サマーダボス -2  輝く日本女性たち

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今回のサマーダボスの感想です。一言で言えば地元とはいえ、中国の元気とプレゼンスの大きさ、政府の力の入れようは温家宝首相、天津市長の挨拶など、すごいものです。そして今回のサマーダボスに関してはそのウェヴサイト(webcast 写真も沢山ありますーいろいろ探してください)、石倉さんのいくつもの報告(9月9、10、12、13、16日分)も読んでください。大いに現場感があり参考になります。

日本からも大勢の参加があってうれしいです。興味あるセッションが多く、パラレルに複数の会場で開催されるし、個人的なネットワーキング、相談事もありますし忙しいです。第2日のレセプションでも大勢の古い、また新しい友人に会いしました。

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レセプション1-4; 3つのレセプション風景、China Daily社長とスタッフと韓国Yonsei大学Moon教授(左端)

IdeasLabでは慶応義塾大学東京大学が参加、これもうれしいことですね。両方とも石倉洋子さんがセッションを引っ張ります。この2つにしても私は全部を聞き、議論に参加したわけではありませんが、慶応はインターネット、携帯電話など情報系を中心に村井さん、夏野さんなどが情報系のテーマで、プレゼンも上手に刺激的なプレゼン。特に夏野さんの日本の携帯機能には参加者も驚いていました。これがなぜ世界の一定のターゲット市場を開拓する、届けようとしないのか、できないのか、この辺の課題はこのお2人のほかにも私も参加している「超ガラパコス研究会」でも議論しており、間もなく政策提言が出ます。東京大学は持続可能な人間社会をテーマに環境、特に「水」問題が中心のテーマ。これも光触媒の橋本さん、世界水バランスの沖さんなど、面白いセッションでしたが、ちょっと時間が足りずに残念。これらの詳細などはウェヴサイト(資料)で見られますので、お時間のあるときに楽しんでください。

Photo_5_ishikurasan 写真5; グローバル競争力報告パネル

ダボス会議を主催する世界経済フォーラムは毎年「グローバル競争力報告 The Global Competitiveness report」 を発表しています。日本では石倉さんたちが分析、評点など、この報告書作成に参加しています。今回の2009-2010年度 では、日本は133国で8位 (8/133) です、悪くないです。これで安心していてはいけません、もっともっとできることがあります。元気を出しましょう。自分の得意なところと独自性を伸ばし、活かし、世界へ思いを馳せ、広げる、そこへ果敢に行動することです。この報告書を取り上げたパネルはBBCの有名アンカーNik Gowingの司会で、Vietnam (75位/133国) 副総理、Costa Rica (55/133) 通商大臣, Mauritius (57/133) 副総理と石倉さんでした。石倉さんによる報告の説明に始まり、各自のコメント、考えなど、そして最後に会場のZimbabwe (132/133)の大臣にも Nikからの問いかけ(ちょっと意地悪ですね)があり、その課題、計画、世界への約束などの返答があり、これが石倉さんに振られますが、うまく答えていますね。

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写真6-9: 国谷さん司会のパネル(6、7)、道傳さん司会のパネル(8、9)

最終日のグローバル金融についてのホットなパネル「Asia’s New Role in Managing the Global Economy」 はNHK「Close-Up現代」でおなじみの国谷裕子さんが、一流のパネラー5人を相手に、IMFの役割などなど、この難題をとてもうまく捌き、進めました。最終の全体セッションの直前の一つはNHKのホストで道傳愛子さんの司会による「China, Japan and South Korea; Shifting the Power Equation Together?」 。これも事前の打ち合わせの時間がそれ程あったとも思えませんが、なかなか上手な司会ぶりでした。近いうちに日本で放送されるでしょう。

ここに紹介した日本の女性3人はとても英語が流暢ですが、それだけでなく司会として出すぎず、でもしっかり「カンドコロ」を押さえて発言をひきだす、時に挑発しながら全体を流れるように動かすなどなど。パネル参加とはまったく違ったスキルが要求されるのですから、とても大変と思います。上手な人の捌き方を見たり、自分で経験し、広く評価してもらいながら、うまくなってくるのでしょう。何事も勉強と、世界のモデルを見ること、まねしてみること、実践してみること、経験と評価と反省から進歩でしていくのですね。「暗黙知」とも言うもので、決してマニュアルでは得られない能力です。

今回は何人もの日本の方たちも参加し、活躍しましたが、特に女性陣が司会というパネル全体を仕切る役割で活躍が目立ったのではないでしょうか。IdeasLabを含めると、ここに書いた日本女性が司会した4つのセッションでは、パネラー、プレゼンは全部が男性でした。だからなおさら、目立ったのでしょうか? 相当な立場の男性を、うまく順々にスポットライトを当てていくというような役回りですからね。私の偏見ですかね? 日本の方の活躍が目立つことはいいことです。

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写真10-11:皆さんとデイナー

最後の夜は日本からの参加者12人ほどで国谷さん、道傳さんほかの方たちととても楽しい夕食会(写真11)。この機会を持てたこと、とてもよかったです。この席は女性男性が半々でした。

サマーダボス・大連で:「D.Light」 など、活躍する社会起業家たち

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夏のダボスでも「社会起業家」たちは注目です。日本は技術先進国ですし、とかく世界を国内からばかり見ているので、国際貢献といっても、思考、製品の基本に「現地での感覚がかけている」、「進んだ技術に気をとられすぎる」傾向があり、これが日本の「弱さ」だということに気がつかなくてはいけません。

このような視点で立ち上がってきたのが、すでに紹介したMITのD-Labです。

社会起業家をテーマにしたIdeasLabで提示された事例の一つが「D.Light」(資料1)のNed Tozanで、これは最も注目を集めました。インドやアフリカでは電気がなく、夜はケロシンを燃やしているところもあります。危険ですし、健康にも良くない、貧しい人にとってそれなりのお金もかかります。これを何とかしたい。ここから始まります。皆さんの意気込みが伝わってきます。

他にも;1)出稼ぎに来た人たちにそれなりの教育と能力開発をし、帰国して自立できるようにしようという活動、2)小さな土地しかない人たちを自立させてきた活動、3)カンボジアなどで若い売春婦にさせられた女性を自立させてきた活動などなどです。

Tozanさんに、「これはD-Lab (資料1)から出てきたの?」と聞くと、「そうです」、といっていました。先日、MITが始めた素晴らしいコースとして紹介しましたが、そのときにも卒業生を通してどんどん広がって、Stanfordの学生が始めた成功事例として話を聞いていましたが、やっぱりそうでしたね。創業者のSam Goldman資料1) の背景からもアメリカの若者 たちの、若いときからの世界へという考え方、活力、駆動力、それも受け止めるエリート大学のイノベーションは素晴らしいと心の底から感じます。

日本のビジネスも若者も、世界の問題に自分で実体験として接してみると、このような人たちが、もっともっと出てくるのでしょうね。引きこもりなんてもったいないです。自分たち世代から20歳、30歳年上の周りの「おじさんたち」を見ていると、それしか選択肢がないと思い込んで、将来が暗くなってしまうのでしょうか。そんなことはありません。「若者にはもっと外の世界を見せ、体験させる」(資料)このことこそがこれからの世界の日本の構築には大事なのです。いつも言っていることですが、再確認しました。世界は広いのです、Steve Jobsの「Don’t Settle, Keep Looking」資料1)です。

ダボス会議東京事務所開所記念の集まり、そしてニューデリー、台北、サマー・ダボス大連へ

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ダボス会議は世界的に知られているいわゆる「track2」のグローバル社会の対話の場であるといえます。このサイトでも「サーチ」していただければ多くの報告が読めます。今年で39年ということですが、今回東京の事務所を開設しました。世界で4番目ということですが、うれしいですね。なぜでしょうか、日本への期待でしょうか。しっかりしたいものです。

9月4、5日にお広めの会(資料) が東京であり、多くの方が集まってくださり、大変に活気のある会議となりました。ちょうど衆議院選挙が終わり、歴史的ともいえる新政権ができる期待もあり、鳩山民主党党首(ダボス会議議員連です)もご挨拶にこられ、力強いスピーチをされました。その後、私もパネルに参加しました。

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この会議の初日の午後からNew Delhiへ向かいました。Singapore経由で翌朝早く到着、早速9時から「クリーンエネルギー技術のインドと日本」(資料)というテーマです。IPCCのPachauriさん(1年ぶりです)と私の基調講演で始まり、特に日本からいくつも省エネ技術の発表があり、両国の「Win-Win」のpartnershipを築きたいというものです。堂道大使もこられご挨拶、夕方のレセプションにも参加してくださいました。

インドは10億の人口を有する、しかもこれから当分は年6-8%の成長が見込まれるのですが、インド駐在の日本ビジネスの方たちは、全インドでなんとたったの3,300人とか。何か情けないですね。大いに期待できる、お互いに「Win-win」の関係になれるのになのです。これは残念ですね、いつも言っている(資料) ことですが。製造業では中国、韓国企業がどんどん進出しています。日本からの参加者の方々には、日本のこの弱さをはっきり伝えしましたけど。

Img_1815 総督府で。後ろは孫文の胸像

翌日は、台北へ。政策大学院大学の同僚の角南さんたちと合流、ここでも「日本のクリーンエネルギー技術」がテーマなのですが、この強さが世界に広がっていない、世界では目立たないのですね。なぜでしょう。これもお話しました。グローバル時代には、グローバルな課題へ自分たちの強さを生かし、弱さを認識して、コラボレーションですばやく社会へ、世界へ広げる事が大事なのです。これが21世紀のイノベーション、つまり「新しい社会的価値の創造」 です。

ついで台北から上海経由で大連へ来ました。’Summer Davos’とも言われる‘New World Champions’  (このサイトでいろいろ見たり、読むことができます)と言われるダボス会議主催の会議へ参加です。ちょっとばかり忙しい旅ですが、これも外交であり、世界の仲間つくりです。第1回は大連 、第2回は天津で開催されましたが、若手もビジネスの方が多く、なかなか活気があります。初日から3つのセッションに参加です。日本からの方たちも80人ほどの参加があるとかで、なかなか活躍しておられ、嬉しいです。初日からたくさんの友人に会いました。石倉洋子さんの9月9日からのBlogも見てください。前回、前々回と同様に、温家宝首相が出席、このグローバル規模の経済危機に際しての中国のとった政策とその成果と現況、そしてこれからも世界での責任を果たしていきたいという自信に満ちた講演をしました。

夜は、太陽経済の会主催の日本デイナーなどいくつかのレセプションへ参加です。

民主党が衆院選圧勝、そして?

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8月30日の衆院選で民主党は自民党に対して歴史的な地滑り的大勝を収めました。自民党は1955年以来、いわゆる「55体制」と「鉄のトライアングル」による日本株式会社を構築し、政権を担当してきた政党です。(細川首相のときに一時中断しましたが、この政権は一年ともちませんでした。55体制は何も変わりませんでした。)

今回の選挙結果は日本の将来に長期的な影響を及ぼすでしょう。自民党の大敗はメディアが好んであちこちで報道するように、景気悪化、失業率の増加、「格差」の拡大などの責任を国民が自民党に問うた結果ではないと思います。むしろ、国民が「変化」をますます熱望するようになっていること、「55体制」の強い絆で結ばれた「当局」や「関係者」(例えば官僚主導省庁の閉ざされた強い権力、大企業、農家、土木関係、その他利益者集団など)から圧力を受ける自民党は「チェンジ」できないという認識の広がりの表れではないでしょうか?

私のこのような見解は外国の知日派の方々や日本国内で仕事をしてきた外国人の方々など、海外のオピニオンリーダーの見方と重なるように思います。9月7日、New York Timesに村上龍氏のOp-Ed、’Japan Comes of Age’ が掲載されましたが、これもまた日本国民が日本の現状をどのように認識しているかをよく表現しています。

また、例えばEconomistは9月5日版その他で‘The vote that changed Japan’ , ‘Lost in transition’, ‘New bosses’   ‘Banzai; A landslide victory for the DPJ Japan’ など、数ページの記事をいくつも掲載しています。他の外国メディアやプレスも同様な見解を発表しているようです。

Huffingtonpost はリベラルなon-line news とブログのサイトで, オバマ大統領もよく投稿していますが, 私の友人 Dr Sunil Chacko  (資料1)も常連の一人で, 今回の民主党圧勝について‘Japan’s New Era’ と題する記事を書いています。

作家、ジャーナリスト、そして知日派として有名なBill Emmott氏は私の友人ですが、2月にメールで、「先日偶然お目にかかった日の夜にThe Guardianのオンライン版に ‘A silver lining for Japan; The economic suffering here has been harsh and long, but at last political change is coming’ という簡単な記事を掲載しました」と教えてくれました。

その記事を読んだのですが、特に面白かったのは最後の部分(下線)、日本の民主主義に関わる一節で、私も日ごろからいろいろな場面で言ったり書いたりしていること (資料)と重なります。

以下、引用です。

‘It is a country, in other words, that is in desperate need of a change of government, and the election of a party dedicated to repairing broken social services as well as shaking up the economy. No doubt as and when the DPJ wins power, it will bring disappointments and its own occasionally shambolic ministers. No matter. The important thing in a democracy is to punish those who have failed and to bring in a new crowd capable of making new mistakes. Japan has waited far too long for that.

わが国は依然として世界第二の経済大国であることをお忘れなく。したがって ‘The Post-American World’においても日本は世界の諸問題に責任ある態度を取らなければならないし、またそうすることを期待されてもいるのです。実際、日本はグローバルな課題に貢献できる力を充分に持っているにも拘わらずその経済力に見合った積極的なアクションやコミットメントが充分ではありません。少なくとも私の目にはそう映りますね。

SteLA, K-RIP, そしてGrameen Change Maker Program

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先週はSteLA, K-RIP そして Grameen Change Maker Programという、三つのユニークなプログラムとご縁がありました。

STeLA はScience Technology Leadership Associationの略で、2年前に東京大学とMIT(Massachusetts Institute of Technology)の大学院生によって創設された彼らのための団体です。今回、第三回の年次総会が日米約90人の学生の参加を得て東京で開催されました。中国とフランスからの参加もありました。学生さんたちは東京に10日程滞在したそうで、私はこの集まりで講演とコンテストの審査員をするよう依頼されて出かけました。世界が対峙する諸問題のために科学技術やエンジニアリングの大学院生たちが集まって核やバイオなどの活用、そのリスクについて討議し、協力する様子は見ていて大変面白くまた嬉しいことでした。グローバルな時代の将来のリーダー達によるこのようなイニシアチブを私は全面的に支持しますし、今後の活動を楽しみにしています。

長崎では、長崎大学が主催したK-RIP (九州地域環境・リサイクル産業交流プラザ)のセミナーで基調講演をしました。K-RIPの麻生泰会長は麻生首相の弟さんで九州のビジネスリーダーの一人でいらっしゃいます。二日前の衆院選で自民党は大敗を喫しましたが、この日はご一緒に大勢の大学生や院生と素晴らしく充実した一日を過ごしました。イノベーションの諸問題について、フラット化する世界の中で九州がもつ特異的な潜在的可能性に重点を置いて話をし、意見交換をしました。学生達の将来の可能性についても話し合い、とても面白かったです。夜には麻生さんとプログラムのシニアメンバーの方々は食事をご一緒され、楽しいひと時となったようです。

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写真:ユヌス教授と日本人大学生、バングラデシュにて

東京に戻ると、今度はGrameen Change Maker Program (資料1)の代表、ミヨシ ダイスケ君とその仲間2名の訪問を受けました。三週間のバングラデシュ訪問から帰国したばかりだそうです。2名は大学一年生で今回が初の海外旅行、パスポートも初めて作ったそうです。いまどきの若者としては珍しいほうかもしれませんね。とても良い経験になったようです。例えば、入浴はバスタブに浸かるのではなく、川で沐浴すること、下痢、多民族性、多様性、貧困の現実など等、日本とは違うことを見聞きして学んだり、その他楽しい経験をしたり。。Dr Jamilというかつての私の教え子で医師の方が、病気の時にとてもよくしてくれたとのことでした。バングラデシュを発つ前にグラミン銀行ユヌス教授資料1)にお会いでき、皆で約3時間もお話をさせていただいたとのことでした。

この一週間、自分の将来の可能性を模索し見つめる多くの日本の若者たちと出会い、話し合って、大変楽しく愉快な時を過ごすことができました。

教育改革についてDonna Scottさんから寄稿をいただきました

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ブログをはじめ色々な場面で日本や世界の教育改革について意見を述べていますが、それはこれが数ある日本および世界の政策課題の中でも最も重要な問題であるからです。このブログを頻繁に見てくださっている方々は私が教育についてどのような問題意識や見解を持っているか良くご存知のことと思います。

最近、ドナ・スコットさんという方から連絡があり私のブログに寄稿させて欲しいというご依頼がありました。彼女は<onlineschool.net>という新しい教育制度の構築に関わる仕事をしているようです。
http://onlineschool.net/2009/08/11/100-awesome-ways-to-use-duct-tape-in-your-dorm-room/
http://onlineschool.net/2009/08/04/100-best-book-blogs-for-history-buffs/

それで、お受けすることにしました。

日本の衆院選のタイミングに合ったタイムリーなエッセイが届きました。 ‘New Party Could Mean Changes in Educational Testing’. (以下に全文のコピーを掲載しました。英語のみです。タイトル訳は’新政権の誕生により学力テストの変革にも可能性’。)

どのように思われますか?読んで、考えて、あなたも世界にコネクトしてください。

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New Party Could Mean Changes in Educational Testing

The Democratic Party of Japan has stated that if it wins the upcoming election it would make some changes to the current educational system. Announced Monday, the party would drastically scale back the national achievement examinations given to students in their sixth year of elementary school and third year of junior high.

It doesn’t all have to do with education, however, as the concerns are more budgetary than anything else. The party believes that by only have a few sample schools take the exams that the government could save nearly 4 billion Yen each year, a large sum considering current economic difficulties facing leaders.

The tests themselves would also be altered, focusing on a wider variety of subjects rather than just focusing on Japanese and Math. Students from a wider range of grades would also take part in the testing, showing the performance levels of students in more than the two grades currently tested.

The exam is far from being an academic tradition; it was only reinstated in 2007 after leaders felt there had been a marked decrease in the quality of education and the academic abilities of students. As of present, all public schools participate in the testing and over half of private schools submitted their students? results. New regulations would test only a few of these schools as a means to find a balance between the need to gauge academic performance and cut expenses from the budget.

The current ruling party, if it maintains power, has no plans to scale back the testing, citing that students are still having difficulties with the utilization of knowledge as tests from the past few years have shown little change in this respect. It is expected, however, that the DPJ will score a landslide victory in the election, almost guaranteeing changes to the current testing plan, for better or worse.

This year it was the students in Akita and Fukui prefectures who scored the best in exams taken this April. This is their third straight year at the top of the ranks. Overall, the percentage of correct answers rose significantly from last year, but many believe that this is because the overall difficulty of the test was decreased. Problems still remain as there is a large gap between the schools in the top and bottom prefectures, showing that some schools may need additional resources and help to bring their students up to the level of those in other public education systems.

This post was contributed by Donna Scott, who writes about the best online schools. She welcomes your feedback at DonnaScott9929 yahoo.com

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2009年9月

平成21年度 九州環境クラスター大学 オープニングセミナー
日程: 2009年9月1日(火) 14:00~16:30
場所: 長崎大学文教キャンパス「中部講堂」(長崎市文教町1-14)
演題: 「九州から世界に向けて~エコイノベーション思考法~」(仮)
<連絡先>
九州地域環境・リサイクル産業交流プラザ(K-RIP)事務局
担当:弟子丸(デシマル)、橋本
TEL:092-474-0042  FAX:092-472-6609
Mail:info@k-rip.gr.jp

Asia Innovation Forum 2009
「アジアのイノベーション:地球の限界 アジアの成長 日本の責任」

日程: 2009年9月15日(火) 17:15~18:30
※講演とGROUP20メンバーによるラウンドテーブル「日本の技術とアジアのオポチュニティ」に参加
場所: 六本木アカデミーヒルズ40
<連絡先>
■WEBからのお申し込み https://v.rentalserver.jp/aif21c.com/registration/ (8/31まで)
■フォーラムの内容についてのお問い合わせ 
クオンタムリープ株式会社 AIF担当 野村、永野
TEL:03-5224-6540  FAX:03-5224-6541
Mail:registration@aif21c.com
■参加手続き等に関するお問い合わせ
株式会社コンベックス AIF担当 大久保、児嶋
TEL:03-3589-4422  FAX:03-3589-3974
Mail:registration@aif21c.com

所 真理雄教授のコース、英語のメール

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8月24日のpostingでご紹介したSONY CSL所 真理雄さんですが、慶応大学の教授 (もともとそこからSONY CSLへ移ったのですが)もされていて、「イノベーション」のコースを理工系の大学院生を対象に提供しています。

お招きを受けて慶応大学の矢上キャンパスに講義に行きました。学生さん(修士課程、博士課程)は120 人ほどでしょうか、皆熱心で、質問の受け答えなどなど、大変に楽しい90分ほどを過ごしました。

終わりに、いつものことですが、Apple、iTune、iPod、iPhoneなどを作り出したSteve Jobs  の2005年のStanford大学での卒業式の14分のスピーチを見る、理解する、そして、私のサイトから、私にメールで、自分が何を感じたか、考えたか、を知らせるよう伝えました。

その日の夜には4つのメールが来ました。皆に返事を出しました。ところがそれ以後パッタリとメールが来ないのです。

3,4日待った後、ちっともメールが来ないので所さんに電話して、このことを話しました。所さんは「たぶん、黒川さんがそんなことを言っても学生さんは本気にしなかったのでしょうね」というので、「遠慮しないでメールをくれるように、と伝えてください」とお願いしました。数日たって、2日で50通ほどのメールがドドドッと来ました。いくつものメールは英語でした。

2晩ほどかけて、メールを読み、私のそれなりの返事を全員に送り、その旨を所さんにお伝えしました。一部のメールは面白いので所さんにもCCで送りました。半分徹夜の2晩でした。実にいろいろな意見、講義への反応など、とても私にもためになりますし、意見の交換は、また楽しいのです。

1週間ほどして一人の学生さんからメールで、「所先生からがおっしゃったのですが、黒川さんは全員のメールに返事した、ということですね。でも私は受け取っていません」とメールが来ました。あわてて調べてみると、確かにありましたね、返事をしてなかったのが1つだけ。結構の長さで、しっかりしたものでした。私の見過ごしを謝る事から始まる返事をしました。

ところで、いつものことですが、私のメールは殆ど英語です。日本語のメールにも英語で返事するのです。所さんが私を紹介するときに、「黒川さんのメールはいつも英語だよ」と紹介してくれたので、英語でトライした学生も結構多かったです。

ところで、私はなぜメールで英語を使うのか。決してキザでもなんでもないのです。主として4つの理由です。大体、私はblind touchではありませんし、タイプは早くないのです

1.日本語で返事を書くのは、文字変換等に時間がかかること。
2.単語、フレーズでも一つのキーの打ち間違えで、そこを全部やりなおしたり、時間がかかる。
3.英語だと、ちょっとしたスペルの間違いなどあっても、結構、意味が通じるので、キーの打ち間違いをそれほど気にしなくていい。
4.それから、これがもっとも大事なのですが、言葉は文化の背景がありますから、日本語だと、社会の地位などの「タテ」関係で、趣旨に入る前に、結構ながながと挨拶など、「ご無沙汰しておりますが、、、、」等々、かなり丁寧に書かなければならない、ということなのです。したがって、何が趣旨なのか時々よく分からないこともあります。英語では、それなりに丁寧な使い方もあるでしょうが、基本的に個人レベルの関係が「対等」ですから、ストレートに用件に入ってもあまり失礼にならないのでポイントがすぐに分かるのです。特に日本のようなタテ社会では、上下関係、師弟関係等もありますし、私と学生さんをはじめとして、私にしてみれば、私より若い人たちとの交流が大部分ですから、この方があちらも気を使わないでもいいと思うからです。でも、皆さん結構、英語で書くのが苦手のようですね。慣れてしまうことです。

メールに英語を使うと、スペル間違いなどあまり気にしないで、要点をすっきり書けるところに利点があるのです。そして、英語では表現がツイツイ直接的になりがちですね。これはそれなりに、注意する必要のあるときもあります。

天才・異才が飛び出すソニーの不思議な研究所

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これは最近の本のタイトルです。

著者は「所 真理雄、由利伸子」、本の帯(オビ)には「北野宏明  、茂木健一郎高安秀樹暦本純一 らを生んだ「夢のラボ」の秘密、ソニーコンピュータサイエンス研究所」とあります。ここにある「名前をどこかで聞いたことのあるのではないだろうか?」

「北野宏明は、、、ペット犬AIBOの生みの親の一人、、、生物学の新しい領域「システムバイオロジー」を切り拓き、その第一人者、、、茂木健一郎は、「クオリア」、「アハ体験」といった脳の働き、、、斬新な視点と鋭い考察が、もじゃもじゃの髪、おっとりとした童顔、、、出版、テレビ、ゲームと、メデイアの寵児、、、高安秀樹は、、、「フラクタル」はベストセラーに、、、「経済物理学」を起こし、現在この分野の研究は世界に広がっている。暦本純一は、、、実世界とネット世界を自然に融合させる技術を次々と開発し、、、この4人は皆同じ研究所の仲間で、、、(第1章から p. 11)」

これは「ソニーコンピュータサイエンス研究所(SONY CSL)」の生い立ちから今までの20年を、その創設からかかわり、天才、鬼才を輩出した所 真理雄さんを書いた物語です。所さんはご本人も「鬼才、変人」、だけど優れたマネジャー、素敵な方です。「変人」は子供のときからのようで、「トコロ・ヘンジン・マリオプス」といわれていたとか (第1章から p. 78)。

時代を変えるいくつもの新しい分野を開拓し、世界に新しいコンセプトを提示する、これだけの数の「変人」を輩出するこの研究所SONY CSLは、スタッフを入れても30数人という小さな組織。これら5人のほかにもユニークな人たちがいろいろ出ている。

所さん、北野さんとはこの数年いろいろとお付き合い (資料) があります。いつも楽しいけれど真面目な話ですが。お二人を含めて、素晴らしい可能性を持った若者がたくさんいること、それを伸ばす「場」の設定が大事であること、事の本質を見つけ、本物の価値創造と発見の楽しさと厳しさを感じ取ることができる等々、物語が素晴らしく、とても素敵な本です。所さんの科学への哲学とマネージメントの優れているところでしょう。共著の由利さんの物語りと物書きぶり手腕はたいしたものです。

本の章立ては;
1. 一日で書き上げたドラフトから始まった
2. コンピュータサイエンスの最前線をいく
3. 研究マネージメントの真髄とは
4. コンピュータサイエンスからの脱却
5. より広く、より深く
6. 私にとってのソニーCSL
7. 科学の未来とソニーCSL

2章; 「所はいう。「僕の仕事は二つしかない。一つは研究所の向かう方向を決めること。もう一つは人材のマネージメント。ここに合う人を採ること、ここを卒業する人の手助けをすること、そしてここに合わない人には辞めてもらうこと」。」(p.62)

3章; 「何もまして評価されるのは、新しい学術分野を作ること、新しい文化を作ること。これができれば、ソニーのブランド価値を飛躍的に向上させることはもちろんのこと、人類への貢献という意味でも計り知れない」。(p.75)

「所真理雄のマネージメントは「日本標準」からはっきり外れていた、、、「なんと無茶な」と言われることがしばしば、、、だが、「その無茶も長年蓄積してくると黒光りしている、まったくユニークな研究所に仕上げたものだ。こんなことは民間だからできた?いや民間じゃ無理だ、よくやった」。」

「所の素直さ、ストレートさについては定評がある、、、担当した編集者、、にも、「所さんは直球一本」といわれたという。」

4-6章では、所さんと北野さんをはじめとする研究者とのいきさつ、出会い、考え方等々、実に興味深い。皆さん事の本質を見ている。若い研究者、いや研究者でなくともそれぞれの「生き様」の問題として、ぜひ皆さんにもこの本を読んで欲しいところだ。

北野さんは言う、「一見かけ離れた分野間のシナジーは、各々の分野の根幹の概念を理解しないと進まない。しかし、その幅広さが、新しい領域や深い自然理解へと達する唯一の方法だと着たのは思っている、、、「コンピュータの発達で、多くの要素の係わり合いからなる複雑なシステムをいろいろと扱えるようになった。その結果、情報科学、バイオ、社会学、経済学といった分野の壁を越え、横に貫くような視点や方法論が浮かび上がってきて、新しい学問体系が開けつつある」という北野の言葉が、この後に続く七人(脚注1)の研究から実感されるだろう。」(p.119-120)

脚注1; 暦本純一Luc Steels高安秀樹茂木健一郎桜田一洋Franc NielsenFrancois Pachet

陰で支えるスタッフの2人の女性の意見として、「研究員の発表には参加している、、、発想の仕方や着眼点に、すごいと思うことがたびたびある」、「研究者の言葉の端々から、、、刺激を受ける」、「研究員たちは、皆、穏やかで優しい、、、会社や日常の常識にとらわれない面は多々あるが、研究以外のことに対しては本質的にやさしい」と。(p.226-227)

所さんの哲学には、可能性をもつとんでもない「変人」を見つけ、思い切って伸ばしてみる「場」を造ることにあると思う。これは所さんが、若いとき英米でもいくつかの研究所ですごし、一流の人たちの中にいたことにも関係しているように思える。だからこそ、この研究所SONY CSLは「、、、フレッシュPhD、、、新米の研究者でも自分と同等だとして扱い、フェアでオープンだが、手加減もしない、、、こういう雰囲気は、、、一切のごまかしや、なあなあの無い、非常にピュアな精神の表れでもある、、、」、「、、どんな権威のある先生の前でも、その先生に何を言われようとも、ソニーCSLのメンバーは怯まない」といわせる。(p.216-217)

7章で、所さんはこれからの課題へのあり方として「オープンシステムサイエンス」 を考え、今年初めに同じタイトルの本 を20周年記念として出版している。

とにかく、研究に興味がある、何か面白いことに興味がある方たち、そして学生、大学院などの若者たちには、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

そして、私がこのサイトでも繰り返し指摘(このサイトで「変人」「出る杭」「常識」「非常識」などで「Search」してください)していることですが、時代の「変人」、「出る杭」、「非常識」こそ、フロンテイアを開拓し、新しい価値を創造し、世界を変えるのです。この本で紹介される何人もの研究者の物語からも、このことを改めて確信しました。

沖縄へ、アジア青年の家、インフルエンザ、そして沖縄科学技術大学院

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8月20日、沖縄に来ました。

去年に始まった「アジア青年の家」(資料1)へ参加です。去年も報告しましたが、アジアと日本の若者たちが、沖縄で約3週間、一緒に過ごそうという計画です。今年の参加者は海外から35人(15カ国)、日本は42人(そのうち沖縄から14人)です。15、16歳が中心です。こういう交流プログラムをもっともっと広げて欲しいです。若いときの同世代との交流の実体験こそが、未来への広い視野をつくり、友人の輪を広げる。特にグロ-バル時代には、人材育成への大事な要件 (資料1)という認識で世界も動いています。

去年、Tutorとして参加してくれたアジア太平洋大学の学生も6人が参加、また琉球大学、沖縄大学の学生さんも参加してくれました。

ところが、沖縄はインフルエンザが急増し、3人の死亡者が出たところでしたので、現地についてみると、はたして発熱で休んでいる参加者もいました。「グローバル時代とイノベーション」が私のテーマでした。今年のプログラムには「水」をテーマにしたセッションが複数あり、参加者たちがグループ別に「水」問題についてそれぞれが違った視点で議論したようです。そこで、まず各グループが「水」についてどんなテーマを取り上げたのかを聞き、「水」を中心に対話形式で討論しました。

皆さん、元気でいいですね、楽しいです。全体のプログラムも盛りだくさんで、セミナー、島への移動、シュノーケリング、ホームステイ等など、もう少しゆとりがあったほうがいいようです。この年頃の若者たちの面倒を見るのは大変でしょうけどね。

去年参加のAPUのAnanda Ivannanto君、(彼は発熱で、私のセミナーには参加できず、残念)などの大学生たちが、自主的にウェッブサイトやFaceBookなどのNetworkを作成したりしているので、このような活動をさらに広げるよう応援したいです。

去年も報告しましたが、日本の参加者は男子生徒と女子生徒 の比が、またまた「1:2」でした。男子生徒の参加希望者が少ないのです。なぜでしょうね。

翌日は、沖縄科学技術研究大学の建築現場へ行きました。立派な建物が立ち上がりつつあり、これからが楽しみです、勿論いろいろ難題はあるでしょうけど。