2010年6月

「Global Health 2010 -What's next for G20? Investing in Health and Development-」

日程: 2010年6月30日(水)

場所: ロンドン チャタム・ハウス

共催: 英王立国際問題研究所(Chatham House)、米戦略国際問題研究所(CSIS)、

     日本医療政策機構

参加登録はこちらから: http://www.chathamhouse.org.uk/Globalhealth10/

問い合わせ先: conferences@chathamhouse.org.uk

           TEL +44(0)20 7957 5753   FAX +44(0)20 7321 2045

第53回日本腎臓学会学術総会 イブニングセミナー1
 
日程: 2010年6月16日(水)17:45-18:45

場所: 神戸国際会議場 第2会場

        神戸市中央区港島中町6-9-1

* 黒川の講演予定は18:15-18:45(予定)  

* 参加希望の方はURLをご確認下さい。
          

米国研究製薬工業協会(PhRMA) 「予防医療~投資としての医療~」セミナー

日程: 2010年6月3日(木)14:00-14:15(予定)

場所: ザ・ペニンシュラ東京3階 「ザ・グランドボールルーム」

            東京都千代田区有楽町1-8-1

*Opening Presentationにて講演

   *この講演は招待者のみ、となっております。

トロントの4日、米国内科学会、トロント大学など

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4月21日、トロント入り。去年の5月、10月以来の訪問です。米国内科学会年次総会に参加です。私は日本支部長 (資料1)なのですが、この何年かは日程が立て込んでいて欠席続きで、上野副支部長が出席されていて本当にありがたいことです。久しぶりの出席でしたが多くの旧友、新しいリーダーたちにもお会いする機会になりました。このような機会はとてもうれしいものです。

日本支部は南北アメリカ大陸の外では唯一の支部ですが、私たちの活動は本部をはじめとしで皆さんによく知られています。今年も2年続けてですが、表彰されました。 特に女性医師の活動に焦点を当てた委員会プロフェショナリズム委員会 の活躍、そして研修医、学生会員を増やしながら臨床教育活動を引っ張る若手医師たちのおかげです。

新しい7人のフェロー(FACP)、次期日本支部長の小林さんがマスターへ(MACP)、日本内科学会理事長の寺本さんが名誉フェローなど、その式典を含めて、皆さんと楽しいひと時を共有できました。偶然なのですが、日本の医局制度を「脱藩」してこちらで活躍する日本の若手医師にもお会いすることができました。亀田病院の研修医のポスターが発表に選ばれ、参加してくれています。これらの活動も今回の表彰を受けています。指導に当たった小原さんたちも参加、本当にうれしいことです。

プログラムでは臨床の課題である診療、教育、研修などを中心としたものが多く、皆さんとても熱心です。開会式では国境なき医師団 (資料1)で活躍するDr James Orbinskiさんの特別講演「Equity and Global Health」がとてもすばらしく、皆さんの感動を誘いました。

いろいろな委員会、レセプション、プログラムなどの合間に、Toronto大学へ出かけてDr David Naylor学長と1年ぶりの歓談 (金曜日5時、最後のアポだったので2人でちょっと1杯しながら話が弾みました)、Munk School of Global Affairs とGRIPSとの共同プロジェクトの打ち合わせ、MARSでDr Peter SingerとGlobal Health新プロジェクトの進行状況(私も参加していますので、、、5月23日に公式の記者発表の予定)、Gairdner財団のDr John Dirks (資料1)などとお会いしました。

前回ポストした朝日新聞「Globe」の「カナダ特集」 のことも話題にしました。この朝日新聞のすばらしい特集が英語にならないのは本当にもったいないことです。

トロントは4日とも雲ひとつない快晴、この素敵な街ですごしました。CN Tower に昇ってきました。上からの写真もお見せします。

カナダ: 朝日「Globe」から

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朝日新聞では数年前から、毎月2回「Globe」という8ページ特集を組んでいます。内容といい、取り上げるトピックスもなかなかユニークで、とても楽しめるものです。

タイトルからもわかるように大きな視野で「グローバル世界と日本」をいろいろな角度で分析している、素敵な特集です。船橋編集主幹の企画と思いますが、彼らしい企画です。

さらにすばらしいのは、すべてが「On-line」で読めることです。新聞に出てから何日かかけながら全体の記事が読めるようになっています。

最近の4月21日号は「カナダ」がテーマでした。私も大学関係者と広く交流 (資料1)、(ほかにもこのサイト内で「カナダ」「Canada」で「search」してください)があるので取材を受けました。このカナダ特集は「日本とカナダは超大国のそばで見えない国になるおそれがある。どう対応するかが21世紀の挑戦だ――。両国の大学関係者の会合で、こんな話が出たという」で始まります。これは読んでのお楽しみです。カナダの人口は隣の米国の10%、日本も中国の10%。お隣の大国、米国との協調と自分の独自性の維持、などなど、興味ある記事です。

私もカナダは好きですね。一言で言えば、「英国のいいところを受け継いで、階級社会を引き継がなかった国」でしょうか。「英国のいいところ」はやや社会主義的要素を持ち、民主制度がよく機能している、教育程度が高い、いくつかのすばらしい大学がある、医療制度はマイケルムーアの映画に見るように国の機能ですが、質がいい、患者の負担は少ない、信頼が高いのです。医師も大学教員の質も高いです。

2008年からの金融危機の影響を最も受けなかったのがカナダでした。銀行がサブプライムに巻き込まれなかったのです。

昨日からTorontoに来ました。ディナーの席では、130万の都会Calgaryでも、多くの人たちは自宅のドアのロックをほとんどしないそうです。いい昔の姿が残っているのですね。この話はマイケルムーアの映画でも出てきます。

ひとつだけ朝日新聞に注文。こんなすばらしい特集をせめて「On-line」だけでも英語で出してくれないものでしょうか?日本人対象だけでは、本当にもったいないです。

新しい息吹きと遭遇のいろいろ

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4月になって、いろいろ新しい社会への動きを感じる機会がありました。

若いとき、南アフリカのアパルトヘイトからの道のりにもかかわった感動的な経験から、紛争、対立の対話の推進などの活動を進めるReos PartnersKahenaさんとLeanne Grilloさんを迎えて、いわゆる広い意味での「社会変革イノベーション」についてのお話を聞く機会です。このウェブサイトから伺い知れるように、多様な、多くの利害関係者の中での難しい状況の経験を通した、何かとても大事な基本的なスタンスをお聞きすることができました。

お招きを受け集まったのは10数人ほど。半分は女性ですが、「単線路線」の方はおられませんでした。残りの男性たちも「単線路線」よりは、海外も含めて多彩なキャリアで活動してきた方たちで、社会をよくしたいと、いろいろ活動しておられる方たちです。少数派の「単線路線」のかたでも、実際に組織とは離れて社会活動もされている方たちです。 SoL (Society for Organizational Learning)の日本支部として活躍している方たちの主催です。

いろいろ理由を言いながら変われない日本の中で、社会を変えよう、世界を変えようという広い裾野が広がりつつあるのが、個人個人の行動として感じ取れるとても気持ちのいい会合でした。このような方たちとお会いできるのは、素敵なことです。

米国内科学会日本支部年次総会(資料)でも女性医師の問題、「プロフェッショナリズム」を中心に取りあげる活動、症例提示スキルアップなど、若い人たちの活発な参加が目立ついい会に成長してきていると感じます。今回もDr Gremillionさんをはじめとして米国医師、米国研修帰りの医師たちの参加もあって、若い人たちの盛り上がりを感じました。2次会、3次会にも参加しましたが、学生さん、研修医のみなさんも含めて、若い人たちが大いに盛り上がりました。ありがとう。

久しぶりに国際腎臓学会主催の集まり「Nexus」に少しの時間ですが出席でき、世界の旧友、新しい人たちとの時間をすごせました。

これからの人たちが、若いときから広い世界とつながることを大事にしながら、日本社会で、また世界でのキャリアをつんでいく選択も意識できる、その能力を高めていくことができると、これからの日本にとっても素敵なことでしょう。

いろいろな場を通じて、これからフラットな世界での、そして新しい世界の価値を見出そうとしている日本を担っていく人たちとお会いし、若者たちが育っているのを感じ取れることはすばらしいことです。

 

休学のすすめ -3: 「留学しない東大生」

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4月になって、このサイトで2回続けて「休学のすすめ」(資料1)の大事さ、これからの時代の人材育成を担う大学への要請の変化について書きました。

世界にビジネスを展開しようにも、特に新興国などの新しい経済成長圏では、個人的コンタクトがないとなかなかアプローチも難しいものがあります。

この個人的コンタクトができるのが高校生、大学生時代です。英米ではいわゆる「ボ-デイングスクール」、大学学部時代などもあります。大学院留学は基本的に同じ業種の人たちですから、横への広がりは弱いのですが、日本からの大学院留学も減っているようです。

これからのグローバルの時代にはこの「横の広がり」は業種や国境を越えた、世界のネットワークになります。この認識があるからこそ、多くの大学では世界の若者、将来のリーダーの育成に学部学生の留学・海外経験や交流を増やす工夫をしています。

これからさらに広がるグローバル世界では、一人一人の若者たちにとって将来の仲間となるべき世界の次世代との「職業、組織を超えた」「個人としての信用」を基本にしたネットワークはきわめて大事な財産になるでしょう。

グローバルな世界での成長は、自分の強さと弱さを認識した、国境を越えた「顧客志向」の企業の活動にあります。特に「単線路線」「終身雇用」「年功序列」のタテ社会の男ばかりの「身内組織」では、違う意見も出にくくなり、変化、異変の時にはうまくいかないことも多いのです。日本の大企業、組織に共通する弱さでもあるのです。ましてや日本人ばかりでしょうから、ますます弱いのです。口先では多様性、異質性などといっていてもこの有様です。

最近も、これらの要因が背景にあると思われる事件 「トヨタ問題はトヨタ固有のものか?」について指摘しました。

ところで、日本では東京大学が大学のトップとして変化への牽引車であることを期待されているのでしょうが、東京大学が新入生を迎えて1週間後の4月19日の朝日新聞に、いつも核心を突いたコメントを出している辻 篤子 論説委員から、私のこの趣旨を共有するカラムが出ていました。

以下のようです。

「●留学しない東大生   ―「窓」  論説委員室からー <辻 篤子>

●日本の若者は海外に出たがらない。そういわれて久しい。とりわけ外に出たがらないのが東京大学の学生らしい。

●東大が発表したデータによれば、学部学生のうち留学経験者の割合は理系4.6%、文系4.1%、これに対して他大学の平均はそれぞれ8.1%、14%で、とくに文系の差が大きい。

●「授業が忙しいこともある」と浜田純一総長はいうが、自ら「外国語でコミュニケートする能力」が身についていないと認める学生が7割を超える。「国際化」を最優先課題の一つに挙げる東大にとってはかなり悩ましい現実だ。

●米ハーバード大学を卒業後、東大に1年半留学したベンジャミン・トバクマンさんも「東大生はもっと留学すべきだ」とするが、それには別の理由もある。

●経験をもとに両大学の教育を比較した著書「カルチャーショック ハーバードVS東大」(大学教育出版)によれば、ハーバードの教授は、学生に質問させ、考えさせることで教えるのに対し、東大では、答えを与えることで教える。これでは、自立的に考える学生が育たない。

●東大にも学生の質問を歓迎する教授はいるが、その多くは外国で学んだ経験があり、教授と学生が対等に議論することの価値を知っている。学生がもっと留学し、東大に戻って教えられるようになれば、学生はもっと考えさせられ、勉強の意欲も高まるはず、というのだ。

● 問題はどうやら、学生だけ、東大だけにとどまりそうにない。」

浜田総長は学部学生の国際交流推進への意識が高いと聞いています。期待していましょう。

このトバクマンさんの本が出版された直後に彼にもお会いしました。中国に行くといっていましたが、まだ中国なのでしょうか?