「医療制度」改革の課題、JBPress私の意見

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私は、もともとは臨床医ですし、日本と米国で医師としての生活を10年以上しています。当然のことですが、医療制度にはとても身近なところにいますし、いろいろ考えることもあり、またとても気になっている日本の大きな社会的課題です。

このサイトをはじめとして、以前から問題点を指摘していますし、「ナンのカンの」と多くの日本の「権威の方たち」に言われながら、出来るだけのことはしてきたつもりです。その成果も、あまり見えないかもしれませんが、出ていると思います。制度改革は、なんと言ってもグローバル時代に適応できる人材の育成に尽きます。

関係するキーワードを入れると、いくつものpostingを見ることが出来ますし、一般向けの本としても「大学病院革命」、「日本の医療風土への挑戦」、「医学生のお勉強」 ほかにいくつもの本も出し、紹介しています

21世紀になり世界の様相はすっかり変化しました。医療制度関係では、根本的な問題が「高齢社会」、「慢性疾患、特に生活習慣病の増加」、さらにグローバル市場経済になったこの20年で「貧富の差の拡大」、そしてリーマンショック以降は「国の借金の急増」という課題です。

わが国の課題はどうでしょうか?先進国の中でも、高齢化は最も進んでいますし、とても問題が多いですね。

私どもの主宰する「医療政策機構」 (資料1)、「WHO」 などの活動も通して発言し、改革に微力は貢献したいとは思いますが、多くの利害関係者(抵抗勢力です)の力関係で、どこの国でも大きな政治課題であり、実行が難しいのです。

最近でもいくつも活動を報告し意見を述べていますが、最近は「e-Health革命 ITで変わる日本の健康と医療の未来」 、またOn-lineでもJBPressなど(資料1)でも始めています。

時間のあるときなどに、注目していただけるとうれしいです。

その点では10月のSeattleでの会議 から出た「12のアイデイア」 は大事と思います。

どのようにこの政治的プロセスを可能にできるのか、ここが課題です。以前紹介した本が参考になるでしょう。

基本的には「医療制度」ではなく、今の社会では「健康・医療政策」(資料1)とでも改名しないと、実情に沿った制度改革は結構、むずかしいと思います。

政策の命名は大事です。

 

 

「休学のすすめ」、海外インターンシップ支援AIESEC、文部科学省高官の応援

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社会制度の改革などを待っていられないぐらい、日本の「鎖国度」「鎖国マインドセット」は明白になってきています。最近の報道や社会のいろいろな意見がこの「内向き、鎖国マインドセット」について繰り返し指摘しています。本当のことを言えば、今に始まったことではないのですけどね。

これは明らかに若者だけではなく、大人たちに共通のことなのです。今の大学生の「内向き」を指摘する識者は多いのですが、これは親の世代の経験から来る影響が強いと思います。

「Japan as Number One」などといわれてちょっと「いい気」になっていた団塊の世代までとその後の世代は、日本のバブル崩壊(1999年)、冷戦の終結(1991年)とグロ-バル市場経済の始まり、インターネットの普及の始まり(1991年、wwwなど)、その後に起こった14の都市銀行の大再編、山一證券破産、急速につみあがる国の借金、成長しないGDPなどを見れば、親の世代は心理的に「守りの姿勢」になるわけです。

ですから、今の大学生の世代は、物心ついた頃から、親から景気のいい話をあまり聞いたことがないままで育ってきたのではないでしょうか?

ここに書いてあることは、このサイトで以前から、繰り返し、述べているところです。

さて、「休学のすすめ」 を実践する大学生たちの素晴らしい活躍 (資料1, , , )。

また海外でのインターンを紹介する学生たちのネットワークAIESECについても、ちょっとですが紹介しました

しかし、これらの活動をさらに進めるには、いろいろな障害があります。例えば、多くの私立大学では休学する学生に対しても、結構な額の「学費」をいろいろな名目で支払わせているのです。とんでもないことです。でもこれが当然と思っていたところに、日本社会の非常識があるのです。大学関係者は出来るだけ早く、知恵を絞って、こんなことは止めてください。

ただでさえ景気が悪く、しかも教育費が高い日本の国のあり方では、将来の人材を粗末にしているということです。こんな国に明るい将来はあるとは思えません。政府もしっかりしてください。

最近は学生の留学を支援する学生の世界団体AIESEC(ここからJapanサイトに来るとこれが日本語だけなのだ、、、)を運営している日本の学生さんたちとも会いました。AIESEC活動をどのように活性化し、社会に広く知ってもらう、支援してもらうか、を一緒に考えているところです。このような学生の活動を支援するのは企業にとってもいろいろと大きなメリットがあることは明白なのです。

AIESECの日本サイトが英語でも書かれていて、日本からの留学ばかりでなく、日本への留学、日本の企業インターンシップなどを紹介するなど、いろいろ出来ることがありますね。「相手のニーズ」を考える視点が欠けています。これについても具体的に議論しました。

最近、私と一緒に仕事をしたこともある文部科学省の「高官」(特に名前は出していませんが)がblogをはじめました。私の主張を支援してくれていること、このような学生を実際に励ましている資料1)ことを知りました。とてもとてもうれしいです。最近の会議でも自分の意見を中心に素晴らしいスピーチ をしてくれました。自分の主張がはっきりしていて、あまり役人らしい挨拶ではなかったね、と好評だったと聞いています。いろいろご支援ありがとう。

他の文部省関係ほかの方達の中にも、私の主張を認識し、支援しているかたが多くいることは知っていますが、全体としてなかなか政策にはなりにくいところもあります、いろいろの都合もあるのでしょうが。

さらに問題は大学、中高等学校など、教育関係者が、グローバル人材育成に対して、自主的にできるだけのことをしているとは思えない、(資料1, , , )ところにも問題があるのです。世界の潮流はドンドン動いているのです。

現役官僚がblogを書くことの如何ですが、個人の見解ですから結構なことです。秘密のことを書いているわけでもありませんし。

 

2010年12月

第1回 博士キャリアアップシンポジウム
グローバル時代に博士号を生かす方法
  ー就職難の時代だからこそチャンスを勝ち取る!ー
日時: 12月21日(火)13:45-14:15 (基調講演)
場所: 東京大学農学部1号館 第8講義室
お問い合わせ先: カガクシャネット <staff@kagakusha.net>
                         または 東京農工大学地域生態システム学科 斎藤広隆
                          TEL&FAX 042-367-5584
                          e-mail: <hiros@cc.tuat.ac.jp>

 

武田計測先端知財団
第2回 科学技術の国際連携戦略シンポジウム
日時: 2010年12月16日(木)17:30-17:50
       *シンポジウムは13:00からスタート。
           上記時間帯でシンポジウムについてのコメントを発言致します。
場所: 政策研究大学院大学 想海楼ホール
お問い合わせ先: 財団法人 武田計測先端知財団
           TEL:03-3549-2781 FAX:03-3549-2787
        *お申し込みはこちらよりお願いいたします。

 


G-SEC Open Day 2010
     Watch & Warning セミナー
日時: 2010年12月3日(金)14:00-15:30
場所: 慶應義塾大学三田キャンパス 東館6階 G-SEC Lab
演題名: 未定
お問い合わせ先: グローバルセキュリティ研究所事務局
e-mail: gsec@info.keio.ac.jp
*事前申し込みは不要

慶応SFCクラス、2人のOGを迎える

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11月17日のSFCクラスは、SFC卒業のOG、余語麻里亜(ヨゴ・マリア)さん、田嶌(タジマ)直子さんのお2人をお迎えしました。

余語さんは、私も理事をしているAbu DhabiのKhalifa大学で活躍しています。前の晩に帰国したばかりです。

田嶌直子さん は、テレビコマーシャルなどで活躍している気鋭の映像監督です。

クラスのはじめに田嶌さんの作品を短くまとめたteaserを流して雰囲気を盛り上げました。

お2人の自己紹介から、なかなか想像しにくい、とてもユニークなキャリア、積極的で、ドンドン向かっていく元気な気持ちと行動力が印象的です。

とても楽しい話が聞けたので、皆さん、それぞれに何かの思いと、「感動」をもてたと思います。

クラスの最中に流れているtwitterでも、いい反応が同時進行でぽんぽんと出てくるのがわかります。こんなライブ感覚の授業は楽しい時間を共有できるのです。

何しろ先週に続いてSFCの先輩のお姉さんたちなのですから、現実感覚にあふれているのです。

では、2人の話の詳細はヴィデオでどうぞ。

 

 

「言葉の力」、「リーダーの知力と知性、判断力と感性」

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今年5月にお会いしてから、Harvard Kennedy Schoolの栗原さんについて、いくつかここでご紹介しました。

それ以来、栗原さんが帰国する機会には、何とかお会いできるように努めています。何しろ話題は豊富だし、ものの考え方がグローバルであり、しかも歴史・哲学・文学など広い範囲でよく本を読んでいる。さらに「外から」日本を見ることができる、だから本質を理解することの出来る数少ない人材(人財)の一人です。私とは違った分野の視点がたくさん頂けるので、ついつい話が弾んでしまうのです。

先日こられときも、ついつい2時間ほど話し込んでしまいました。彼はCambridge Gazette という定期報告を書いていますが、今年の最終版にそのときのことを書いてくれているのです。「洞察力と言葉の力」 とでもいうものでしょうか。

それがまた意外な話の展開になっていて、栗原さんの交友関係、人脈、歴史観から、日本の「本当に優秀」な人たちがいる一方で、あいも変わらないアホな「秀才」が国を誤るなど、原典・文献を紹介しながら、「ものがたり」を展開しています。

今の「悲しい日本」の状況をつらつら見ていると、この100年、本質的に日本は何も変わっていない(というか、「変われない」というべきでしょうね、、)ことに気がつくはずです。栗原さんの読書量、「個人」としての交友関係などなど、本当に感心してしまいます。大きな全体を「一つのものがたり」にてしまう手法と引用など、重層的な広い知識というか、知的好奇心というか、思考過程というか、いつも感心してしまうのです。

それにしても、日本の「リーダー的ポスト」の人たちの発言は特におかしいですね。知識はあっても「ことの本質」をつかめない、だから発言が軽い、心を打たない、なんとも悲しくなるこのごろです。いつも紙に書いたものを読んでいる、相手を見つめて自分の意思も、思想も伝えられない。自信も信念もないのでしょう。歴史も知らない、勉強もしない(大学入試偏差値のための勉強はしたのでしょうけど、、)、政策から議論まで、知識はあっても実に底が浅いというべきでしょう。そんなことに自分では気がつきもしない、理解もしない、言い訳ばかりはすぐにする、「偉い人」たち。

栗原さんの伊藤博文の英語のところもいいですね。そして今のグローバル時代の日本の英語教育政策議論の、あいも変わらないうわべだけの薄っぺらさ。

最近では解像力の良いテレビが普及しているので、話をしているときの目つき、表情がよーく見えてしまいます。国会の質問も、大臣の発言も、高級官僚の発言も、大学の偉い先生の発言も、財界トップの発言も、ジャーナリスという人たちも、深い洞察と、心からの思いのある言葉を聞いたことがほとんどありません。1億総評論家、問題があれば他人事、といった感じですね。

国民も悲しいのでしょうが、変な番組ばかりのテレビ、記者クラブ発の、しかも大量に発行される新聞記事にも毒され、テレビの人たちの言葉(しかも日本語番組を聞いてばかりですし、、)は本当に悲しいですね。

言葉は知力、知性(知識ではないのですが、、)の指標です。他人の心の内部まではうかがい知ることはできませんからこそ、言葉から人の心の度量、深さ、思いなど、人柄、人物がわかってしまうのです。

栗原さんは、今の日本の多くの知識人にはかけている、知性と「こころ」をお持ちです、あまり顔には出しませんが。次回にまたいろいろ教えていただける、「知的バトル」が楽しみです。