2011年2月

<日本経済研究センター・経済同友会共催シンポジウム>
「日本再生のビジョン-閉塞感打破に必要なことは-」
 日時: 2月4日(金)15:30~18:00
     (うち16:20~のパネルディスカッションに出席)  
場所: 都内ホテル(港区)
お申込方法:
  下記必要事項を明記の上、e-mailにてお申込みください(締切: 2/2(水)12:00)
  経済同友会・事務局(e-mail: kdnews@doyukai.or.jp
  ・件名:(2/4)「日本の再生ビジョン」シンポジウム 参加希望
  ・必要項目:(1)ご住所(市町村まで)、(2)ご芳名、(3)性別、(4)年齢(○代まで)、
                  (5)ご職業(会社員、政府・公的機関、NPO・NGO・非営利団体、学生、その他、など)
                                      ・参加いただける方には、参加登録書をお送りいたします。

ダボスから-3

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ダボス会議の状況はそのサイト  (いろいろなビデオはここ)でいろいろと見ることが出来ます。楽しんでください。

今日は11時過ぎから菅総理のスピーチがあります。スタッフの皆さんは大変でしょう。

私は、まずHarvard大学の「IdeasLab」に参加。Dr David Ellwood, Kennedy SchoolとDr Mohsen Mostafavi, Graduate School of Design と2人の学部長 (Business School DeanのDr Nohriaは参加できず)、GACの「Ageing Council」Chairの Dr David Bloom、司会はSingapore Management UniversityのAnnie Kohさん、という布陣です。「Breaking Education’s Boundaries」、いろいろ議論に参加して楽しい時間でした。

11時半過ぎから菅 総理のスピーチ。さすがにその前のパネルがFinancial Times、Martin Wolf 司会の「The Global Economic Outlook」 ですから、これが終わるとかなりの方々が退場し始めるのは致し方ないです。

菅 総理のスピーチはかなり良かったです。 内容もエジプトの騒動のことから始まり、話し方もなかなかでしたし、質疑への回答も良かったです。これはOn-lineで見ることも出来ます(英語も日本語も選べます)。スピーチの内容の課題をどこまで、いつから、どのように、はじめられるか、この戦略と決断しだいですね。

このスピーチの日本での報道の仕方には結構、課題があります。具体的にはどう書かれているのか、各新聞などの報道と、映像でじかに見る、聞ける時代ですから、スピーチを各自で比べてください。これが、ネット時代の怖いところです。総理のスピーチと日本のメデイアの皆さんの評価はどうでしょうか?

その後、直ちに総理を迎えての昼食会、カルロス・ゴーンさんの司会で、質疑応答もよくマネージできたと思います。

その後すぐに「Re-inventing Japan」(同じようなタイトルで何度もパネルがありましたがちっとも変わらないのは知られているのですけどね、、)のパネルで、総理の挨拶、海江田大臣、緒方貞子さん、三菱商事の小島会長、AflacのCharles Lakeさん、そこで司会はNY Timesの支局長もしていたKristofさんです。日本のメデイアの問題(「記者クラブ」など、ご存知ですね、、)は承知している方ですので、始めにちょっとチグハグがありました。勿論、Kristof側の問題ではないのですけど。

いくつかのセッションに出ましたが、アイデイアもいくつも出てくるし、素晴らしい人たちに会えますし、話も弾むし、新しい分野の新しい友人も出来るのは楽しいことです。いつか、何が起こるかもしれませんからね。Design、Arts and technology、Science frontierなど、グローバルな課題に対してかなり面白い展開が見えてきています。

夜のソワレは「‘Inclusive India!’」は元気いっぱいのショウもあり、人いきれで、早目に失礼しました。

しかし、今回のダボスでは、国際金融など、国と企業の役割にもひずみがあり、一時的には落ち着いているように感じられるが、この2,3年に大きな事が起こる可能性は高いのだと思います、あまり表立っては話題にはなっていませんが。ある有名な誰でも知っている経済ジャーナスリストとのまったく私的な場での会話でも同じ意見でした、EUにしてもこの20年の日本のようになる、これが懸念だ、という意見です。

グローバルに危機的状況を引き起こす状況がいくつもあるのです。チュニジア、エジプトがその1つの始まりかもしれません。

 

ダボスから -2

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ダボス、2日目も快晴。朝早くからGAC(Global Agenda Council)の「Japan」の朝食会。若い方達YGL(Young Global Leaders)の方々の参加もあるので、20人ほどですが、全員が日本の方ばかりで、日本語で議論が進みました。初めての方もおられるて、私が座長なので、このCouncilだけが全員日本語(ほとんど日本人ばかりと在日の米国の方たち)を話す方達ばかりで、このようなCouncil は唯一であることを、まず英語でお話しました。皆さんビックリしたかもしれませんが、Ice breakingでよかったです、とあとでいわれました。29日には総理もこられるので、もちろん話題の中心です。

午前は、いくつかのセッションに出た後、Indonesia のYudhoyono大統領とFrance のSarkozy大統領のスピーチ。Indonesiaは民主的に選出された大統領の下、地方分権、思い切った人材採用など、この数年8%の成長です。今年のASEANのホストでもあり、立派なスピーチでした。リーダーの立派な演説は、いつも心に響く ものです。

昼からは例年のことですが化学工業大企業のGovernors会議にゲストとして出席。例年のことですが、今年は、三菱化学の小林さん、テイジンの大八木さんなどが参加され、面白い議論が聞けました。私もShale Oil、「Global to Local」などについていくつかコメントさせてもらいました。企業トップとの話はこれもなかなか勉強になります。

夜は、Japan Night, Korea Night, Indonesia Nightとはしご。Indonesiaが会場としては1番良かったですが、10時すぎに伺ったので、人が少なめでちょっと残念。Japan Nightが一番盛況でした。これはプラス。

でもどうも国内ではS&Pの国の格付けで日本が「AAからAA-」へということで、ちょっとした騒ぎもあったようですね。これについては1年ほど前ですが、私のblogでもコメントしています。前回は、日本のメデイアではあまり取り上げられなかったようですが、今回はどうでしょう。総理のコメントもちょっと取り上げられていましたが、、、。

寝付かれないような気分で、眠ることに、、。

ダボスから -1

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25日の朝、成田からFrankfurt経由で、Zurichへ。夜遅く、ダボスに到着。

26日は朝からいろいろなセッションに出る。特にIdeasLabは面白いし、いろいろなインスピレーションを得られることが多いので、「Design for the New Reality」に参加。ここは、日本からの仲間では石倉洋子さん、西山浩平さん(「Product Design」のdiscussion leaderとして)、またHarvardのToshiko Mori教授が「Scarcity-driven design」。私はGACでこの数年「Innovation」で一緒に議論をしているAdam Blyのがとても面白かったので、この議論に参加。とても面白い、そして新しいドメインを開拓しつつあります。このように指摘レベルのきわめて高いプレゼンの議論に参加するのはとても楽しいです。

石倉さんのblogもたずねてください。

いくつかのセッションにも出ましたが、1日の最後はGACのデイナー。先日Dubaiであった方々が多いので、話は弾みましたが、ゲストはLawrence SummersAmy Chuaという「すごい」お2人。ここでリンクしたお2人のwikipediaを読んでみてください。Lawrence Summersは皆さんよくご存知でしょうが、現在Yale大学で法学を教える教授Amy Chuaは、特に今年の初めに出版した本が特に大きな話題になっている人で、議論が盛り上がりました。デイナーの後で、ちょっとの間でしたがお話できてうれしかったです。

この本は「Battle Hymn of the Tiger Mother」で、2人の娘の育て方を「Chinese mother」として、多いに問題提起の本になっていたのです。

以下に、子供には「してはいけない、許さない」ルールがあるのです。
? attend a sleepover
? have a playdate
? be in a school play
? complain about not being in a school play
? watch TV or play computer games
? choose their own extracurricular activities
? get any grade less than an A
? not be the No. 1 student in every subject except gym and drama
? play any instrument other than the piano or violin
? not play the piano or violin
このほかにもいくつか大事な原則があります。まだ、本は読んでいませんが、さすがというか、彼女によれば「20年前のJewish motherともいえる」ともいっていました。

いろいろ議論が盛りあがるのも無理もないですね。

 

Vabel Conference、パリパリのKimくん

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日曜日の午後、GRIPSで「Vabel Conference」が開催されました。先日紹介したパリパリの元気じるしKimくんの企画です。

学生さんたちが主要なお客さんでしたが、南篠さん、石倉さん、林さん、齋藤さん、わたし、茂木さんと、皆さん話もうまいし、若い人たちが大部分だったので、感動する、元気の出る話ばかりでした。このあたりは石倉洋子さんのblogによく書いてありますので、そちら資料1)をどうぞ。

皆さんプレゼンも英語、質問も答えも、全部英語。誰かがtwitter(#vabel)で「ほとんど全員が日本人なので、始めは変な感じだったけれど、なんだか慣れてしまった」、と発信していました。やはり雰囲気と、慣れることが大事ですね。

Kimくんは、自分でドンドン考え、この企画を進めていたので、いろいろうまくいかないところも多かったのですが、何とか無事に終わりました。案の定、Ustreamもあまりうまく行かず、ちょっと残念でした。私もGRIPSですから、ホスト側の裏方で、会議の計画、スピーカーへの連絡など、意見を言ったり、会場他の手配、設定とかしていたのですが、皆さんが楽しんでくれてよかったです。

GRIPSでの数人の「裏方さん」には本当にお世話になりました、ご苦労さま。無事終了、とても活気のある半日でした。

パリパリの説明はこの記事が楽しいので、紹介します。

 

慶応SFCのクラス; 最後の授業は最高のパネル

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私の慶応SFCのクラス、今学期最後の授業が終わりました。

最後の2回は、年末までに提出してもらったエッセイの相互評価(ピアレビュー)と、その結果発表とパネルです。

エッセイのテーマは「10年後自分の姿と、そのために2年後にしていること」。

ピアレビューの評点合計のトップ6人でパネル。クラス全体が素晴らしい人たちばかりですが、その中でも評価が高かっただけのことはあります。司会は第2回では話を聞かせてくれたWilliam齋藤さん資料1)。学生さんたちにそれぞれの生き方を示唆してくれた多くのゲストの方々の応援を受けてできたこのクラス。この最後の授業のパネルはこのコースで一番面白かったかもしれない、と思いました。何しろクラスもパネルも1-4年生の混成ですから「若いのにすごい」、と思いませんか?

最後の2回のセッションは東京工業大学大学院から、この2年弱をMITですごし、かなり強烈な刺激を受けて帰国したばかりの鹿野くんも参加。このクラスのような場合のtwitter「まわし方」の役を務めてくれて、twitterも大いに盛り上がっていたようです。MITやシアトルからもクラスに参加してくれていましたね、ありがとう。彼はBostonにいたときからこのクラスに参加していました。

写真も撮ってくれました。

宮入くん、遠藤さん、それぞれTA, SAをありがとう。ゲストの皆さんにも本当に貴重な時間と話をありがとうございました。

とても楽しい1学期でした。

ACCJ 2010 Person of the Year、なぜわたしが?

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ACCJとは「American Chamber of Commerce in Japan」 の略で、「日本にある米国商工会議所」です。多くの国に、そのような組織があるのは当然です。2国間交流のなかでも、ビジネスや産業界の交流は双方にとって経済の根幹ですから。何回か講演の機会もいだきました。

いくつもの政策提言などを発表するのも1つの大事な機能です。最近では、日本の成長戦略健康政策などへの提言を発表しています。

しかし、私はビジネスマンではありませんし、この連絡を受けたときは、本当のところびっくりしました。でも、お話を聞くと、日常的に私のしていること、発言していることの根幹は、日本を世界へ開かれた国にすること、激変するグローバル世界に,日本と将来を担う若者の育成に最も重点を置いていたことなどを高く評価していただいた様でした。このような活動は、私は教育の世界にいるのですから当然のことですけどね。

私のインタービュー記事資料1) も読むことができます。かなり辛らつと感じられる方も多いかもしれませんが、これらは私が医師という日本の組織に関係のない「個人の資格」で、15年ほどの在米から1980年代中ごろに帰国してから常日頃から言っていたことであり。このサイトや、多くの著書 、エッセイなどでも発信していることです。

いろいろご意見はあると思いますが、これは個人への批判でもなんでもなくて、私が日ごろから懸念している日本への発言の趣旨とほぼ一致していると思います。

わたしをこんな人間であると認識して選んでくれたACCJに感謝しています。そして、これを名誉ではなく、私に与えられた1つの任務として、日米ばかりでなく、日本と世界をつなぐことで、ACCJの活動を通して、私が出来ることをしていこう、と考えています。例えば、`今までの大学での活動や「Think Tank」 強化のほかにも、最近立ち上げた「Impact Japan」 の活動とか、いろいろ考えられます。

この「事件」について何人の方達からメールを頂き、石倉洋子さんがblog で紹介してくれました。

ACCJを拠点に1つ新しい任務が出来たみたいで、ワクワクしています。

教育デイベート: 渋沢さんたち「コモンズ30ファンド」設立2周年で

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1月19日、慶応SFC最後の授業を終えて(後で紹介します)、夕方から私の友人の一人渋沢さんが始めた「コモンズ30ファンド」設立2周年の会のパネルに参加しました。

パネルは渋沢 健さんの司会によって、ベネッセのCFO、Corporate Communication本部長の福原賢一さんと私の対話 (これは知っていたのですが、、)、しかもテーマが「教育」。これは私のテリトリーではないか!

福原さんのスライドを使った「ガラパゴス島からの脱出」と題して、実は、「日本の教育」もガラパゴス化している!、、、との強いメッセージがありました。強烈ですね。そして、最近おなじみの「若者の内向き」の話題となりました。

これを引き取って、私が、「若者ではない、親の世代、その上の世代も内向きだ」(資料1)、とこのほぼ1-2ヶ月集中して発信しているメッセージをお話しました。

この刺激的なパネルはUStreamで見れます。ちょっと恥ずかしいですけどね。でも、若者の将来が一番大事ですから。

何事も、まずことの本質を俯瞰的に見る、考えることです。

PS; 早くもいくつかのblog 資料1) に出ていました。コメントがうれしい。

 

 

「若者は内向き」なの? では大人たちは?

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このところ、「内向きの若者」という意見がメデイアなど、そこかしこで見られるようになっています。

本当でしょうか?このサイトでも1月12日付けで書きましたがそんなことはない、さらにほかにも「そんなことはないのでは?」 という意見が出てきています。

1月12日でも書いてあるように、「いまどきの若者の親の世代」を囲む日本の社会状況や、「それよりも上の世代」にしても、自分で決断し、自分で退路を絶って海外へ出かけた方(特に男性)はそれほど多くはないと思います。

経済成長していた1960-90年の間、そしてその後でも、多くの方達は、社命や、役所からの留学、海外駐在が多かったのでしょう。そして、多くは数年で帰国するなりしています。自分の決定で滞在している海外ではないのです。言うなれば、何年海外にいても基本的には「出張」なのです。

Harvard Kennedy Schoolの栗原さんも最近の「Cambridge Gazette」で、同じような見解、体験を発信しています。皆が心配しているのです。(今回の「Harvard Gazette」は少し長めなので、まず最後の編集後記から読むのも面白いと思います。)

若者のことには意見を言っても自分たちのことはタナに上げている。若者たちは直感的に「そうかな?」、と気が付いているのでは、と思います。この点については、白洲次郎も指摘 しています。

若者を励まし、応援することこそが、大人たちの役目です。

OIST Symposiumへ参加、チャレンジしてみよう

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風光明媚な、沖縄の恩納村の海辺を見下ろす陸に位置するOIST(Okinawa Institute of Science and Technology)は、日本に出来たまったく新しい科学研究機構ですが、いまや大学院大学へ変身中。

建築も進み、素敵な概容を見せ始めています。多くのSymposiumが、海辺の会議場で、世界一流の科学者たちが集まって開催されています。

一度参加してみませんか?

そんな機会へのご招待です。春休みの3月14-18日。あなたのすることは、エッセイコンテストに応募することです。英語で500字。締め切りは1月31日、On-lineで送ればいいのです。

「日本在住の自然科学分野の学生または修士課程の院生を対象に、英文で懸賞論文を募集中。論題は「学際的アプローチの有効性について」。副賞は3月の入選者限定ワークショップに招待です。詳細はこのサイトで

締切りも間近ですが、大丈夫。集中し、考え、整理しつつ、まず書き始めること。

意欲ある応募者を広く募っているのです。チャレンジのときだ。