「ボーダーを越える」、「美しい履歴書」を描く若者たち

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若者は内向き、というよりは日本社会そのものが、従来から内向きであったことは、このカラムでも繰り返し指摘しているところです。

「3.11」以来、そのことが世界に広く知れ渡りました。世界の識者もよく知っていた、感じていたことですけどね。ただ、この内向き社会の脆弱さが「3.11」で露呈したのです。

先日ご紹介した「輝く、「なでしこ」たち」 でも言っているように、日本の将来にとって、若者の育成と女性の活躍の場を広げることは、日本にとっての本当に大事な課題です。

そこでも紹介した「国際女性ビジネス会議」の「ボーダーを越える」の対談の後、石倉洋子さんのお手伝いをさせてもらった「Global Agenda Seminar GAS」資料1)の「生徒さん」達主催の同窓会に参加しました。

皆さんの5人ほどが自分の企画とその進捗状況などを、がんばって英語で発表。なかなかよかったです。その後で、ずいぶん皆さん変わりましたね。かなりの人たちが、現在の職を変えることも含めて、自分たちのキャリアを真剣に考えているようでした。

この同窓会全体の最後の「まとめ」で、石倉さん自身が、この4月に慶応大学に移ってからの苦労と、そこからの新しいエネルギーと発想の展開と元気さには、皆さん圧倒されそうでした。やはり環境を変えると、とても苦労するとは思いますが、新しい展開と自分自身の可能性が開けてくることを実感します。私も日米での長いキャリアで同じところにいたのは最高でも8年でしたから、状況変化への対応の苦労と、乗り越えるプロセスとそのあとの得がたい体験が、どれだけ自分にとって大事だったのか、その広がりの大きさは経験した人でないと理解できない。

セッションが終わって、皆さんと2次会に。私もお付き合いしましたが、ほかにも転職を決めている人の話を聞きました。

翌週にはGlobal Health人材育成講座「グローバルヘルスサマープログラム2011」 で講演。20人ほどですがとても熱心な方達の集まりで、ここでも、「世界的課題へのキャリア」を作ろうとしている人たちが多く、とても楽しい時間をすごしました。

このような若者が一人でも多く世界を実体験し、現場での課題を感じ取り、困難に戸惑いながらチャレンジし、次へと選択肢を広げつつ、さらに成長していって欲しいのです。きっと、世界に通用する人たちになることでしょう。

若者たちがグローバル世界での将来の日本を描いていく。それは多くの若者が「美しい履歴書」を書いていくことです。