ダボスから-2

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雪の会場場前

28日は雪が少し、それなりに気持ちがいい朝です。朝は7;30から、ダボスの町のもう一方の端まで移動、日本からの参加者たち30名ほどで朝食をとりながら懇談をしました。今回は日本から70人ほどの参加があるようで、うれしいことです。

ところで、この「ダボスから」は、このサイトに「blogroll」で出している石倉洋子さんのサイトにもどんどん出てきますから、そちらもぜひ訪ねてくださいね。石倉さんはこのダボス会議でも司会moderatorとして高く評価されている極めて数少ない日本人です。彼女の努力と考え方は彼女のblogでも感じ取ることができ、とても参考になると思います。

9時からは再びダボスの町の反対へ戻り、「Asian Brainstorming」というセッション。アジア以外の方々が大勢参加され狭い部屋がいっぱいになりました。皆さん、アジアへの関心は高いのです。民族、国家、文化、経済、宗教をはじめとした多様性が特徴です。でも現在の世界の対立のひとつの要素である「一神教、しかも同じ神様を信仰するユダヤ、キリスト、イスラム」が衝突しあうのとは違った多様性のあるアジアの宗教です。このアジアが世界金融崩壊後の世界経済成長の中心ですから注目されるのは当然です。とても活気のある議論でした。

その後は主会場にむかい、いくつかのセッションへ。以前に紹介したFareed Zakariaさん(資料)(写真1)は特に政治問題では、特に出番の多い司会moderatorです。

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写真1;南アフリカのZuma大統領と対話するZakariaさん。

Clinton元米国大統領(写真2)は国連事務総長のHaiti問題担当特使です。今回のHaitiの地震被害で活動していますが、これについて特にアッピールされました。いろいろなHaitiの社会の背景、現状などが知れてとてもためになりました。Haitiは成長が期待されていて投資の対象としてもきわめて優れているのだそうですね。このような見方も特に民間援助の仕方を考える上で大事です。

Clinton IMG_2103写真: Haiti支援を講演するClinton氏。

午後は、世界の化学企業の「社長の方々」の非公開の「Brainstorming」に出席しました。これも、この4年ほどお招きを受けて、グローバル企業経営者の考え方など、とても参考になります。日本からは常連の住友化学米倉会長は経団連会長に決まったばかりなので昨日の1日で帰国されご不在でしたが、三菱化学の小林会長が毎年参加されていますし、2年前は東レの榊原社長も参加されていて、この業界でも日本企業の存在は大きいのです。長年の友人、英国のSir David King 、また中国の大物Siweiさんも私と同じ立場で参加しています。今年は米国下院議員のBrian Bairdさんが参加、政治的プロセスの発言もあり、とても参考になりました。会議のあとBairdさんと2人きりで20分ほど話をしたのですが、意気投合して、とてもよい方でした。

ここまで、ダボスの町の端から端へと、2回ほど往復。

後は主としてメインの会場でのセッションに出ました。これらはウェブサイトで見れるので、ぜひ訪ねてくだい。

Lee Korea IMG_2092 写真; 韓国Lee大統領

韓国のLee大統領(このサイトの1月にUAE原子力発電の件を中心に5報レポートとインド訪問の1報の計6報しています、国のリーダーとして大活躍しています)、今年のG20 のホストです。ハングルで話されましたが、明確なメッセージを伝えて好評だったと思います。

中国の副首相 Li Keqiangの演説、ことしのG8 ホストCanadaのHarper首相(もっぱらG20 を中心に話されましたが、、)、さらに6カ国の首脳のFareed Zakariaの司会によるパネルなど、とてもすばらしいものでした。この最後のセッションでは、会場からの質問はBill Gatesから始まるというものでした。

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写真; Japan Nightで(向かって右から)NHKの道傳さん、タケダの長谷川さん(パネルで大好評)、日経の岡部さん。

この後は、恒例の「Japan Night」(写真)。今年はJETROがホストで、たくさんのお客様がこられとても盛り上がりました。何しろ日本からの参加者が今年は70名をこえるとかで、今までも一番多かったようです。でも、韓国、中国の参加者の数よりは少なかったようですけどね、、。

ダボス会議-1

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サルコジ

例年のことなのですが、26日、World Economic Forum 出席でダボスに向けて出発しました。今回はFrankfurt経由でZurichへ。機内で、慶応大学の村井純さん(Internet) 、夏野剛さん(iMode) 、竹中平蔵さん(経済学)と一緒でした。ダボスのホテルには夜の10時半ごろに到着、ちょっと疲れました。

今年はアジア諸国のリーダーの参加が予定されていますが、日本からは政治については国会開催という例年の課題があり、特に今年は「政治とカネ」が注目されていますので心配でしたが、3人の大臣がこられることになったようです。よかったです。

会議のプログラム等についてはウェブサイトを見てください。

27日は、午前は「Germs and Globalization」、「Arts, Culture and the Digital Age」のセッションに参加。「Arts、、、」では、以前にも紹介したMITのメデイアラボからRhodes Island College of Designに学長として就任した日系2世のJohn Maedaさん(資料1)、(写真下)のプレゼンがとてもすばらしかったです。彼はいくつものセッションに出る人気者です。

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John Maedaさんのプレゼン

午後は「World Economic Forum Brainstorming; Redefining the Global Commons」。なかなか面白いテーマですが、多くの方の参加でちょっと散漫になってしまった感がありました。MITのIdeasLabはいっぱいで入れませんでした、残念。

夕方のプレナリーはフランスのNicolas Sarkozy大統領 (トップの写真、準備中)、なかなかの熱演でした。そのあとで、Lang Lang のピアノ演奏、すばらしかったです。

夜は、「The Rise of Asia」のパネルにアジア開発銀行の黒田総裁たちとパネルに出ました。こういうところで気の利いたことを、どのように手短かに、理解しやすく伝えるか、これが難しいところです。

今年も、また新しいいくつもの出会いがありました。

グローバル時代の日本; 教育の明確な弱さ

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日本の高等教育を含めた教育全体、つまり人材の育成には、グローバル時代を迎えた世界の動向、基本的にパラダイムシフトがきたという認識が欠けていると思います。このサイトでも、私は繰り返し主張しているところです。

先日、Princeton大学の教授を長く務めた小林久志先生 (資料1)、 をご紹介しました。そのときの先生の資料などを含め、何回も先生との意見の交換をメールで交わし、私たちの見解を広げて議論しています。

小林さんのサイトに、最近この論点が、わかりやすく、明確に示されています。私も先生の意見に100%賛成です。ぜひ読んでください。

何とか前進できないものでしょうか?日本の将来は教育にこそかかっているのです。そのあり方について、小林先生の意見には「外から見た日本への懸念」の解決へ、多くのヒントがあると思いますがいかがですか?

印韓両国の関係、一層密接に

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インドは10億の人口を抱え、今後何十年に渡る経済成長が見込まれる国ですがそのインドにおける日本企業のプレゼンスが低いことについては何度もこのサイトで強調してきました (資料1)。

アラブ首長国連邦(UAE)の原子力発電の受注に韓国が成功したことについて書いた5本の一連のカラムからもお分かりのように、韓国のビジネスセクター、サムソン、LG,ヒュンダイ等々、は「世界進出(Go Global)」を極めて積極的に推進しています。

ここ数日間に報道されたこの関係のもう1つの衝撃的なニュース (資料1)、にインド政府がイミョンバク韓国大統領を1月26日のRepublic Day(共和国記念日)に主賓として招待したことがあります。Republic Dayは8月15日のIndependence Day (英国植民地からの独立記念日)と並ぶインドの二大祝日で、イミョンバク大統領がアジアの首脳として初めてこの栄誉に預かりました。去年はフランスのサルコジ大統領がこの招待を受けました。もっとも、離婚後で新しいガールフレンドを同伴してインド人の顰蹙を買っていましたが、、。

韓国勝利「その2」の中で書きましたが、私が懸念しているのは、日本がグローバル時代の世界を相手にして戦略的な視点から積極的に行動する力が十分でないように感じられることです。

1月20日の報道ではインドが韓国との関係強化に積極的な理由が説明されていました。原子力技術がその理由の1つに挙げられていることは言うまでもありませんが。

イミョンバク大統領がこのように一連の積極的なキャンペーンを繰り広げている背景には今年後半に予定されている韓国でのG20に向けて、特にこの時期に自国をアピールしようという狙いがあります。日本でも今月のWorld Economic Forum(世界経済フォーラム)、6月のG8サミット、さらに11月のAPECでは主催国、といくつも大きな国際会議が開催されますが、政府は果たして日本のリーダーシップを世界に印象づけるような試みをしているでしょうか?

世界の動向をしっかりと見聞きし、そこから教訓を学び取り、「ビジョン」及びビジョン実現のための戦略をしっかりと立てることーこのことを皆さんに強く望みたいと思います。

UAE原子力発電は韓国の勝ち-その5; 積極的な大学交流も

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この1月、このサイトで4回にわたってAbu Dhabi での韓国原子力の競争力にフォーカスして伝えましたが、その理由はここから学ぶことが多く読み取れるからです。

ところで、ここには目標に向けた戦略的なアプローチの大事さ、相手のニーズを十分に汲み取ることの大事さがあります。そして、決断とスピードですね。

このシリーズ「その2」で書いてあるように、原子力関連の研究協力も、人材育成も、韓国の提案の大事な部分でした。その約束の研究協力については、すでに提携交渉が進んでいます。KAIST資料1)、とKUSTARが原子力をはじめとした科学技術の教育、研究で、包括的な協力関係を結びました

このKAISTは、40年の歴史がありますが、21世紀に入ってから、グローバル時代にふさわしい競争力を急速につけています。Nobel受賞の物理学者Laughlinさん (資料1)、をStanford大学から学長に招聘、2006年に、その後任をMITからSuh、Nam Pyo教授 (資料1)、を招聘、メキメキと変わってきています。もちろん授業は英語です。

急速に変化する世界の動きを見ていれば、大変革時代にはこのような思い切った人事も必要です。学長に女性を招聘する大学(Cambridge、Princeton、 Harvard、 MIT、 Univ Pennsylvania、Brown等々)も多く出ています。残念ながら、日本の大学では想像もつかないことですね。グローバル世界で競争する人材を育成しているのです。韓国からの海外へ出て行く留学生の数も、やる気も、なかなかのものです。

このようなことだけを見ても日本の内向き加減は際立っていますね、このサイトでも繰り返し指摘しているところですが。大学 (グレン フクシマさんの投稿です、、、)ばかりでなく、大学の先生たちも、しっかりしてください。学生は将来の人材ですよ、先生たちが内向きでは、どうしようもないのです。

Harvard大学のキャンパスから

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1月14にBostonに来ました。ここには久しぶりです。15,16日に開催されHarvard大学 School of Public Health (SPH)の「Harvard Center or Population and Development Studies」所長Lisa Berkman 企画の会議です。

健康の社会的要因について議論するもので、ある意味ではWHO Commission for Social Determinants of Health (CSDH) (資料1) の報告の実践へ、具体化へのプロセスとして、第1日目は主要な社会的要因について議論、第2日目には各国の事情とこれらの要因を勘案して、課題を探るというものです。

主催のDr Berkman、学部長のJulio Frenk氏、WHO-CSDH委員長のMichael Marmotの講演、みなすばらしかったです。

15日は、テーマとした社会的要因は「Aging」「Equity from the Start」「Gender Equity」「Health Equity in All Policies, Systems and Programs」「Health People, Health Places」「Political Empowerment」「Intergenerational Transfer and Social Protection」のテーマに分かれて議論。

16日は参加の8 カ国(Brazil, China, India, Japan, Mexico, Uganda, United Kingdom, USA)に分かれて議論。

私が日本代表の役割で、特に健康の社会的要因の研究で多くの業績のある近藤克則さん、もと厚生労働省副大臣、Harvard SPHを基点に、グローバルヘルス政策で活躍している武見敬三さん、岡山大学の高尾総司さん 、Harvard SPH Social EpidemiologyをリードするIchiro Kawachi教授 と日本の課題については議論し、「高齢社会」、「女性の社会進出」、「自殺」、「少子化」、「所得格差」に問題を整理しました。Rapporteurはポスドクのイケダさん、もともと海外が長いそうです。

今回は、8各国の参加でしたが、CSDHを推進するひとつの新しい試みともいえるものでしたが、さすがに英国ではしっかりしたデータに基づきながら、政策立案、遂行しようという政府の姿勢 が明確で、またそのプロセスがとてもうらやましく思いました。日本とは対照的なプロセスです。

今年は、近代科学発祥の場といううたい文句で、The Royal Society王立協会設立350年記念の行事がいろいろ行われますが、さすがに科学(「科学技術」ではありません、、)の歴史と伝統の強い国だな、と感じました。

15日の夕食はHarvard Yard (大学の中心で、1年生はここにある寮に全員が入る、またWidener Library などの主要図書館がある、卒業式も行われる)にある学長の館である(今はお住みになっていないようです) Loeb Houseで夕食。

Library tomoko 090 

 Harvard yard 1 tomoko 092Harvard Yard 088
 Quincy House tomoko 082Another building of Quincy House tomoko 085
         
写真:上から順にWidener Library, Harvard Yardの風景2枚, Harvard Yard の外にある学生寮の1つであるQuincy Houseの建物2枚

16日は私の知っている医学系ばかりでなく、工学、理学系の日本からの留学生、ポスドクや教授の方たちを含めて12人ほどで、私が宿泊しているCharles Hotelの裏にあるLegal Seafoodで食事(写真下)、大いに盛り上がりました。この何人かはこのサイトでも以前ご紹介(資料) した方達です。

Dinner with Students Harvard
写真 Legal Seafoodにて

物理の大学院生、ポスドク終えて帰国してからまた舞い戻った人などなど、皆さん、元気に活躍しています。いつものことですが、とても楽しかったです。5年以上いる人たちも日本とアメリカの間でどちらを拠点にするか、皆さん悩んでいますが、一方では、日本に何か貢献したいという気持ちは強いですね。いろいろ苦労はあるでしょうが、可能性はすばらしいです。このような若い人たちの応援をすることがとても大事なのです。

この時期、天候を心配したのですが、幸いなことに3日間とも快晴でした。

日本だけがデフレ、民主党政権の成長戦略、そしてあなたの考えは?

国内経済はデフレ一色、すでにデフレスパイラルに入りつつあります。これは気分の問題、政策の問題とかいろいろ意見はありますが、OECDで日本だけがデフレなのです。なぜでしょう。困ったものです。

民主党政権が、ようやく成長戦略を出しましたが、何か具体的にはっきりしないですね。これについてはいろいろ批判はあります。

週刊現代の1月23日号(pp.174-177)にも「この「坂の上の曇り」が晴れる日は来るのか」というタイトル、サブタイトル「デフレ日本経済、正しい考え方」という記事が出ています。私のコメントが2度引用されています、皆さんはいかがお考えですか?

女性の活躍はまだまだ

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前回は、国際化に際しての日本企業に内在する「女性への偏見?恐れ?」 があることに言及しました。でも、これは日本では一般的なことで、私もこのサイトでもしばしば発言しているところです。サイト内で「女性」、「男女」、「男女共同」などで「サーチ」してみてください。

これは、男性中心のタテ社会からの変化を、男性、特に社会の上のほうの方々が精神的に抵抗することも理由のひとつでしょう。女性と比べられるのに自信がないのでしょうか?

しかし、経済、購買力の50%以上は女性が担っているのです。しかも日本の人口減といいますが、高齢者とともに、女性の社会進出を促進しない手はありません。これで経済がますます内向き、成長しない、というのは偏見です。キャシー松井さん「Womanomics」と、女性の社会進出と経済成長の関係を分析しています。あくまでも大事なのは、社会制度改革、つまり社会イノベーションです。

また、男性と女性は、基本的にものの見方、価値感もちがうのです。どんな世界になるか、男性中心とは確かに違った社会へと変化 していくでしょう。これは世界の趨勢で、一概に悪いとはいえません。よい例はたくさんあるのです。

大企業の女性トップはだんだん増えてきました。Pepsiは K. Nooyiさん 、Xerox は大転換を指揮したMs Mulcahyさん が退任、会長になり、後任のCEOも Ms U Burns とまた女性、Avonなどなどです。みな好調のようです。中東でも女性の進出が進んでいきますね。

ところで新年早々、アブダビの原子力での韓国の勝利について4回書きましたが、本命フランスの大手Arevaの社長も Ann Leuvergeon (資料1)、女性です。

衆議院選挙で民主と勝利で女性議員数は増えましたが、まだまだ全議員の20%にもいかないのではないでしょうか。

草食系男性と、活躍できる女性の活躍しにくい国、日本はどこへ行くのでしょう。

野村證券とリーマン: 「外」から日本を見る目、「自分」を感じとるセンス

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いまさらながらの 2008年9月の 「リーマンショックLehman shock」以来、世界経済は大変です。いかにWall Streetに集まった「秀才の貪欲」がひどいことになるのか、この1年ほどは「資本主義」の本質論が出始めているのは結構なことです。

その頃です。皆さんも覚えていると思いますが、野村證券がリーマンのアジアと欧州の事業を買い取ったというニュースが流れました。野村も思い切ったことを、しかし、これは野村が世界に展開するにはよい選択という趣旨の報道でした。その通りです。

しかし、すぐに私が感じたことは、野村がこのあたらしい「日本人」でない社員たちを、どう扱えるのか、でした。経営陣にそんな腕力があるのかな、でした。金融業界は、製造業とは、またちょっと違いますしね。頭脳と判断が大きく評価され、そこに「俸給」の価値があるわけですから。

やはりね、という記事があります。去年の夏の「Wall Street Journal」の記事です。英語ですが、がんばって読んでください。

給与の違い等々をどうするのかは、気にはなっていましたが、この記事では女性差別ではないですか。このようなことが「おかしい」と、日本では認識されていないのかも知れません、これは日本の企業では普通だ、と思っている方々も多いでしょうけど、、。海外でこのように報道されているところを見ると、野村證券でこうなら、銀行はもっともっと保守的、大企業も同じだと。「グロ-バル企業などと口では言っても実態は、とても、、」、これが「外」から見た日本ということでしょう。

このような一つ一つの、一見すると社内の都合と考えてしまいがちな小さなことが、実はとても大きな企業の信用問題になり、広がって、国力が落ちていくのです。恐ろしいことです。

だからグローバル世界はいやだ?だから鎖国したい?まさか、そんなことを本気でできると思っているのですか?国の生命線であるエネルギーも食料も、大きく海外に依存しているのに?引きこもり国家ですか? 

アラブ首長国、原子力発電は韓国の勝ち-その4

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今年1月に入ってこの報告シリーズを3回出しました。この背景と、これからの成長産業「クリーンエネルギー」を日本がどのように推進して行くのか、大いに参考になることが多いのでわざわざ書いているのです。

その第4報ですが、これは相手がどのような要望を提示していたのか、どのような点で韓国が評価されたのか、公開された資料、報道ですが、参考になると思います。「そんなことはこっちも知っていたよ」、「きれいごとばかりです」などといっているようでは、単なる負けたものの恨み節です。これでは、また負けますね。

この興味ある資料は英語ですが、読んでください。

謙虚に学ぶ姿勢、負けたときこそ学ぶ、勝った時こそ「勝って兜の緒を締めよ」、これが普遍的な知恵であり、大事なのです。これらの公表されたものから何を読み取るか、今までの3報に加えて何を学ぶのか、さらにどう対応するのか、情報を取るのか、人脈を作っていくのか、このあたりの日本の認識とあちらの認識のギャップをできるだけ埋める努力も大事です。UAEに限ったことではありませんが。

何しろ、UAEと石油契約の改定が2012年(UAEの石油輸出量の50%は日本向けで、これは日本の石油総輸入量の25%に相当し、従ってUAEとの関係は非常に重要)ですが、エネルギー獲得競争が激しくなるなか、競争相手はすでに、しっかりと動いているに違いありません。「油断大敵」、「おごる平家は久しからず」です。国民のためにも、関係者諸氏、しっかりお願いします。