科学者としての天皇陛下

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今日23日は天皇陛下の75歳のお誕生日で休日。

先日12月16日のブログで、リンネ生誕300年にあたってロンドンのリンネ協会で行なわれた、天皇陛下のすばらしいご講演を紹介しました。

今週、書店に出ている週刊朝日の新年合併号(1月2、9日)に「科学者としての天皇陛下」という、動物行動学者の日高敏隆さんと画家の安野(あんの)光雅さん の対談が掲載されていて、そこでもこの講演について触られています。

この二人の巨人も、科学者としての天皇陛下のこのご講演について、私の感想と同じようなコメントをされています。つい嬉しくなり、そして皆さんにこの講演を是非読んで欲しいので、前回の紹介も偶然のタイミングでしたが、再び紹介します。

ひどい風邪で講演

11月はひどい風邪を引いて、一週間ほど、ほとんど声がでない時がありました。そんな時に限って、4日も続けざまに講演の予定が入っていました。これらの会合に聴きに来ていただいた方たちには聞きにくい声での講演で申し訳なかったです。ごめんなさい。

一つは慶応大学の丸の内キャンパスでの講演。これはすごい人たちをお招きしています。私もお招きいただき感激。私の講演の感想も出ています。ありがとうございます。慶応義塾も今年で150年。無事にその式典も終ったそうですが、残念ながら私は海外にいたので参加できませんでした。おめでとうございます。

二つ目は、GRIPSで共産党中央学校の60人ほどの方たちの訪問を受けてのセミナーです。こことは、相互交流をしています。学問の場がこのような活動を続けていることは大事なことと思います。

次いで、日経ウーマンなどが主催するWomens Health Forum。この私のサイトを探索してみるとわかるように、私は明確に女性の応援団と思われています。今回は基調講演ということで、しかも私の後には専門の方たちが「乳がん」「動脈硬化」「女性医療」等のお話があるので、もっと広い視点でお話しをしました。「ピル」「10代の人工中絶」についても触れました。短くまとまったものが「日経ヘルス」(日経BP社)2009年1月号に出ました。聴きに来てくれた方たちの反応はどうだったのでしょうね、興味あるところです。

次の日に神戸で「神戸先端医療構想10周年」で記念講演をさせていただきました。出版物が出るかどうかわかりませんが、要点はblog(ページ4 and 5)で見ることができます(こちらのブログもご覧ください)。週末でもあり、国会解散があるかも、といううわさで持ちきりの時期でしたので、渡海元文部科学大臣を始め、地元の代議士さんも大勢見えておられました。本当にごくろう様です。

熱い若者たちの訪問

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最近、2組の若者たちからぜひ相談したい、というメールがありました。

午前に5人の大学生たち(慶応大学の方が主ですが)がきました。みんなそれぞれが熱い思いで、これからのグローバル時代、自分たちの可能性と進路について、という相談でした。いったい世界に何が起こっているのかなど、いつもの私のメッセージの理由とか、どんなことができるのか、したらいいのか、いろいろ議論しました。

ちょうど終わりのころにWilliam Saitoさん杉田典子さんが来たので(お二人とは、最近、京都へご一緒しました、と紹介しました)。明らかに日本人では「超変わった」経歴です。こんな経歴は身近には想像もできなかったでしょうね。

Kurokawaandstudents_20081写真1: 午前の5人組とSaitoさん(私の隣り)と杉田さん(左端)

午後も、同じように熱い思いの6人の若者たちが来ました。早稲田大学の2年生の3人が中心です。かれらは、今年Bangladeshに行ってあまりの違い、ひどさにびっくりし、短い間でしたが、いろいろできることを試したそうです。グラミン銀行のことも知っていて、このような状況を変えることに努力し、日本を変えたい、と。しかし、帰国して大学などで、いろいろ聞きまわっても、納得できるような返事が得られないと。さらに思いを強くしていたころに私のこのサイトにであい、どうしても会いたい、ということでメールをくれたのです。

20081216c6l写真2: 午後の6人組

これらの皆さんには、「社会起業家」Social entrepreneursへの認識があって、あまり日本では聞きなれないキャリアであるので、どんなことをしたらいいのか等、迷っているのでした。

このブログにあるような話しをしながら、議論をし、みなとても元気に帰っていきました。

要するに、何か根源的なことに気がついているのですが、どのようにすればいいのか、何かわからないことだらけ、ということなのですね。当然ですが、迷うのです。この根源的なことは、今まで教えられていた、常識と思っていた日本の社会的価値とはあまりにも違うので、戸惑うのは当然です。でも、世界では多くの若者、将来のリーダーがこのような進路(Peace CorpTeach For Americaなど)から社会人としての活動を始めることも人気が高いのです

皆さんに、まずAppleのSteve Jobsのスピーチを見る、聞くことを薦めました。何人かから、早速メールの返事がありました。

私もこのような「ウェブ時代の手法」で発信しているので、このような若者たちと会えるのです。うれしいですね。

時々、会うことになるでしょう。

‘From Japan With Love’ (日本から愛をこめて)

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最近TIME誌に掲載された巻頭記事、From Japan With Love (日本から愛を込めて)”に気づかれましたか?

表紙のデザインもとてもセンス良くできていますね。記事を読めない方でも、この記事に込められているメッセージのフィーリングはこちらから感じ取っていただけるのではないかと思います。

ソフトパワーの威力に乾杯!

自分の力に誇りを持つことは大切です。ただし、弱点もきちんと自覚すること。

「生物資源の保存」シンポジウム、天皇陛下のリンネの記念講演

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12月9日、神戸での学会で「生物資源保存」についてのシンポジウムがあり、基調講演(プログラムフルテキストPDF )にお招きいただきました。講演の前に、生物資源保存の展示 に伺いました。たくさんの資源が集められ、研究されていて、すばらしかったです。皆さん、とてもがんばっています。若い方たちに、「これだけ多いサンプルなのに、すべてに名前がついているのは不思議だと思わない?」と聞きました。

今回私は用意しておいた資料に沿ってお話しましたが(最近は、原則としてpowerpointを使わないことにしているのです)、講演の内容については、このブログを時々読んでくれている方には、見当がつくものだと思います。

資料の順序に沿って話しましたが、講演で特に伝えたかったのは後半部分です。

まず、去年(2007年)リンネの生誕300年にあたって、天皇皇后両陛下がSwedenをご訪問され(参照 1 2 3 )、Uppsala大学(1477年設立)の名誉会員になられました。これはSweden国王を含めて4人しかいないと聞きました。(こちらのサイトでも様々な写真が閲覧できます。

その後、Londonのリンネ学会にも訪問され(参照 1 2 )、陛下の格調高記念講演がありました。それを読んでみるととても感動します。この背景には国民が皇室を尊敬し、誇りに思う基本があると私は考えるのです。格調高い本当にすばらしい内容と構成です。多くの動植物種に学名がついていることのリンネの貢献についても触れられています。ぜひ読んでみてください。

Uppsala02写真: Uppsala大学長Hallbergさん一行が訪日のときにSweden大使館で。陛下の訪問が話題になりました。

この原稿は誰が書いたと思いますか?ほとんどが天皇陛下ご自身としか考えられません。本当にすごいことです。ご公務を考えれば、そのご努力がどれほど大変なものか、想像してみればすぐ理解できると思います。

この陛下のご講演をいつか皆さんにも読んでもらいたい、と思っていたのですが、今回は本当にいい機会でした。

もう一つは、「アメリカ大陸に最初に来たヒトはアイヌ?」という最近の話題です。資料はとにかく集めて整理しておくことが大事なのです。サンプルがなければいくら解析技術が進歩したところで何もできません。

科学でも何でもそうですが、私たちの現在は多くの先人の努力の積み重ねの上に成り立っているのです。小手先の「なんの役に立つのか?」などというばかりの学術政策、研究費配分、役所への陳情など、みな発想からして貧困です。