Harvard大学生たちによる「This is Liberal Arts: Summer Course2011」のご案内

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日本からの米国有力大学への留学生が減っている」 (資料1)ずいぶん騒がれています。これは事実ですが、問題は「最近の若者は外へ出たがらない」から、というのは間違いです。見当違いです。

これについては、私も何回か指摘 (資料1)し、その理由も説明しているところです。また別の機会にも議論しましょう。

私が機会あるたびに海外で活動している若者達と積極的に交流していることはこのサイトからもご存知かと思います。Bostonあたりでは、主にHarvardやMITで勉強したり、研究をしている若者達とやり取りしていることもご存知と思います。

そのようなご縁で、去年Harvard Collegeの2年生の小林亮介くんが、リベラルアーツ教育がとても大事だ、これを日本の高校生に感じとって欲しい、と熱心に議論していることからこのコースの計画が始まりました。

メールや彼が帰国したときに会ったりして、具体的に実現していく方策を議論していましたが、いよいよ今年の夏、8月の終わりの1週間(20日ー27日)に実験的コース「This is Liberal Arts: Summer School 2011」を開催します。

主催は私たちが去年から始めた「Impact Japan」。いろいろな方達の応援、支援を受けながら、Harvard学部生25名ほど、日本の大学生が30人ほどで、対象は高校生80名ほどでの「合宿Summer Camp」です。これらのリンク を見てください。

やる気あふれる高校生の参加を募っています。

場所は私の所属しているGRIPS他の六本木付近を中心に開催する予定です。

なぜリベラルアーツなのか、これはどんなことなのか、色々と工夫が凝らされたカリキュラムを構築中です。

とても楽しみです。

 

NBRとのインタヴュー

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「3.11」東北大災害の地震・津波災害、さらにフクシマ事故への日本の対応についての私の意見がNBRに掲載されました。「Moving Forward: Relief Efforts, Health System Reforms, and Japan’s Role in Global Aid」というタイトルです

この中でも、日本の信用低下と風評被害を止めるためにも「独立した、国際的なタスクフォース」の設立を述べています。政治が、早急にアクションを起こすべきです。そして「失敗から学ぶ」、世界とその「教訓を共有しよう」という姿勢こそが大事なのです。

皆さまはこのインターヴューから、何を、どのように感じ取られたでしょうか?

何人か、私の友人のインタビュー (資料1)も掲載されています。素晴らしいことです。日本からの少なくとも英語での対外発信があまりにも少ない、だから何が起こっているのかがわからない、不安だ、というのが一般的な世界の反応ですから。

新しい色々な発信ツールがあります。twitterも半分で良いので英語で出してみましょう。

 

石倉洋子さんとの対談へのお誘い

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第16回「国際女性会議」が「ボーダーを越える発想・行動~つながる~」 というテーマで、7月23日(土)、東京のお台場の「ホテル グランパシフィック」で開催されます。

佐々木かおりさん率いる「イーウーマン」の企画です。節電を考え、朝早くの7時開場、8時開始です。昼はネットワーキングランチ、そして午後2時に終了です。

プログラムなどを見てください。なかなか刺激的ですね。私は石倉洋子さんと「ボーダーを越える発想」というタイトルで対談します。最近、またまた若者にこれからのキャリアを考えてもらう「グローバルキャリア」 を出版し、また4月から慶応義塾へ仕事場を変えて新しいチャレンジに向かっている石倉さんとの会話を楽しみにしています。

参加は女性に限っているようではないようですし、また日英語の同時通訳もあります。皆さんにもお会いできるとうれしいです。

申し込みは、会議サイトから。ちょっと参加費が高めでしょうか?

 

グローバル時代の人材育成の必要条件: 「外」へ出る実体験の大事さ

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私がこのサイトでも、またいろいろなところで繰り返し主張していることに「若者を外へ出そう」という命題があります。世界の「フラット」化が進む中で、実体験を通して「外から見た日本」を直感的に感じ取れる人を多く持つことはとても大事なことです。

つまり、「日本から見る、感じるグローバル世界」ではなく、「グローバル世界から見る、感じる日本」を直感的に感じ取る力のある人たちです。

若いときの友人のネットワーク、人脈はとても大事な財産であり、若いときの海外体験で得られる人のつながりは、これからの時代ではグローバルな価値を持つ財産になります。そのような人材をどれだけ持っているのか、これは国力の基本です。

それには、若いときに「独立した個人」の資格で、海外生活を体験することが大事なのです。企業とか組織からの出向や留学での海外生活体験は、特に従来の日本社会では、終身雇用が常識と感じていたわけですから、長期の海外体験であっても、多くの場合、所詮は「日本の組織の中」からの日本を見ていたのです。

反論する方も多いかもしれませんが、ご自分の体験からも、「もし」日本の組織から離れて「個人」として留学をしたり、仕事に行くとしたらと想像しただけで、かなり違う感覚を覚えるでしょうし、生活の計画にしても、もっと違った覚悟で臨むに違いありません。

大学卒業、就職、同じ組織の中で基本的に年功序列の単線路線、これが日本の多くの人にとっての常識だったのです。

だからこそ、私や多くの同じような体験をして来た方たち、例えば石倉洋子さん 資料1)ですが、まだ高校生、大学生のうちに、留学でも良いし、休学でもいいので、海外の生活を体験することをすすめているのです。日本社会は「ギャップイヤー」などと言っていても掛け声ばかりで、社会一般には、大学などを卒業して2-3年たった人たちを普通に採用するほどの対応、変革はしていないのです。

最近、教育系の方たちに広く読まれる「IDE」に「医療系人材育成の革新- 社会制度と人材のイノベーション」、また化学系の大学や企業人に広く読まれる「化学と工業」に「若者は外で出せ: 国際交流がなぜ大事か」という寄稿文を書きました。

私の意見に皆が賛成するわけではないでしょうが、まず「出来ない理由」を言うような人は、日本の将来を担う若い人たちにとって迷惑な話です。これらの実体験は、若者の選択なのであり、それをサポートすることこそが大人たちのすべきことと思います。

しかし、このサイトでも再三指摘資料1,, )していますが、「3.11」によって従来型の日本社会の構造的弱点が、一気に浮き彫り にされたのです。

一人でも多くのグローバル世界「志向」をもつ人材の育成こそが、基本的には日本の将来への唯一の道だと思います。

野中郁次郎先生との対話へのお誘い

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University of California (UC) はCalifornia州の10箇所にキャンパスを持つ米国西海岸、いや米国でも屈指の名門大学です。特にこの中でもBerkeley校とLos Angeles校は日本の同窓生も一番多いキャンパスです。

UCLA日本同窓会とUCバークレー日本同窓会・共同幹事による「震災後の日本のイノベーションはどうあるべきか」という「野中郁次郎先生とわたしの対談」に参加しませんか? 7月1日、6:30pmから「東京21c Club」です。

UC同窓会員である必要はありません。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています、
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● 第4回 「Berkeley知の広場」   
震災後の日本のイノベーションはどうあるべきか
対談:
UCバークレー日本同窓会長  野中郁次郎
UCLA日本同窓会長       黒川 清
■ 日時: 2011年7月1日(金曜日) 6:30PM~9:30PM
■ 場所:東京21c Club (新丸ビル10F)
      http://www.tokyo21c-club.com/open/info/access.html
■ 参加費: UCB・UCLA会員 3,000円 (食事付き・飲み物なし)        
UCB・UCLA会員以外 4,000円 (食事付き・飲み物なし)        
セミナー後、野中先生・黒川先生も参加の懇親会有り        
(飲み物は、キャッシュ・オン・デリバリー)
■ スピーチは原則日本語。英語でのパワー・ポイント表示(英語での質問ももちろん可)
■ RSVP(お申し込み締め切り):6月28日までに下記登録フォームにご登録ださい。
http://tinyurl.com/ucevent0701  

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企画の趣旨は以下です。
● 第4回「Berkeley知の広場」をUCLAとBerkeley同窓会の共催でおこないます。
● 私たちは現在、片やUCLAのProfessor of Medicineの経歴の黒川清先生、他方バークレーの Fuji-Xerox Professor of Knowledgeの野中郁次郎に同窓会の会長をお願いしていますが、お二人はともに世界的にも名の知られたイノベーション論の大家です。
● 一方が国家予算を使った科学技術の政策策定に深く関与すれば、他方はR&Dの大宗を握る企業のイノベーションに鋭い目を向けて暗黙知・形式知のスパイラルからなるSECI理論で広く知られています。
● イノベーションなくして震災後の日本の再建はありません。そこで同窓会の事務局は、そうしたお二人に大震災後の日本のイノベーションのあり方について語っていただこうと「Berkeley知の広場」の拡大版を企画しました。
● お二人はすでに現場力の凄さと、リーダーのあり方に問題があることをメディアでも指摘しています。知識社会におけるリーダーシップのあり方では、野中さんのフロネシスというキーワード、黒川さんの「出る杭」は、福島原発の事故をもってより妥当するように見えます。
● お二人には射程を短くした議論もして頂く予定です。会の進め方としては、最初に野中・黒川さんにそれぞれ30分程度、問題提起的なお話をいただき、それぞれがコメントし、さらに参加の皆さんと議論を深めていく形を採りたいと思います(ですが、議論好きの黒川先生ですから、いきなり議論へと展開するかもしれません)。
● 使用言語は日本語です(ですが、参加者の介入によっては英語のモードに変わることもあるかも知れません、、)。
● このセミナーの後には立食ですが食事の用意をし、出席者の懇談ができる時間を設けています。ただし飲み物の代金は含まれていないので、キャッシュアンドキャリーでお願いします。
● セミナーの純益は全額東日本大震災の被災者の義援金に当てられます。

 

新しいフロンテイアを拓く「異端児」たち

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17日の朝早く、Kuala Lumpur(KL)から成田空港着。

16、17日はOkinawa Institute of Science and Technology (OIST) 新しい大学院大学への最終段階に入り、理事会が開催されました。KLからTeleconferenceの接続具合が悪くて、ほとんど参加できませんでした。17日午前の最後のセッションに、東京からちょっとだけ参加できましたが、ここでも接続の具合があまりよくなくて、残念でした。

これは新しい時代を先取りする世界の研究機構になれる可能性が大きい、日本にとって「異端」でしょうけど、これからの日本にはとても大事な計画です。なんとしても、支援しなくてはいけません。

午後はKavli財団CEOのDr Robert W Conn、東京大学IPMU(本当の意味でのグローバルな研究所です、、)所長の村山 斉(ヒトシ)さん他との懇談です。村山さんは本当の意味での数少ないグローバルな研究者資料1)です。この機構を数年間で、とてもユニークで、世界に広く知られる素晴らしいものに育て上げました。これは世界でかなり認められていることです。村山さんにはTEDxTokyo2010でも話をしてもらいました

Kelviさんも、Connさんも「異端児」なのです。ちょうど10日前にWhite HouseでObama大統領 と会っていたばかりです。

Connさんは私のblogなどを読んでいて、UCLAでもちょっと重複していた、ということでたちまち意気投合して話が盛り上がりました。世界の主要大学の研究所を支援する、また宇宙、ナノ科学、脳研究を支援するKelvi財団のミッションなど、いろいろお話をうかがうことが出来ました。ぜひ、日本との関係構築の役に立てるといいな、と考えています。

その後、先日ご紹介したMIT Mediaラボ所長に就任した伊藤ジョイさんと、村山さんもある意味では「似たもの同士」ですのでご紹介し、しばらく楽しい懇談の時間をすごしました。

Media Labにも日本からの院生などをもっともっと行かせたいです。

村山さんも伊藤さんも、日本では「異端児」です。このような「異端児」をもっともっと増やすことこそが日本の活性化に必須の課題です。

 

2011年7月

「第16回 国際女性ビジネス会議」
  「ボーダーを越えた発想・行動 ~つながる~
        Acting and connecting beyond borders」

日時: 7月23日(土)9:20~9:50
      *慶應義塾大学大学院/石倉洋子先生とのスペシャルトーク(対談)
           「ボーダーを超える発想(仮題)」
      *上記以外に10:50-12:10の分科会に講師として予定
場所: ホテル グランパシフィック LE DAIBA
お問い合わせ: 株式会社イー・ウーマン内 国際女性ビジネス会議担当:山田
           TEL:                 03-5766-7800                                        
                        e-mail: 16th_conf@ewoman.co.jp     
                        参加申し込みはこちら

 

第4回 「Berkeley知の広場」   
震災後の日本のイノベーションはどうあるべきか
     対談:UCバークレー日本同窓会長  野中郁次郎
             UCLA日本同窓会長       黒川 清
日時: 2011年7月1日(金曜日) 6:30PM~9:30PM
場所:  東京21c Club (新丸ビル10F)
参加費: UCB・UCLA会員 3,000円 (食事付き・飲み物なし)        
              UCB・UCLA会員以外 4,000円 (食事付き・飲み物なし)

 ●セミナー後、野中先生・黒川先生も参加の懇親会有り        
                                  (飲み物は、キャッシュ・オン・デリバリー)
 ●スピーチは原則日本語。英語でのパワー・ポイント表示(英語での質問ももちろん可)
RSVP(お申し込み締め切り):6月28日までに登録フォームにご登録ださい。
 

                

Kuala Lumpur -Pacific Science Congress

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 8年前に推挙されて太平洋科学連合Pacific Science Association (PSA)のPresidentを勤め、2007年に沖縄で本会議 Pacific Science Congress (資料1) を、そして2009年にはTahitiで中間会議資料1)を開催させていただきました。これらについてはこのサイトでもご紹介したところです。

日本学術会議にも委員会があり、また国際科学連合(ICSU)にも所属しています。また創立98年目という、歴史ある学会なのです。

今年は、6月14-17日にわたってKuala Lumpur (KL)で本会議が開催され、私も役員(Immediate Past President) ですし、またKeynote講演者の1人にも推薦していただきました。13日からKLへ来ました。

さすがにKeynote Lectureは素晴らしいものが多くて、楽しめます。また、いくつかのセッションも多彩な発表もあり、多くの友人にも会うことが出来て、14-16日という素敵な3日を過ごすことが出来ました。

さすがに活気のある成長している国のエネルギー、また教育、科学技術イノベーション政策にも熱心です。政府の応援もあって多くの地元の研究者の参加もあってとても良い会議でした。

私のKeynoteは「Age of Uncertainty: Have We Become Wiser?」というタイトルで、出来るだけ刺激的に物語を進めました。勿論、今回の東日本津波への支援、またフクシマについて皆さんの懸念についてもはじめにコメントしました。

講演については、皆さん、とても面白かったといっていただき、いくつもの質問が出ました。翌日にはテレビで25分ほど、ライブのインタビューを受けました。長崎大学のGregさんがblogで、私のKeynoteで「会場のテンションが上がりました。」と書いて下さり、うれしいです。

日本学術会議のHatai Medal塚本教授資料1)が太平洋のウナギの生まれる場所と移動についての研究で受賞されました。奥様もご一緒でした。おめでとうございます。

Guam大学のDr Underwood学長 (左下の写真)は1993-2003下院議員を勤めた方です。広い太平洋の諸島群についての教育や医療問題など、また、米国との独特な関係など、なかなか面白い視点で議論しました。私にぜひGuamに、とお誘いを受けました。1年以内に行ってみたいと思います。多くの友人、また新しい友人や、若い研究者にお会いするのは学会の楽しさです。

With underwood Group photo 

 また、先日ご紹介したMalaysia首相直属のGlobal Science and Innovation Advisory Council (GSIAC) について、首相のChief Science AdvisorのZakri博士とそのスタッフとの1時間ほどの会議も設けていただけました。なかなかのメンバー であり、私もその一人であること、楽しみです。

次回の中間会議は2年後にUniversity of South Pacific (Fiji) で開催の予定です。皆さんも参加を計画してみませんか?

 

G1サミット: 私のパネルの記録

今年の2月ですが、G1サミット に参加し「科学技術政策」、「社会保障と経済成長の両立」2つのパネルで司会をしました。

これらのパネルの記録が出ましたので、紹介します。

「科学技術政策」 
「強い社会保障と経済成長の両立は可能か?」 

いかがでしょうか? パネルの時間がちょっと足りなかったですね。

 

情報の透明性は信用の基盤: 政治は何をしているのか

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フクシマ原発事故以来、このカラムで情報開示と透明性の担保が、政府にしろ、企業にしろ、信用の基盤であること、今回のフクシマではこれは特に初期に致命的に欠けていたことを指摘してきました。

この信頼の失墜が、世界に明らかになっているのがグローバル時代の怖さです。「風評被害」もここに根っこがあるのです。

そして、その対策として「この一手」 (資料1) として、「独立」した、「国際メンバー」により、「委員会Commission/Task Force」の立ち上げの重要性を指摘してきました。

一部の国会議員中にもこのような動きを認識しておられる方々も多い、あるいは増えているようです。

この大事なときに、国内では「コップの中の嵐」の政争の様相となり、世界からは日本は本当にだめなのだね、という認識が広がっているでしょう。

IAEAの視察団の報告も出ましたが、透明性と発表の遅れが、致命的であることを指摘しています。当然ですね。

このような日本のあり方は問題があるとして、国際的な場では以前から認識されていたようですが、さすがに国内問題との認識をしていたようです。

しかし、今回のフクシマの対応と原因調査で、これらの件が指摘されていたこと、その対応が不十分であったことが、少しずつではありますが、知れてきました。

最近では、以下のようなコメントが出ています。関係者の間では知られていたことなのでしょう。

1.「元IAEA事務局次長のコメント」

2. 「天野事務局長の信用問題」

3.日本政府の弱点の指摘 などです。

信用回復の「一手」を始めないと、何をしても、落ちた信用の回復には時間がかかるものです。