などはウェヴサイト(資料)で見られますので、お時間のあるときに楽しんでください。

Photo_5_ishikurasan 写真5; グローバル競争力報告パネル

ダボス会議を主催する世界経済フォーラムは毎年「グローバル競争力報告 The Global Competitiveness report」 を発表しています。日本では石倉さんたちが分析、評点など、この報告書作成に参加しています。今回の2009-2010年度 では、日本は133国で8位 (8/133) です、悪くないです。これで安心していてはいけません、もっともっとできることがあります。元気を出しましょう。自分の得意なところと独自性を伸ばし、活かし、世界へ思いを馳せ、広げる、そこへ果敢に行動することです。この報告書を取り上げたパネルはBBCの有名アンカーNik Gowingの司会で、Vietnam (75位/133国) 副総理、Costa Rica (55/133) 通商大臣, Mauritius (57/133) 副総理と石倉さんでした。石倉さんによる報告の説明に始まり、各自のコメント、考えなど、そして最後に会場のZimbabwe (132/133)の大臣にも Nikからの問いかけ(ちょっと意地悪ですね)があり、その課題、計画、世界への約束などの返答があり、これが石倉さんに振られますが、うまく答えていますね。

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写真6-9: 国谷さん司会のパネル(6、7)、道傳さん司会のパネル(8、9)

最終日のグローバル金融についてのホットなパネル「Asia’s New Role in Managing the Global Economy」 はNHK「Close-Up現代」でおなじみの国谷裕子さんが、一流のパネラー5人を相手に、IMFの役割などなど、この難題をとてもうまく捌き、進めました。最終の全体セッションの直前の一つはNHKのホストで道傳愛子さんの司会による「China, Japan and South Korea; Shifting the Power Equation Together?」 。これも事前の打ち合わせの時間がそれ程あったとも思えませんが、なかなか上手な司会ぶりでした。近いうちに日本で放送されるでしょう。

ここに紹介した日本の女性3人はとても英語が流暢ですが、それだけでなく司会として出すぎず、でもしっかり「カンドコロ」を押さえて発言をひきだす、時に挑発しながら全体を流れるように動かすなどなど。パネル参加とはまったく違ったスキルが要求されるのですから、とても大変と思います。上手な人の捌き方を見たり、自分で経験し、広く評価してもらいながら、うまくなってくるのでしょう。何事も勉強と、世界のモデルを見ること、まねしてみること、実践してみること、経験と評価と反省から進歩でしていくのですね。「暗黙知」とも言うもので、決してマニュアルでは得られない能力です。

今回は何人もの日本の方たちも参加し、活躍しましたが、特に女性陣が司会というパネル全体を仕切る役割で活躍が目立ったのではないでしょうか。IdeasLabを含めると、ここに書いた日本女性が司会した4つのセッションでは、パネラー、プレゼンは全部が男性でした。だからなおさら、目立ったのでしょうか? 相当な立場の男性を、うまく順々にスポットライトを当てていくというような役回りですからね。私の偏見ですかね? 日本の方の活躍が目立つことはいいことです。

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写真10-11:皆さんとデイナー

最後の夜は日本からの参加者12人ほどで国谷さん、道傳さんほかの方たちととても楽しい夕食会(写真11)。この機会を持てたこと、とてもよかったです。この席は女性男性が半々でした。

サマーダボス・大連で:「D.Light」 など、活躍する社会起業家たち

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夏のダボスでも「社会起業家」たちは注目です。日本は技術先進国ですし、とかく世界を国内からばかり見ているので、国際貢献といっても、思考、製品の基本に「現地での感覚がかけている」、「進んだ技術に気をとられすぎる」傾向があり、これが日本の「弱さ」だということに気がつかなくてはいけません。

このような視点で立ち上がってきたのが、すでに紹介したMITのD-Labです。

社会起業家をテーマにしたIdeasLabで提示された事例の一つが「D.Light」(資料1)のNed Tozanで、これは最も注目を集めました。インドやアフリカでは電気がなく、夜はケロシンを燃やしているところもあります。危険ですし、健康にも良くない、貧しい人にとってそれなりのお金もかかります。これを何とかしたい。ここから始まります。皆さんの意気込みが伝わってきます。

他にも;1)出稼ぎに来た人たちにそれなりの教育と能力開発をし、帰国して自立できるようにしようという活動、2)小さな土地しかない人たちを自立させてきた活動、3)カンボジアなどで若い売春婦にさせられた女性を自立させてきた活動などなどです。

Tozanさんに、「これはD-Lab (資料1)から出てきたの?」と聞くと、「そうです」、といっていました。先日、MITが始めた素晴らしいコースとして紹介しましたが、そのときにも卒業生を通してどんどん広がって、Stanfordの学生が始めた成功事例として話を聞いていましたが、やっぱりそうでしたね。創業者のSam Goldman資料1) の背景からもアメリカの若者 たちの、若いときからの世界へという考え方、活力、駆動力、それも受け止めるエリート大学のイノベーションは素晴らしいと心の底から感じます。

日本のビジネスも若者も、世界の問題に自分で実体験として接してみると、このような人たちが、もっともっと出てくるのでしょうね。引きこもりなんてもったいないです。自分たち世代から20歳、30歳年上の周りの「おじさんたち」を見ていると、それしか選択肢がないと思い込んで、将来が暗くなってしまうのでしょうか。そんなことはありません。「若者にはもっと外の世界を見せ、体験させる」(資料)このことこそがこれからの世界の日本の構築には大事なのです。いつも言っていることですが、再確認しました。世界は広いのです、Steve Jobsの「Don’t Settle, Keep Looking」資料1)です。

ジャック・アタリの「21世紀の歴史」

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人類の歴史を振り返り、将来を予測する、これはいつも大事なことです。「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」、「Historia Majistra Vitae」 、洋の東西を問わず、同じ言葉が受け継がれています。「人間の知恵」です。このブログでも再三にわたって発信しているメッセージです(参考: 1234)。

前回はFareed Zakariaの著書を紹介しましたが、フランスを代表する現代の知性ともいわれるジャック・アタリによる「21世紀の歴史:未来の人間から見た世界」も大変面白い本です。これは長い歴史から学び取れる「21世紀を読み解くためのキーワード」を抽出し、そこから考察する21世紀の予測です。「歴史の法則、成功の掟は、未来にも通用する。これらを理解することで未来を占うことが可能になる・・・」、ということです。

邦訳に当たって、短いのですが「21世紀、はたして日本は生き残れるのか?」、また最後に「フランスは、21世紀の歴史を生き残れるか?」が追加されています。それにしても、私はフランス語を読めませんが、英語本と読み比べると、邦訳はずいぶんと量が増えるものですね。

この著書を話題に、NHKがジャック・アタリの2時間にもなるインタビューを放映しました。テレビでご覧になった方も大勢おられるかと思います。

この本は6章の構成です:
1.人類が市場を発明するまでの長い歴史
2.資本主義はいかなる歴史を作ってきたのか?
3.アメリカ帝国の終焉
4.帝国を超える「超帝国」の出現 -21世紀に押し寄せる第1波
5.戦争・紛争を超える「超紛争」の発生 -21世紀に押し寄せる第2波
6.民主主義を超える「超民主主義」の出現 -21世紀に押し寄せる第3波

2006年の発行ですが、「アメリカ、終焉の始まり」で、「アメリカの金融システムは増殖し、過剰となり、無制限に活動し始め、制御不能に陥った。このシステムは、産業に対して到底達成不能な資本収益性を要求し、産業を担う企業に対して企業活動に必要になる投資行為よりも、こうした企業が稼ぐマネーを金融市場に放出することをもとめた・・・」、そして「サラリーマンの債務もますます増加した。特に公営企業2社(アメリカ第2位の企業である連邦住宅抵当公庫Fannie Mae、アメリカ第5位の企業である連邦住宅貸付抵当金庫Freddie Mac) は4兆ドルの抵当権を所有ないし保証しており、その債務は10年間で4倍に膨れ上がった・・・」(p.128、129)。2007年夏に始まる金融パニックを起こしたように、ここで「サブプライム問題」を予告していたといえます。

また「中心都市」というコンセプトを提唱し、「これまで市場の秩序は、常に1つの「中心都市」と定めて組織され、そこには「クリエター階級」(海運業者、起業家、商人、技術者、金融業者)が集まり、新しさや発見に対する情熱に溢れていた。この「中心都市」は、経済危機や戦争が勃発することにより他の場所へ移動する。」(p.61)

数多くの「未来への教訓」が示されているが、ここでは、いくつかだけ示そう。例えば、
「知識の継承は進化のための条件である」(p.31)
「新たなコミュニケーション技術の確立は、社会を中央集権化すると思われがちだが、時の権力者には、情け容赦ない障害をもたらす」(p.77、脚注*1)
「専制的な国家は市場を作り出し、次に市場が民主主義を作り出す」(p.98)
「テクノロジーと性の関係は、市場の秩序の活力を構造化する」(p.111)
「多くの革新的な発明とは、公的資金によってまったく異なった研究に従事していた研究者による産物である」(p.120)

註1:いくつかの講演で「Incunabulum, Incunabula」というラテン語を使って、「フラット」な世界での「タテ社会」の脆弱性を指摘しています(参考 123)。

21世紀に現れるいくつかの現象には、サブタイトルが面白い。例えば;
「歴史を変える「ユビキタス・ノマド」の登場」
「地球環境の未来」
「時間 -残された唯一、.本当に希少なもの」
などなど。

そしてここから、第4章が始まる。これから起こるであろう第1波、第2波、第3波。じつに面白いというか、恐ろしいというか、かなり現実となるような予感がします。今もそれらの兆候は見えています。

この本を読んで思い浮かべたのは、J. ダイアモンドの「文明崩壊」でした。

ぜひ、これらの本も「The Post-American World」などとも併せて、読んでみてください。

イノベーション・クーリエ事業

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「イノベーション25」の政策を受けて、様々な施策や活動が始まっています。その一つに、私も協力している「イノベーション・クーリエ」という事業がありまして、いろんな事業、講演会、会誌を発行するなどの活動をしています。

今回、横浜で「水」をテーマにした展示会を開催しました。トラック掲載型海水飲料化システムや、バングラデッシュで実用化されている簡単な水浄化装置などが展示されました。いづれも素晴らしいものでした。しかし、アフリカをはじめ、もっともっと現地のニーズにあった装置の開発も必要であることを痛感しました。

日本ではどうしても技術先導で、しかも技術者がより良いものを、より精度を高く、ということに囚われるあまり、現地の人からすると、高価すぎるとか、現実的ではないものになりがちです。また、資金援助も国に頼ってばかりになっているのではないかと感じています。素晴らしいものは多いのですが、一日でも早く現地に届ける、そのための仕掛けや資金のあり方にも、違った視点や工夫が必要と思います。例えば現地での雇用を増やしたり、貧困から少しでも助け出そうという視点も欠けているようにも思えました。それは多くの人に現地での生活感や生活体験が欠けているからではないか?そこが、“Demand-Driven”のイノベーションが大いに有効なグローバル時代にあっての日本の弱さだと思います。

私も講演をしましたが、グラミーン銀行の実例や、KickStartのような素晴らしいNGOの活動にも触れました。これこそがイノベーションによる「新しい価値の創造」です。

Stanford大学と日本起業研究

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昨年からStanford大学とStanford Project on Japanese Entrepreneurship (STAJE)という共同研究が行われています。“MOT”で著名な元副学長のWilliam Miller先生たちとはじめたのですが、5月29日に東京大学で公開の発表会がありました。

Dr. Millerと私は挨拶で参加。Miller先生は80歳とちょっとですが、まだまだ現役。また一つ会社を始めたそうです。東大の各務茂夫教授とStanford大学のRobert Eberhartさんが幹事でした。

私は、とにかく開国とイノベーションを催促する黒船“eco-platform”が来ている。つまり、先週はTEDxTokyo、そして来週にはTiEのTokyo Officeが開設されることを話しました。

雨の降る天気でしたが、250名ほどが参加し、皆さん熱心に議論されたようです。途中で退席をしていたので、後で聞いたことですが。この会議の様子はForbesで紹介されています。

日本、そしてSilicon Valleyの良いところを論じているのですが、いずれ報告書が出ると思います。日本には多くの可能性があるのです。しかし、大事なことは実行です。“Think Locally, Act Globally”ですが。工夫しながら、いくつかのパートナーと仕込みたいと考えています。

地球温暖化へ、日本の目標はどこに?

地球温暖化は、全人類にとって21世紀最大の課題です。対策は遅々として進みません。難しい問題がたくさんあります。でも行動は待ったなしです。100年に一度の経済の低迷とかで、どこかに吹っ飛んでしまったかの様子もないではありませんが、大変なことです。

日本はどうでしょう。国家のビジョンと、国家のリーダーの役割 がこれほど求められているときは歴史的にもそうはありません。

5月24日、官邸で地球温暖化問題に関する懇談会が開催されました。これが最終回だと思いますが、どう国家の決断がされるのでしょうか?この懇談会の様子や資料はネットで見ることができます。私はやはり早口ですね。いつものことですが反省しています。資料ではパブコメと世論調査の大きな違いが目立ちます。なぜでしょうか?

日本は2006年G8サミットで、2050年までに世界全体でCO2排出量を50%削減するという、「CoolEarth 50」という米国も入れた画期的な国家のコミットメントを出しています。また、2008年の洞爺湖サミットでも2050年までに60~80%削減のコミットメントをしています。

では2020年への日本の中期目標はどこなのか?いまは各論ではなくて、従来のコミットメントを実現する道筋としての国家のコミットメントを宣言する時です。すべての可能性と分析はされているのです。できない理由を言っていてもいたし方ありません。やらなくてはいけないのです。今は大転換のときなのです。

好機を捉える、大変革のとき。しかし、リーダーはどこに?

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日本の状況はすこぶるよろしくありません。もちろん世界中がよろしくない状況です。変革を起こし、政治、産業、経済、教育等々、将来の展望を皆が模索しているところです。

私の国家ビジョンについては、今年の始めから繰り返し発信していますが、4月25日発売の週刊ダイヤモンドにも「クリーンエネルギー技術を、中国・インドに売り込め!」というインタビュー記事が掲載されました。相変わらず、変われない理由、できない理由を言う人たちばかり。政治家も、産業界でも、リーダーたるものしっかりして欲しいものです。

民主党の党首が鳩山さんになりました。政治はどう動くでしょうか?

日本では公的資金の“投売り的”な補正予算の話ばかりで、もっぱらこれが政局がらみになっています。既得権グループへの“ばら撒き”の様相、または省庁の“つかみ取り”の様相です。将来への展望、ビジョンが示されず、せっかくの大転換のチャンスを捉えていないのです。誰かさんたちの無責任な大笑いが聞こえてきます。

科学技術政策も同じです。降って沸いたような3,000億円の大型補正予算ですが、これを何にどう使うのか?皆さんも良く見ておいてください。オバマ大統領の科学政策とはずいぶん違います。

若者に投資しない国に将来はありません。グローバル時代へ向かう若者たちには、広い世界を見せ、体験させることが大事なのです。若者たちこそが将来の財産なのですから。