Singaporeの水事業

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Singaporeは小さな島です。歴史的に水の供給の大部分はMalaysiaに依存しており、Johor Bahrから水を送ってもらうことになります。ここの水プラント、管理等はすべてSingaporeが負担です。これは交渉ごとであり、国の弱みでもあるので、長期的には当然のことですが、国の生命線として致命的になる可能性もあります。

日本でも同じですが、1960年代までは川や海は、生活廃棄物も含めて工業排水さえも流していました。水俣病などの公害もこのような結果のひとつです。1962年のRachael Carson著「Silent Spring」も大量規格工業製品生産と消費社会の環境破壊への警告書です。Singaporeの川にも生活排水も、ごみもたくさん捨てられていました。

そこで、長期の国家計画のひとつが水計画 です。

今回、19日に定例のA*STAR会議 (資料1)終了後にMarina Barrage資料1) 、を見学、すばらしい建造物の全体もさることながら、その歴史、計画、実現へ、ほかの水関係事業など、ビジョン、戦略、事業計画などなど、総合力の優れた国家事業です。

2009年のSingaporeでもWater EXPOでもSingaporeの水事業のpackageの展示が注目を集め、日本の展示は質のよい「部品」展示ということで、この視点はNHKでも報道されていました。これでは国際競争にも負けてしまいます。システムの「トータルパッケージ」の提示ができないからです。

今年の6月末にもSingapore International Water Week も大々的に計画、発信され、水事業システムの新興成長国への売り込み計画にもぬかりありません。

日本の水処理技術には定評があり、「水の技術は日本」などと最近まで認識されていたようですが、これはいつのことでしょうか?これも所詮は海水の脱塩膜処理など、所詮は水システム全体を事業として見れば、5%程度以下の部分としての部品の性能と品質なのです。

携帯電話、原子力発電、ソーラーパネルなど数多くの例と同じように、水もまたまた「ガラパゴス部品屋さん」 (資料1) として下請けになって活動していくつもりなのでしょうか?