ダボス -1

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第1日(1月23日); 先週の終わりに風邪気味で、去年に続いて(国会事故調でそれどころではなかったので…)今年もダボス会議も失礼しようと考えていたのです。ところが、土曜日のパネルに出ることになり、躊躇していたのですが、23日木曜の午前のパネルにも出席を、ということになりました。しかし、フライトが問題ですね。幸いなことに水曜朝のスイス航空の直行便に空きがあったので、出かけることになりました。

Zurich空港に到着、常連の緒方貞子さん他、何人かのダボス会議に参加される方にお会いしました。ダボスには夜6時ごろ到着、登録を済ませホテルへ。何人かの友人とお会いしましたが、後はよく寝ました。

第2日(1月24日); 朝から会場へ。いろいろ多すぎて迷うのですが、9時から「Fostering Entrepreneurial Innovation」へ。ちょっと勉強したいこともあったのです。Clayton Christensenが出るのもその理由の一つでした。この3年ほどでしょうか、3つの大病をしているので心配していたのですが、一見してお元気そうで、言葉にも問題がなくて本当に良かったです。終わってから、彼の病気のこと、彼の最近の本「How will you measure your life」(日本語は「イノベーション・オブ・ライフ」という変な訳ですね…)は本当に素晴らしい本であり、若い人に勧めているという話をしました。2月にBostonに行くことを伝えると、ちょっとでも良いからぜひ会いに来てほしいということになりました。

その後は私も出るパネル「Catastrophic Risks in the 21st Century」へ。パネルのひとりJudith RodinIvy Leagueの大学で初めて女性で学長になった方です。前からお会いしたかった方ですが、私のPennsylvania大学時代の友人が何人もいて、パネル開始前ですが話が弾みました。パネリストのみなさんには「国会事故調」の英語のExecutive Summaryをお渡ししました。皆の評判の良かったDavid Cameronの講演には出れませんでしたが、いずれウェブで見ることができるかと思います。

午後はBBCの放送なのですが、Nik Gawingの司会で「Is Democracy Winning?」とても難しいテーマですが、4人のパネリスト、会場の質疑、あらかじめ指名していた何人かの人のコメントなど、とても素晴らしいものでした。このような議論は、日本ではとてもできないだろうな、と感じました。

今日の夜は恒例の「Japan Night」で、大勢の方がこられました。私は最初だけで抜け出し、韓国と、Indonesiaのレセプションへ行ってきました。色々な方たちにお会いし、そこからまたJapan Nightに帰りましたが、日本人が少なくなる中で、お客さんの方が圧倒的に多い状況でした。韓国、Indonesiaに比べても2倍以上の大勢の方たちで、もっぱらお酒とか食事ですね。あちらはエンターテインメントもありましたが。これでやはり日本は「ソフトパワー」だ、などと勘違いする人がいるようでは困るのですけどね。

いろいろダボスのサイト<http://www.weforum.org/>を訪ねてみてください。

 

2013年3月

Moving Forward: Life after the Great East Japan Earthquake
  -Global Agenda in Post Fukushima & Reconstruction Efforts of Japanese Architects
"Global Agenda in Post Fukushima"
日時:  2013年3月22日(金)14:30-15:30
場所:  Royce Hall 306, UCLA, California
お申し込みはこちら

 

社団法人新宿区医師会 第30回文化講演会
「医療のゆくえ、「課題先進国」?」
日時: 2013年3月9日(土)14:00-15:30
場所: 損保ジャパン本社ビル 2階 大講堂
       (東京都新宿区西新宿1-26-1)
主催: 社団法人新宿区医師会 TEL:03-3208-2301
*事前登録不要、入場無料

 

IMPACT Fellows プログラム キックオフイベント
日時: 2013年3月14日(木)19:00-22:00 
          (18:30 受付開始、ネットワーキング・ディナー含む)
場所: サントリホール(東京都港区赤坂1-13-1)
申し込みはこちらから
お問合せ先はこちらから

 

5th GOLD SYMPOSIUM
“Reflect, Renew and Reinvent: Driving Innovation through Inclusion”
日時: 2013年3月22日(金)8:30-18:00
           *16:15-16:45 Closing General Sessionにて講演
場所: インターコンチネンタルホテル ロサンゼルス(カリフォルニア州、USA)
                                   2151 Avenue of the Stars, Los Angeles, California 90067
連絡先 e-mail: 2013GOLDsymposium@goldleaders.org
詳細はこちら

2013年2月

Risk Management のセミナーのご案内
"International Conference  Crisis Management in the 21st Century: Beyond the Fukushima Tragedy"
日時: 2月19日(火)13:30-17:20
場所: 政策研究大学院大学 想海楼ホール
事前登録・連絡先: secretariat@grips.ac.jp  

 

パリ OECDで講演のお知らせ
Growth, Innovation And Competitiveness: Maximising The Benefits Of Knowledge-Based Capital
  *Panel Discussion:"What Should Governments Do-Where are the Low-Hanging Fruits?"に参加
日時: 2013年2月13日(水)10:00-11:15
場所: パリ OECD カンファレンスセンター
連絡先e-mail: kbc@oecd.org

 

Stanford Universityで講演のお知らせ
"Uncertain Times Ahead: Changing Principles for Scientists to Address Global Agendas"
日時: 2013年2月5日(火)12:00-13:15
場所: スタンフォード大学 エンシナホール  フィリピンカンファレンスルーム
      616 Serra St., 3rd floor  Stanford University  Stanford, CA 94305
連絡先はこちら
聴講希望の方はこちら
詳細はこちらから

大学改革は待ったなし、日経シリーズ

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大学改革は遅々として進みません。東大の秋卒発表はメディアも大きく取り上げ、一歩踏み出していますが、社会の受け皿とか、とにかく各論に入って、できない理由ばかり取り上げるのですね。

今やトップの大学は教育にも、研究にも「多様性とグローバルに開かれた大学」でなければ意味がないでしょう。

最近の日経新聞が朝刊の一面で大学改革シリーズを出していますが、これに同時並行でウェブでのシリーズも出ています。

私もこのシリーズでインタビューを受けましたが、小泉総理のころから主張していた「大学の大相撲化」(1)(こちらからこの日経シリーズがいろいろ読めます)というキーワードでまとめられています。このブログで「大学改革」「大相撲化」などで検索すると多くの記事を見ることができるでしょう。

相変わらず「知の鎖国」(12)なのです。

日本社会は日本の大学教育を本気で心配しているのでしょう。しかし、社会のほうも大学で評価し、学生本人を見る目がなったのでしょう。双方が適当だったのですね。それは所詮、過去の枠組みの中の日本だったからなのです。

国の根幹は人づくりです。どんな人を育てるのか、この先の見えない世界で、各界の「リーダーは」日本をどこへ向けたいのでしょうか。

若者たちのせいにしてはいけません。「子供は社会を映す鏡」なのですから。

すぐにでもできることは学生さんたちの選択肢です、「休学のすすめ」(1)、「Gap Year」などでしょうか。

 

MIT Media Lab in Tokyo 2013

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去年も書きましたが、今年の1月もMIT Media Lab in Tokyoが2日間にわたって開催されました。私も第1日目の最後、Media Lab所長のJoi Itoさん、SONY前会長の出井さんと3人のパネルでした。

講演者14人のリストには、所長の伊藤さん、副所長の石井さんのほか(女性がいないのはちょっと問題でしたが-大反省材料です)、偶然ですが出井さんほかSONY関係者(茂木健一郎、北野宏明、遠藤 謙、笠原俊一)が目立ちました。6人がMIT Media LabとIDEOの海外からの参加でした。

第2日目はもっぱら「Unconference」でいろいろなパラレルセッションがありました。ここかしこに工夫が凝らされています。

なかなか楽しい2日間でした。参加者も多く、相互に創発されていたのではないでしょうか。

 

大雪の日、Norman Minetaさんと昼食、AGOSで世界を目指す若者たちと対話

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1月14日、朝から雪が降り始めました。

ちょうど来日されている日系アメリカ人のリーダーのおひとりNorman Minetaさんとの昼食へ。MinetaさんはSan Jose市長、下院議員、そしてBushとClinton両政権でSecretary(大臣)を務められた方です。10月にWashington DCの米国議会Capitol Hillでもお会いしました。最近逝去されたDaniel Inouye上院議員のことなどから始まり、いろいろな話題が出ました。

Inouye上院議員とは奥様のIrene Hiranoさんとご一緒に、去年5月に国会事故調でWashington DCを訪問した時にお食事をする機会がありました。日米関係にとってほんとうに大事な方がなくなられました。

Mineta氏との朝食のあと、先日ご案内した留学支援プログラムAGOSで若い人たちとお話をする機会へ向かいましたが、とんでもない大雪が降り続き、なかなかタクシーもつかまらず、30分も遅れて到着。この雪で、参加予定の方々もかなり来られなかったのではないかと思います。

この会には国内外の大学実地検分と動向などの報告でその活躍が広く知られている山内太地さんも来られました。

外へ出てみると見えてくる「自分」、という視点での「休学のすすめ」、「留学のすすめ」、「グローバル世界」、「広がるネットワーク」などについて、セッションは主として対話式で進みました。AGOSの横山さんの進行係で、みなさんにも喜んでいただけたようです。

若者たちが、世界を経験し、感じとり、自分を見つけ、「YOU」の目で自分を見る感性を獲得しながら、日本人であることをユニークな強みとして、一人ひとりが自分のキャリアを見つけてほしいと心からねがっています。

グローバル世界はとても広く、ユニークな自分への大きな機会があるのです。

 

私の考えをJapan Times、そして東京大学医学部同窓会新聞「鉄門だより」に

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今年になっても国会事故調についての取材がいろいろあります。海外ではこの報告書そのものばかりでなく、このプロセスへの評価は高いようですし、公開性、透明性、世界へ向けた意識、そしてわかりやすい英語での発信のインパクトも評価されています。

日本が変わることへの期待、安倍政権への期待、国会事故調の意味などが混ざっているのでしょう。

更に2月にはSan Francisco ? Stanford大学、Paris(OECD) – Boston(AAAS)、Rio de Janeiro(InterAcademy Panel)などへ、主としてこの関係でのパネル、表彰、講演などの出張が入っています。ちょっと忙しすぎますが、日本の広報だと考えています。

最近では「What Japan Needs to Do」という私を含めた5人のインタビュー記事がJapan Times、そして東京大学医学部同窓会新聞「鉄門だより」に「民主主義を本当に機能させること」という記事が出ています。

それなりの発信力ですね。 

 

Tokyo American Club; Distinguished Achievement Awardの受賞

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去年の12月にTokyo American Club(TAC)から「Distinguished Achievement Award」をくださるという連絡を受けました。そこで、私の紹介記事を「iNTOUCH」という毎月発行されるTACの会誌に紹介する、というのでインタビューを受けました。

時々はTACを訪ねますし何回か講演をする機会もありましたので、うれしいことでした。

さて1月号の「iNTOUCH」がでました。TACに行かれた方は私が表紙の「iNTOUCH」がたくさん置かれているのを、そしてタイトルは「The Protruding Nail」(PDF)と出ているのをご覧になったことでしょう。

私のインタビュー(PDF)では、私の米国での指導教授の最初の言葉に衝撃を受けたこと、その後のキャリアと生活、そして帰国後の活動、最近の福島事故調のことなどを書いてくれています。読んでいただければ嬉しいです。

確かに、私はかなり変わったキャリアですね。古い懐かしい写真も掲載されています。

 

福沢諭吉記念文明塾に参加する

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明治の新時代への転換期の日本で、福沢諭吉は先見性のある素晴らしいリーダーの一人でしょう。特に「独立自尊、官に頼らず」の精神と彼の生き方は、その時代を考えてもすごいことで、私の好きな福沢諭吉の真骨頂があると思います。

この福沢諭吉の精神は、今の世界でも普遍性の高い社会的価値の一つです。福沢諭吉のすごいところは、このような思想を実践していることにもあります。つまり口先だけではないのです。慶応義塾(人材育成)、交詢社(財界交流)、時事新報(メディア)、学士院(科学者)などを立ち上げるのです。また「学問のすゝめ」、「文明論之概略」をはじめとする深い洞察と先見性のある多くの著書のあることです。まさにスーパーマンです。

そんな理由かもしれませんが、なんとなく慶応義塾とのご縁がいろいろとできるのです。私のこのサイトで「慶応義塾」とか「福沢諭吉」とか「検索」すると、福沢諭吉のことがかなりの数で出てくると思います。

湘南キャンパスでも2010、2011年の秋セメスターで1コマ授業を持ったりしました。2010年にも、なんと「グローバルアジェンダと日本の危機管理」というテーマでも話しています。

数年前から、福沢文明塾というリーダー育成の企画が始まっています。講師も素晴らしい方がラインアップされています。私も4年ほど前に参加しましたが、去年の第8期の最後のセッションにも参加しました。

若者たちの将来のキャリアを自分なりに見つけるという趣旨のほかにも、今でも、いや今だからこそ福沢諭吉の精神が大事なのだという趣旨には大いに賛成です。

多くの元気な若者たちに会いました。

 

Nプログラム: グローバル時代の内科医たち

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新春早々に、米国で臨床研修を受け、米国の内科専門医の資格を持ち、その後さらに専門医の研修も受けている人たちの集まりがありました。20年前に始まった東京海上の支援で、西元先生が作り上げた「Nプログラム」といわれるもので、New York City (NYC)のBeth Israel Hospitalを中心に3年の内科(内科が中心ですが他にも小児科などにも行く人たちもいますが、、)の研修、その後は皆さんそれぞれ感染症、循環器、血液・腫瘍、腎臓等々のさらなる専門分野の研修へ進む人たちが多いようです。

写真はFBで http://www.facebook.com/harumi.gomi?fref=ts

多くの方たちは帰国し活躍していますが、一部の方はそのまま米国他で活躍しています。先日も紹介した私の後輩、Dr. 桑間もその一人で、NYCでクリニックを開設し、大学の教員として学生や研修医の指導にも大きな貢献しています。NYCでDr. 桑間のお世話になった方も多いはずです。

新春にこの様なキャリアを積んだドクターの集まりがありました。私はこの「Nプログラム」の始まる頃から、できる範囲で西元先生を支援していましたが、これまでに150人ほどの方たちが育っています。私の教えた学生さんたちも何人もいて、今回も久しぶりで、懐かしいひと時を過ごしました。また一人ひとりが、だんだんと周りの人たちへ良い影響を与えている、そして素敵なロールモデルになっています。世界のどこでも信頼される内科医の集まりだと思います。

その背景には米国の臨床研修が、他流試合の連続であり、先輩の受けてきた研修を、時代の変化に合わせながら、常にオープンで、自分たちの受けた良い臨床医を育てるという伝統が、一人ひとりの指導にかかわる医師たちに内在しているからと思います。このような教育の在り方は、それを受けた人でないとわからない、素晴らしい「何か」があるのだと思います。

その本質は質の良い研修、教育を受けた人たちにしかない、自分は後輩にそれを「お返しする」といったものでしょうか。これが教育の本質にある「良き伝統」というものです。

グローバル世界では、このような開かれた他流試合の連続で、良い伝統を引き継いで、3年の間に皆さんが、ある一定の共通点に達している、そのような「よい伝統」を先輩たちが、後輩たちに引き継いでいるのだと思います。ある意味で「Nプログラム卒」は「グローバル標準」、世界のどこでも通用する普遍性を持った内科医たちともいえるでしょう。

それがいまの世界なのです。