ダボスから-3

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Dsc00542写真1

今回から“IdeasLab with ・・・”という企画があり、何とか時間を調整してYale大学主催のセッションに参加しました。4人の先生が5分ほどで要点を整理して問題を提起し(power pointも使える形式、だからビジュアルも大事)、その後、テーマ別に議論が始まり、いくつか結論を出そうという企画です。素敵なスタイルでした。ダボス会議は毎回いろいろ工夫をしています。Yale大学のセッションは経済関係の先生が2人、友人のDaniel Estyさん(Obama政権移行チームの一員、環境が専門)もいらっしゃって、特にRobert Shillerさんの住宅バブル崩壊の歴史など、とても面白い話が聞けました。最後にRichard Levin総長が最近のYale大学の科学に関する話題について話をされ、面白かったです。一番印象的なPerformanceでしたね。さすがです。

Dsc00547_presentation_1 写真2: 右から問題提起のプレゼンするYale大学のEZ Ponce de Leon教授、Facilitator役のOxford大学のRichard Pascale教授、YaleのRobert Shiller教授とDaniel Esty教授。

Dsc00548_in_front_of_the_screen 写真3: Shiller教授の問題提起

その後の議論では私は主にLevinさんのグループに参加して、いろいろと話が弾みました。制度的に他流試合を連続させ、個人力を発掘させる英米の大学や英米の研究キャリアの強さ、という話と、ここがアジア(特に日本)の弱さだ、という議論なりました。いつも主張していることですが、ここは皆さんの意見がすぐに一致しました。特にこれからの繁華とグローバル競争時代には、若者の力と可能性を如何に伸ばすか、これが大学の使命というところが結論の一つでした。

Dsc00549_screen_with_photos 写真4~5: Levin総長のプレゼン

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30日の夜はUBS主催のディナーに招待され、英国保守党の党首Cameron氏 のスピーチがありました。英国の政治家の演説は上手いものです。

夕食の後は、10時半からCambridge大学の会へ向かいました。こじんまりした会でしたが、Allison Richard学長(Vice-Chancellor。Cambridge大学のトップがこのようなちょっと変わったタイトルである理由は以前お話しました。)が、今年はCambridge大学の創立800年ということもあって素敵な挨拶がありました。また、東大の小宮山総長、MITのSusan Hockfield 学長(President)にもお会いし、夜遅くまで歓談しました。

このRichardさんとHockfieldさんたちついては、私が何度も強調しているグローバル時代の画期的変化(参考 12)なのですが、このお二人は、ともに前職がYale大学学長(Provost)であり、それぞれCambridge、MITからトップにスカウトされたのです。HockfieldさんはYale大学でRichardさんの後任であり、これらの人事は先に紹介したLevin総長の人事(Provostは総長人事であると、何年か前にLevinさんから直接聞きました)なのです。Levinさんの慧眼のすごさです。

大学、企業、政治など等、どの組織であれ、トップはかくありたいものです。結局は、どう人を育てるか、これに尽きるのです。