HLABへ再び

→English

先日紹介した、驚愕の成果を上げているHLAB。

2011年の夏が初めでだけど、この2年で受講した高校生の40%が、自分の選択として海外の大学へ進学するのだから、すごい。

今年の夏、HLABがまたやってきた。私もまた参加。2 日休んだ蓼科から帰京し、みなさんと合流、そして30分ほどお話をしました。

これに参加しているHarvardの学生さんたち、2011年から3回続けて参加の方もいるなんて、とてもうれしい。彼女は今年のHarvard卒業式でラテン語の語りを見せてくれました。メキシコの貧しい村からお母さんがSan Diegoへ移住して、苦労して育ててくれた話をする男子学生。祖国の教育へ貢献したいと、、、。みんな素晴らしい。

その後はみんなでレセプションへ。応援してくださっている三菱商事のHarvard Alumniの槙原さんも参加。毎回このプログラムを支援してくれています。

数日後、再びGRIPSでのセッションへ。一橋大学B-Schoolを立ち上げ、今はHarvard B-School教授として活躍する竹内弘高さんのWise Leaderのセッション。さすが世界で一流の先生はすごい。授業の内容もさることながら、これが一流のエンターテイメントなのだよ。竹内さんはHarvardで日本企業のケースをいくつも紹介しています。

翌日の夜は、参加みんなが合宿している本郷の古びた旅館でのリフレクションに参加。いろいろな方が参加していて、お会いできて、私ももちろんですが、学生さんたちも本当にうれしそう。

こんな若者を見ていると、日本の将来も結構いける、と感じます。

幹事の皆さん、ご苦労様、ほんとにありがとう。

沖縄から -2

→English

8月10日(土)、再度沖縄へ。宮城征四郎先生の始めた、これからの医療に対応する、ある意味では「最先端」を行っているともいえる「群星(ムリブシと読みます)臨床研修プログラム」の10周年記念のお祝いです。私もご挨拶をさせていただきました。10年前、このプログラム発足の時には講演をさせていただきました。

ここからは、その先輩の県立中部病院の時代から、臨床研修医のOB/OGのかなりの方たちが米国で臨床研修を受け、日本でも、世界でも、グローバル時代にふさわしい活躍をしています。

この10年、医療の現場に対応する医師の能力のニーズはかなり変化してきていると思います。ACP日本支部12)の開設、New York Beth Israel病院の臨床研修プログラムのOB/OGたちなど、世界に通用する臨床医の活躍は目覚ましいものがあります。

私は、挨拶でこのような臨床研修を受けた人たちが、後輩に優れた教育を伝えていく好循環“Virtuous Cycle”を生んでいくことに触れ、ちょうど沖縄に来ていた私のUCLA時代のフェローだったDr Harry Wardをみなさんに紹介しました。これも好循環の一例です。

11日の午後はBirdLife Internationalの市田さんに案内していただきながら、沖縄の北部へ。沖縄の蝶(註1)の観察ができる「秘密の場所」へ連れていっていただき、ヤンバルクイナを見に行きました。今年、道路で車にぶつかって死んだヤンバルクイナは今日現在で28羽。以前は、年に10羽程度だったそうです。

脚注: 写真に出てくる順番に 1)コノハチョウ(表 オモテ) Orange Oakleaf、必ず下を向いて止まる、沖縄以南のアジアに分布、コノハチョウ(裏 ウラ) 枯れ葉に似せている; 2)ルリタテハ Blue Admiral、翅の両脇にブルーのライン; 3)ツマベニチョウ Great Orange Tip、白い大きなチョウ、前翅の先端がオレンジ色、鹿児島以南のアジアに分布。

3日目の12日は、OISTで、この全く新しい研究大学院の将来計画を皆さんと考える集まりに参加しました。丸一日、いろいろな課題について議論が続きます。

これが日本の研究制度の変革に役立つことを祈っています。

沖縄へ、週に2回訪れる -1

→English

Other photos: https://picasaweb.google.com/101937154598536516246/Aug5Day04?authkey=Gv1sRgCOrRi5ry9tOHfw

8月4日からの週は沖縄に2度伺います。

5日の月曜日、この日は日帰りです。ここでも何度か紹介している沖縄でのアジア青年の家プログラム1)です。沖縄で14~16歳の若者50数名が約3週間の合宿をするのです。大学生も10数人が参加しますが、何人かのOB/OGも参加します。

私が安倍総理の特別顧問をしているときの内閣の企画で、もう6回目になるでしょうか。今までの参加者はFaceBookでつながっていて、いつもこの時期になると盛り上がっています。第1回、第2回に大学生のチューターとして参加していたインドネシアのOBと先日お会いして、彼の進めている母国での事業の相談にものりました。

私は第1回から参加しています。今年は開会式での講演です。アジアの将来を担っていく若者たちといろいろ議論が広がり、大いに盛り上がりました。

日本からの参加者は、第1回から大体2:1で女性が多いのですが、今年の沖縄からの参加者は全員女性でした。男子も頑張って参加してほしいですね。みんな楽しい時間を過ごし、OB/OGたちは大きく成長しています。アジア各国からの参加者は、送り出す国の推薦で、男女1:1です。

このようなプログラムが、日本のいろいろな地域で、学校から、町から、できる範囲でよいので、ホームステイとか、どれだけ小さくてもよいので始まることを期待します。

日本の将来は若者にかかっています。

女性の活躍に期待する、2つのパネルに

→English

東北大学女子学生入学100周年記念シンポジウムの写真はこちら:https://plus.google.com/photos/105840412439031950380/albums/5910115686676869777?authkey=CKPXlJPgwpSp-QE

日本の一つの問題に女性の活躍の場が、ほかの国に比べて、まだまだということがあります。いわゆる男女参画社会、Gender Development、とかGender Empowermentなどとかいろいろ言われる社会的課題です。

わたしは、これについても“問題”発言をしているので(このサイトの中でも「検索」してみてください)、この問題に関係する機会にも時々お招きを受けます。

8月4日、ewomanの佐々木さんの企画、第18回国際女性ビジネス会議で翁百合さんとの対談です。翁さんとは経済同友会でのパネル以来ですし、この会議では2年前に石倉洋子さんとの対談にお招きを受けました。

大勢の、特に若い女性が多く、一日中の充実したプログラムです。主催の佐々木さんの挨拶に始まり、キャシー松井さん、二人の女性大臣で弁護士、子育ての森さんと稲田さん、横浜市長の林さんの説得力あるお話などのあと私の翁さんの対談。午後もいろいろなセッションがありました。

そして、フェンシングのオリンピック銀メダリスト太田さん、さすがに「超世界級」は、お話も、感覚も、すごいです。

私は、石倉さんとの共著「世界級キャリアの作り方」を私のサイン入りで50部ほど購入していただきましたが、中にはご自分で持ってこられ、私のサインをもらいに来た方もいて、これはうれしかったです。

8月8日は東北大学へ。100年前に3人の女学生を入学させた初めての帝国大学の記念行事の一環のシンポジウムに参加です。皆さん、元気の出る発言、特に英米国のお客様、Drs ColwellとHaynigenの話も素敵でしたし、久保さん、辻村さん、向井さん、小谷さん、2人の高橋さん、元村さん、小谷さん、2人の黒田さん、原山さん、植木さん、みんなよかった。

このイベントの報告も、トップの写真とは別に、いずれ東北大学のサイトにでも掲載されるかもしれません。何しろ大隅典子さんが企画担当ですから。

第18回 国際女性ビジネス会議
全体リポート(会議当日のダイジェスト版)はこちら
トークショーリポートはこちら

そして、最後に里見学長から「約束」とはいかないけど、何かやってもらえそうな気分のお話しがありました。いつまでに実現するのか、これが課題でしょうか。

Rita Colwellさんとは今年これで4回目ですし、そして翌日は元村さんとNature Caféで2日連続でのご一緒となりました。

忙しいですが、それなりに楽しい時間も続きます。

Nature Café 「変われるか、ニッポン?」

→English

このブログでも案内していましたが、科学誌としてよく知られたNatureで、「Nature Café」という企画をしています。

今回は第12回で、沖縄科学技術大学院大学(OIST)との企画。日本ではどちらかといえば「Crazy Ones、変人」らしい科学者のパネルを企画しました。タイトルが「変われるか、ニッポン?~変化を迫られる大学、研究機関~」というタイトルです。

場所はSONY CSL「天才、異人」1)を生み出してきた小さな研究所です。

パネルは、この研究所の所長の北野宏明さん1)、東大で天文学と数学のコラボを試みる機構のリーダーをしている村山斉さん(たくさんのビデオがあります)、OIST の杉山(矢崎)陽子さん、そして私です。司会は毎日新聞の元村有希子さん

大部分が学生さん、いいね。パネルの皆さんが10分ずつ、元気のよい「変な話」をして、そこからパネル。そこへ、MIT Media Lab 所長のJoi Itoさん(1)が参入してくるサプライズ。

参加の若者たちと、大いに、大いに盛り上がった夕べでした。

刺激的で、よかった。

「H-LAB」:海外の大学へ進学する高校生たち、実体験のインパクト

→English

309165_453670148006321_1254712325_n1

2011年1)、2012年の8月に開催した、私もImpactJapanも、初めから応援している「H-LAB」

これはHarvard大学と日本のいくつかの大学の学部生が中心になって開催する、1週間ちょっとの「高校生たちを対象とする夏の合宿」です。

「リベラルアーツ」の大事さを高校生に感じ取ってほしいということなのです。これが英米流の大学教育の基本なのだ、ということも。

ところで、2011年に参加した高校2・3年生、2012年に参加した高校3年生たちは、この春ごろから進学先が順次決まり始め、みなさんが進学する大学がほぼ決まったようです。

その結果を見ると、この「夏の合宿」は若者たちに予想した以上のインパクトがあったようです。

参加した高校生の選択肢をまとめるてみると以下のようです。

男子高校生22人中11人が海外の大学へ!!
女子高校生32人中12人が海外の大学へ!!

海外の大学といっても米国を選んだ人が19名、英国2名、Canada1名、Australiaが1名。 皆さんがすぐに気にするようなHarvard、Yale、Imperialなどの合格者もいます。海外で複数受かって、選択に困っていた人も何人かいます。

東大に受かっている人も何人かいますが、東大(に学籍を置いているかもしれませんが)ではなく留学を選択した人も3名いるのです。

頭で考えている教育ではない実体験、しかも自分たちのちょっと年上の大学生との合宿は「Peer Mentoring」でもあり、高校生が自分のモチベーションを見つける、そこにこそインパクトがあるのでしょう。

このような海外への選択肢へ挑戦する高校生はこれからも広がっていくでしょう。楽しみです。

北岡伸一さんとの対談

北岡さんは日本政治外交史の学者ですが、国連代表部次席大使を務めたこともあるという点で、異色の体験・経験をされた学者です。もっとも諸国ではこんな任命は良くあることですが、、、。つまり、日本のような、極めて狭い「タテの単線路線エリート」人事で動いているというわけではない、適材適所の任官は、大使、外交官ばかりでなく、政府高官にでも当然のこととしてよくあることです。

奥様も社会活動に熱心で、MDGなどでも活躍しているJeff Sachs12)さんとも一緒になってアフリカ支援などにも参加しておられ、ご主人が国連大使でNew Yorkにおられる時でも、ご自分は別行動で、個人の身分でアフリカ諸国にも出かけられていたと思います。

「北岡さんとの対談」の企画を提案されましたので、このようなちょっと違った方との話は面白いでの、北岡さんが引き受けるのなら、と引き受けました。

対談に出かけてみると、この企画した方の思惑にあっているのか、私たち2人ともよくわからなくなりましたが、2人ともに、企画の方のほうからの質問には、忌憚のない議論をしましたので、それなりに楽しい時間でした。

対談を終わってから、北岡さんとは、「言いたい意見は、遠慮なく言えたし、これでいいか」ということにしました。

この対談の原稿を読まれるとわかるのですが、タイトルや見出し、添付の写真には、編集の専権事項ですから、こちらからは特に意見を出しませんでしたが、編集の方の苦労がうかがわれます。

私たちは2人とも素直なものですね。いかが思われますか?

Manabaセミナー + 基調講演と飯吉さんのパネル

→English

Manabaとは教育の新しいplatformを提供する企業で、このサービスは世界の大学へも広がっています。なかなか意欲的な試みです。

大学や学校の先生たち、事務の方たちを主要な対象としたセミナーが7月5日に東京で開催されました。大勢の方たちが参加されました。

プログラムはManabaを実際に使用している大学の試み、などが主体ですが、私は全体の「世界の動向、それは何故なのか」という視点で、1時間の基調講演の機会をいただきました。現場で活動している人たち、いろいろ試行錯誤し、学生さんたちのために、大きな枠組みを提示する、そのうえで自分たちがしていることの大きな流れを考えてもらう、これが私のしたいことですから。

参加の方たちは、教育、就職など広範にわたる大学の関係者が多く、後のパネルでの質疑からして日常的に苦闘している方たちが多かったようです。

私の講演のタイトルは「Uncertain Times; あなたの選択」です。私のスライドはもちろん映像と文字はすべて英語、でっかい文字を使います。

大きな流れをなんとなくでよいので、感じ取ったうえで、みなさんに「自分の立場で果たすべき責任」を感じ取ってもらいたい、という趣旨です。

あっという間に1時間が過ぎました。しかし、私のメッセージを皆さんも感じ取ってくれたらしいことは、最後のパネル、レセプションなど、後でよくわかりました。

最後のパネルは久しぶりの飯吉さん1)。飯吉さんは教育とは「狂気だ」と繰り返す。私も“Crazy Ones”1)が世界を変える、と主張する。そして文部科学省では異色の佐藤くん、そして経済産業省の福岡くん。飯吉さんの厳しいパンチ、「狂気」が次々と飛んできます。パネルの二人の官僚も、「ふつう」とは変わった「若手官僚」です。参加の方たちからも、苦闘する教育界の現場の悩み、良心のような質問がいくつか出てきました。皆さん苦闘していますね。

「発想の枠組み」を変えてみることです。出る杭、異論、枠を超えて考えてみることです。

グローバル世界での日本の将来は若者にしかありません。このことをどのくらい一人ひとりの日本の「責任ある立場」の人たちが、自分のこととして考え、行動しているのでしょうか。

世界の変化の本質を、肌で、心で、下腹(ガッツ)で直感的に感じ取っている、日本国でより大きな責任ある立場にあって、グローバル世界での日本へ向けた「その役職の責任を実行している人」はそれほどいないのですね。もっとも「学歴エリート」、「東大話法」の人たちが多いですから、所詮は無理なことなのでしょうか。

問題を認識したとしても、まず「できない理由」がいくつも頭に浮かぶ人のほうがはるかに多いのです。それが日本の現状です。考えながら、実行してみることです、難しいでしょうけど。

国連大学の卒業式でスピーチ

→English

東京青山にある国連大学。ここでは、世界に広がる研究所群と横浜にある高等研究所と、ほかのいくつかの大学とも連携して正式な修士課程が新しく設置されていますが、7月3日に卒業式が開催されました。

私は日本学術会議に関わったころから、日本の科学者コミュニティと国連大学との関係を強くしようと積極的にいろいろと協力してきました。過去2代の学長さんともいろいろお手伝いをさせていただきましたし、今度着任したDavid Malone 学長ともCanadaに共通の友人もおり、着任前からいろいろコンタクトができていました。

この10年ほどのことですが、ここで開催されるいろいろな会議でも話をする機会が、数多くありました。

国連大学の大学院の発足は2010年の9月ですから、極めて新しい大学院ですし、まだ規模は小さいのです。今年、12か国からの12人(最大の多様性ですね)の修士課程修了(あと数人が春に卒業していることのことでした、、)の学生さんたちを送り出す卒業式に、私はCommencement Speechのお招きを受けました。うれしいことです。

私のSpeech原稿はこちらです。

皆さんとてもうれしそうな素敵な卒業式でした。Malone学長は急用で海外となり、ビデオでのメッセージ、竹内副学長の挨拶、私のSpeech、学位授与式、そして卒業生3人のSpeechなどがあり、レセプションで終了しました。

新しい門出をする若者たちを世界に送り出すのは、何とも言えない感動の時間です。

私の背景

私のことを時々書いていただきますが、先日の日経の山田さんのインタビュー連載記事も、私の昔を知っている方は少ないので、いろいろな方から「そうだったのか、、」などというコメントをいただきました。

最近も、私の記事(前編後編)を書いていただきましたが、ありがたいことです。

私のことをもっと知っていただけると、なんで私がいつも「変なこと」を言っているのか、少しは理解していただけるかもしれません。