ダボス -2

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 ダボス会議(World Economic Forum; WEF)には世界の各界のいろいろな方が集まります。この辺鄙な狭い町にこれだけの人たちが一時的にでも集まってくるのですから、その機会をつかまえて多くの政治や、ビジネスの裏の段取りがたくさんできるという利点は、関係者にとってはとても大きいのです。NHK飯田さんのニュース・インタビュー1)もダボスだからこそできるのです。飯田さん他の勉強も大変なものですが、出発前の、そして現地でのアポ入れ、時間や場所の確保、追っかけたり、裏方の苦労も並大抵ではありません。

ビジネスでも1社からトップ1人しか(秘書さんなどの同行の人も原則ナシ)会場には入れてくれないルールですから、会場ではなくホテルなどで次々といろいろな会合がセットされます。

25日(金)は朝食時間に日本と中国の方たち20人ほどで意見交換、政治家がおられなかったので忌憚のない意見が交わせるのが良いところです。そのあとでGlobal Agenda Councilの日本、中国、韓国の3つのChair(中国はChairの代理でした)で1時間ほど意見交換しました。

午後には、恒例ですが世界の化学企業の代表の方たちの会議に参加させていただき、いろいろ勉強できます。日本からは三菱化学、住友化学、テイジンなどが常連ですがすそ野が広がりつつあるので従来の化学からバイオにも話題が広がりつつあります。

27日(土)は、朝から「The Japan Growth Context」(1)。元英国駐日大使だったSir David Wrightさんの司会で経済産業省茂木大臣(茂木大臣も後で会場の中を一人で動いておられたとか聞きましたが…)、タケダの長谷川さん、三菱化学の小林さん、竹中平蔵さん、そして私、というパネルです。NHKのニュース報道のように安倍内閣への期待は大きいのですが、経済成長はどうするのか、がポイントですね。会場に来られたのは100人ほどでしょうか、80%ほどが日本の方ですが、いくつかの良い質問が出ました。私はといえば、ちょっと福島事故調の意味、あとは女性社会進出(WEForum2012の報告では日本は134か国のうち102位です)の遅れ、なんといっても多くの日本人の頭の中が鎖国状態ではないのかということです。いつも言っていることですが。

そこから米国の外交戦略のprivateな会へ。その後、あまりの天気の良さに誘われ、Parsenn のWeissfluhjochまでケーブルで上がってきました。みなさんスキーですね。しばらく休んで、下界へ降り、また会議場へと戻りました。

夜は、ソワレ。トマス・マンの「魔の山(Magic Mountain)」の舞台のサナトリウム変じて高級ホテル、Schatzalpへと登山電車で登ります。

Harvard Business Schoolの竹内教授ご夫妻とご一緒でしたが、Catastrophic Risksの司会をされたUniv Penn Wharton
SchoolのM. Useem教授が私をいろいろな方に紹介して下さるので、とても楽しい時間を過ごすことができました。

翌日は早起きして、バスでZurichへ、しかし2時間おくれて出発。翌日の午後3時ごろ成田につきました。