「出る杭」を伸ばす、「異質、異論、異端」の大事さ

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皆さんも気がついたかもしれませんが、日経新聞11月17日(土)の夕刊に清水正巳編集委員による「シニア記者がつくるこころのページ」(毎週土曜の夕刊に連載されるようです)に、私とのインタビュー記事が
「愚を繰り返すな日本、黒川 清さんに聞く」(PDF)というタイトルで掲載されました。清水さんとは科学技術担当論説委員のころからのお付き合いで、鋭い論説をしばしば書かれています。

記事の大きな見出しは「異質育て社会変えよ」というもので、小見出しに「若者よ「出る杭」に」というものですが、私がこのブログを含めて機会あるごとに、繰り返し主張している中心となるメッセージです。ここでも「異論、異質、異端」の大事さを説いているのです。

石倉洋子さんが、ご自身のブログでこの記事を取り上げて、20年ほど前に石倉さんが、大前研一さん、竹内弘高さんたちとの仕事で書いた「異質のマネジメント」の時から世界は大きく変わっているのに、日本はあまりにも変化していないと、「愕然というか、びっくりしてしまいました」と書いています。

「3.11」で見えた日本の「弱さ」を打破して、日本の将来を築き、前進させるのは若者たちです。「3.11」以後の日本を見ていても、政産官、学もメディアも、既存勢力は、またまた元へ戻りそうな危うさを感じます。世界は、私たちの経験したことのない、不安定で予測のつかない流れにどんどん変化しているのに、です。

この私のインタビュー記事をちょっと読んでいただけるとうれしいです。たくさんの方から、素敵な反応をいただいています。

1週間後の、11月24日(土)の同じ紙面に有馬利男さんのインタビュー記事が出ていますが、左横下に「こころ編集室から」という小さな囲み記事が出ていました。

そこには「政策研究大学院大学教授の黒川清さんが「若者よ、出る杭(くい)に」と勧めた17日付の記事が反響を呼んでいます。ある2児の母親は「息子たちがそうなってほしい」とスクラップしたそうです。「異論、異質、異端」にも寛容な社会作りは、次世代への私たちの責務でもあります。(幸)」、と記載されていました。

ちょっとうれしくなりました。清水さんありがとう。