原子力発電の課題、日本と世界

原子力はクリーンエネルギーとして世界中で新たな建設が拡大しつつあります。日本でもそのような動きは見られますが、柏崎では大きな事故にはつながらなかったものの、地震大国のこの国では大きな課題です。一方で日本の優れた技術は他国と比べても明らかであり、米国等との提携も始まっています。すばらしいことです。しかし、世界での、そして日本での全体像を見るとどうか。これが国家のビジョンであり、政策というものです。

最近、原子力についての意見を関係機関誌から求められましたので、紹介します。

 日本復活の鍵「破壊的イノベーション」 リーダーは壮大なビジョンと責任を
 (「原子力と向き合う⑤」、原子力産業新聞 2008年6月19日)

以前にも原子力に関する見解を述べているので、こちらも参考にしてください

健康と医療フォーラム2008

日本経済新聞の主催で4回にわたって「健康と医療フォーラム2008」が開催され、その第1回目(3月12日)に基調講演として「日本の医療: 20年後への展望」というタイトルでお話をさせていただきました。その記事は日本経済新聞にも大きく掲載されましたが、NIKKEI NETでも読むことができるようになりました

過激な発言もありますが、いかがでしょう?

ブレアチームの成果発表

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6月27日(金)、トニー・ブレアさんが代表するチームによる報告書、「Breaking the Climate Deadlock」の発表が東京でありました。ブレアさんはG8サミットで初めて気候変動を取り上げ、その後もこの問題については「Gleneagles Process」を立ち上げ、世界のリーダーとして首相退任後も世界的に活発な活動を続けています。以前にもご紹介しましたが、今回はその活動の成果を引っさげて、G8サミットに働きかけようという狙いもあるでしょう。

Dsc_0158blair01写真1 トニー・ブレアさん

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写真2 ブレアさん、Ngubane南アフリカ大使

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写真3 安倍前総理と

6月28、29日にはG8+5の政治家の活動であるGLOBE Internationalが開催される予定で、ここでも基調講演をされるそうです。

27日の夕方から英国大使館でレセプションがあり、多くの英国の議員も参加されました。そこから六本木ヒルズへ移動し、Miliband外務大臣と100名ほどの若者の参加を得たパネルに参加しました。Milibandさんは42歳という期待の星で、ご自身のblogでも積極的に情報発信、広報活動を展開しています。この辺の話題を中心にしたパネルでしたが、時間が1時間とちょっと短くて残念でした。もっとこのような催しを開催したいですね。このパネルの様子は彼のブログで見ることができます。

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写真4 パネルでMilibandさんと司会の枝広さん

シアトルから

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4年前から毎年6月に開催されているPacific Health Summitに参加しています。4年前の最初の会議には出席したのですが、第2・3回は他の所用と調整がつかず欠席しました。

今年のテーマは「Nutrition」ですが、食料価格の高騰もあって「食料価格高騰、MDG(Millennium Development Goals)」というパネルが行われ、私はそれに参加しました。旧友トロント大学のPeter Singerの司会でした。栄養と食料の問題は世界的な課題です。2週間前にローマで行われたFAO会議が不調でしたので難しいところですが、7月の洞爺湖サミットでもアジェンダのひとつになるでしょう。

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写真1 HPI の近藤さん、Sunil Chackoさん

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写真2 私が参加したパネル、私の向かって右がDr. Peter Singer、左がGAINの事務局長 Marc Van Ameringenさん、2月の会議でご一緒しました

このところTICADをはじめ、G8サミット、温暖化、エネルギー、貧困、開発、アフリカ問題などを中心に、どっぷりと浸かっています。頻繁に会う人もいれば(参考12)、新しい人たちとの出会いもあって、いいことだと思います。世界が“フラット”になり、問題も世界的なものとなり、日本にとっても、私たち一人ひとりにとっても、これからの課題は大きなことを実感します。去年以来ですが、WHOの事務局長Margeret Chanさんとも会えました。彼女もなかなかのリーダーシップを発揮しています。

シアトルは水と森のきれいな街で、滞在期間中は天気も良く、すばらしい時間を過ごせました。少し時間が取れたのでMarinersの試合も見に行きました。今年は調子が悪くてダメですね。球場も4分程度の入りでした。イチローも2三振。チームに“勝とう”という気持ちが見れず、つまらない試合でした。でも、イチローはご当地では拍手が一番多いですし、今年もAll Star Gameに出る でしょうね。去年はMVPでしたし。城島は出場せず、残念。やはり、翌日監督交代が発表されました。

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写真3 Marinersのゲーム

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写真4 イチローの打席

沖縄、G8科学担当大臣会議

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6月15日、G8サミットでは初めてのことですが科学技術担当大臣会議が沖縄で開催されました。岸田大臣がホストです。

その前の13・14日の2日間に渡って、非公式のG8+5科学顧問会議が開催され、“Brain Circulation”が話題になりました。EUのErasmusプログラムの拡張版ですね。これからのグローバル時代の課題に対して、将来を担う若い人たちがお互いを知り合うことが大事という認識なのです。

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写真1 米国国務省科学顧問のNina Fedoroffさん

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写真2 中国科学技術担当のWan大臣

大学、大学院、またもっと若いときに、短期で1年程度の相互乗り入れのプログラムが大事だと認識を共有しましたが、特に日本にとっては重要な課題です。ブログで繰り返し述べていますが、今の時代になっても日本の大学は閉鎖的ですし、若者の眼が海外へ向かないことは大きな問題と思います。日本からの海外留学も減ってきているのです。

14日の夕方には沖縄科学技術大学院(OIST)からSteven Chuさんのクリーンエネルギーに関するプレゼンがあり、続いて仲井真知事のレセプション、そして岸田大臣が到着と続きました。

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写真3 岸田大臣、Baughmanさん(OIST)

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写真4 レセプションのショー

Cape Town

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横浜でのTICADが終わり、6月3日午後に成田を出発。シンガポール経由で喜望峰のあるアフリカ最南端のCape Townに来ました。World Economic Forumのアフリカ会議に出席です。今回が18回目ということで、17年前から毎年開催しているのです。すごいことです。

TICAD推進の中心人物の一人でもあるJICA総裁の緒方貞子さんは今回の会議の共同議長の一人。3日間、毎日のようにいくつものパネルに出られ、大活躍でした。本当にご苦労様です。日本のビジネス界からも東京エレクトロン(佐藤社長)、日立、三菱商事、双日など10社程度が参加。また小田野TICAD担当大使も参加され、日本の存在感が見えてとてもよかったです。何ごともビジネスが付いて来なければ成長はありません。アフリカ全体で起こっている紛争の数は減り、経済成長率は5~6%。ここはビジネスチャンスなのです。日本のビジネス界もしっかりして下さいね。

私も2つのパネルに参加し、特にTICADでの成果やG8、MDGへの期待について、エネルギー、食料危機、開発といった切り口から話しをしました。

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写真1 パネルの様子

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写真2 日本からの参加者による会議、緒方さんを中心に

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写真3 左からWEFの土屋さん、JICAの黒川さん、日本医療政策機構の近藤さん

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写真4 日立の八丁地さん、岡田さん

アフリカからの参加者も南アフリカ連邦のMbeki大統領を始めTICADに参加された方が多く、この会議での日本の存在もそれなりに高く、良かったと思います。しかし、なんと言っても緒方さんですね、ここでも。知名度は桁違い、皆さんに尊敬され、しかも発言が実に的を得ていて、本当に「日本の誇り」です。

2日目の午後、天気があまりにもすばらしいので、ちょっと抜け出して喜望峰へ行ってきました。どこもかしこもSanta Monica、Malibuのようなところばかり、まるでCaliforniaです。

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写真5 喜望峰。私の後ろへまっすぐが南極方向。左から日立の岡田さん、八丁地さん

3日間の会議を終えて、Dubai経由でAbu Dhabiへ。波多野大使を訪問した他、政府の大学関係者、医療政策担当者等と会談し、20時間ほどを過ごして帰路につきました。8日の夜、日本に到着。

 

TICAD4横浜と朝日新聞Bono編集長

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横浜で行われたTICAD4では、日本から多くの成果が発信が出きたと思います。アフリカ40ヵ国の首脳を迎え、福田総理は毎日のように首脳と面談、さらにBono、国連事務総長顧問のJeffrey Sachsとも個別に面談され、日本政府もがんばりました。総理もNGOの活動が大事との強い認識を深めたようです。

Wefcapetownjune2008001写真1 TICAD会場で、左から私のスタッフの原君、杉山さん、Dr. Pablos-Mendes

私もHideyo Noguchi Africa Prizeの贈呈式や翌日行われた国連大学での受賞者講演会への出席、尾身幸次議員主催のパネルに、Rwanda大統領、Harvar d大学のJuma教授等と参加したりと、いろいろとありました。ちょうどRwandaに行っている東京大学の伊東 乾さんから、講義をしているところの写真が送られてきたばかりでしたので、そのことをきっかけにパネルは話しました。ここでも多くの日本の若者ががんばっています。

Rwanda02写真2 Rwandaで教える伊東さん

先日ご報告したBonoさん朝日新聞 5月31日号の1日編集長というすばらしい企画で、アフリカやTICADといったことを取り上げていて、いつもの紙上とは違って光っていましたね。今回発表された、日本のアフリカ支援プログラム予算のことも書かれていました。

2008年6月

日本医療政策機構「メディアワークショップ」
日程: 2008年6月2日(月)19:10~20:10 (質疑応答含む)
場所: 都市センターホテル6階 601号室
演題: 「医療政策とメディア」

第53回成蹊会総会
日程: 2008年6月21日(土)12:10~13:10
場所: 成蹊学園本館講堂
演題: 「母校 成蹊に望むこと」(仮)