野村證券とリーマン: 「外」から日本を見る目、「自分」を感じとるセンス

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いまさらながらの 2008年9月の 「リーマンショックLehman shock」以来、世界経済は大変です。いかにWall Streetに集まった「秀才の貪欲」がひどいことになるのか、この1年ほどは「資本主義」の本質論が出始めているのは結構なことです。

その頃です。皆さんも覚えていると思いますが、野村證券がリーマンのアジアと欧州の事業を買い取ったというニュースが流れました。野村も思い切ったことを、しかし、これは野村が世界に展開するにはよい選択という趣旨の報道でした。その通りです。

しかし、すぐに私が感じたことは、野村がこのあたらしい「日本人」でない社員たちを、どう扱えるのか、でした。経営陣にそんな腕力があるのかな、でした。金融業界は、製造業とは、またちょっと違いますしね。頭脳と判断が大きく評価され、そこに「俸給」の価値があるわけですから。

やはりね、という記事があります。去年の夏の「Wall Street Journal」の記事です。英語ですが、がんばって読んでください。

給与の違い等々をどうするのかは、気にはなっていましたが、この記事では女性差別ではないですか。このようなことが「おかしい」と、日本では認識されていないのかも知れません、これは日本の企業では普通だ、と思っている方々も多いでしょうけど、、。海外でこのように報道されているところを見ると、野村證券でこうなら、銀行はもっともっと保守的、大企業も同じだと。「グロ-バル企業などと口では言っても実態は、とても、、」、これが「外」から見た日本ということでしょう。

このような一つ一つの、一見すると社内の都合と考えてしまいがちな小さなことが、実はとても大きな企業の信用問題になり、広がって、国力が落ちていくのです。恐ろしいことです。

だからグローバル世界はいやだ?だから鎖国したい?まさか、そんなことを本気でできると思っているのですか?国の生命線であるエネルギーも食料も、大きく海外に依存しているのに?引きこもり国家ですか?