ヘルシンキから

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フィンランドに関しては、1991年にソ連が崩壊し、この国が一番ひどい状態だったときに大統領を務めたAhoさんとの付き合いがあります。この春に、ご本人から突然の電話があり、彼がPresidentを務めるSITRAが毎年開催している会議に参加して欲しいという要請でした。もちろん喜んでお引き受けしました。6月にはSt. Petersburgの会議でもお会いした、世界のリーダーのお一人です。今回は、その会議でHelsinkiにきました。

写真1  ホテル前の公園で
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Helsinkiは国際生理学会以来ですから10数年ぶりでしょうか。当時は宮川さんが大使をされていて、松田さんがDenmark大使でした。お二人は私がUCLA在任中にLos Angelesの総領事だったこともあり、知己を得ていただいていましたので、両方にお誘いを受け、お邪魔したのでよく覚えているのです。Helsinkiは落ち着きのある、きれいな街です。この辺りは大きな岩が目立ちますね。人口はHelsinki市内で50万、郊外を入れて100万ということです。到着した夜は本田大使のお招きで、坂元一等書記官と大使公邸での会食でした。

翌日は、6月27日のブログで紹介した「Global Innovation Ecosystem」のワークショップに参加のため、6月に1ヵ月ほど、ご家族(奥様とお子様2人。奥様はプロのバレーダンサーで、今は民族的背景を学びながら創作舞踊に携わっているそうです。)で東京にいらっしゃったTeppo Turkkiさん(写真2)と一緒に、芸術、デザイン、演劇を教えているUniversity of Art and Design HelsinkiThe Theatre Academyを訪問しました(写真3)。Finlandの人はデザインや演劇等の活動がとても好きらしく、大事にしているそうす。とても人気があります。大学の授業料は無料で、これは留学生でも同じことだそうです。恵まれた環境ですよね。日本や中国、韓国からの学生もいるそうです。

Helsinki002写真2  Turkkiさんと

Helsinki003写真3  アカデミーの学長さんと(勿論、後ろのポスターが話題になりました)

ところで、Teppoさんは日本訪問の報告をいくつかSITRAのウェブサイトに掲載しています。最近のものはまだFinland語なので、読めないのがちょっと残念です。英語でも読めるように、お願いしておきました。最近のマンガ「クール」など、日本の文化について本も書かれていますが、これもFinland語です。

夕方からは明日の会議の打ち合わせ。今回のテーマが「アジアとの課題: India, China, Japan」で演者がDr. Ramasami(Secretary to the Government, Department of Science and Technology)とDr. Jun Yu(Beijing Genomics Institute, Chinese Academy of Sciences)、そして私でした。

夜は、船で5分ほどのところにある島のレストランで、夕日を見ながらの楽しい夕食となりました(写真4~6)。10センチほどの茹でた“ザリガニ”が出ましたが、Ahoさんに扱い方を教わって、8匹ほど“捌き、頂き”ました。

NokiaのDr. Erkki Ormalaさん(Vice President of Technology Policy)も一緒でした。携帯電話の世界シェアはNokia 38%、Motorola 14%、Samsung 13%、Sony-Erikson 11%で、日本のメーカーは10数社合わせても一桁です。しかも、通話料金は日本が一番高いのですね。どこに問題があるか分かりますか?本当に考えさせられますね。

Helsinki004写真4  レストランでAhoさんと

Helsinki005 写真5・6  レストランから見た外、そして夕暮れ

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翌日の午前中はHelsinkiの街を案内していただきました(写真7~10)。午後に始まった会議では、まずトップに30分ほどお話し、他の2人の講演を聞きました。飛行機の時間があったので、その後のパネルは失礼して飛行場ヘと向かい、帰路につきました。皆さん喜んでくれたと思います。

会議の内容は全てSITRAのウェブサイトで見ることができます。もうウェブキャストで見られるのですから、早いですよね。情報時代のインパクトを感じます。これを利用するかどうかが勝負ですね。これが私のメッセージです。

Helsinki007写真7  歴史的長距離ランナーのヌルミ像のまえで(Olympic長距離で9つの金、3つの銀メダルをとった伝説のランナーです

Helsinki008写真8  シベリウス像と記念モニュメント

Helsinki009 写真9  岩窟を掘った教会

Helsinki010 写真10  街の中心の広場にあるカテドラルの前で

翌朝、関西空港経由で羽田に到着し、午後から文部科学省の「World Premier International Research Center(WPI) Initiative」のヒアリングに参加しました。夜はドイツ大使館で来日中のMerkelさんとの夕食でした。明日もWPIのヒアリングが続きます。

再びシンガポールから

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8月9日の夜にニューデリー発ち、10日の朝、シンガポールに到着しました。4月に続いて、シンガポールの科学技術のセンターといえるA*STAR4月のブログでも紹介しています)の、年に3回開催される理事会です。

インドから到着した日はちょうどシンガポールの建国記念日で、夜には盛大な祝賀会、大掛かりなショーがありました。ホテルからも一部みえましたが、テレビでもライブで放映していました。

翌日がA*STARの理事会でしたが、みな国際的なリーダーばかりで、議論は白熱しました。皆さん本気で若く素晴らしい人材を育て、選抜し、国際的なリーダーにしたいという気持ちで溢れかえっていて、ちょっと日本では考えられないようなオープンで建設的な意見交換が行なわれます。国ができるだけそれらのうちの優れた提言を実現しようと対応するので、様々なプログラムの進捗状況や評価などもオープンで、建設的で、刺激的。したがって素晴らしい理事会だといえます。勿論、事務局が資料をそろえるのですが、あくまでも理事会の議論を踏まえて、どんどん進めていこうという政府の強い意志と実行力が感じられます。どこかの国とはかなり違います。

先日、東京で一緒だったGates財団のDr. Yamada(4月20日8月16日に紹介しています)や、今回初めてですがMotorolaのCTO、Ms. Padmasree Warriorさん(インドの方で、あの有名なIITを卒業されています。)にもお目にかかれました。先日紹介したGlobal FundのRajat GuptaさんもIITの卒業生だったので、話が弾みました。

しかし、国籍を問わず、優秀な若者を呼びよせ、若い人たちが活躍する場を作ろうという議論の躍動感はたまらないものがありますね。こちらも力が入ってしまいます。

11日の朝に成田に着きました。

イノベーションがつくる2025年の社会を展望して-イノベーターが未来を創る-

2007年5月23日に開催された、第41回「JATES通常総会」での特別記念講演の内容です。

 イノベーションがつくる2025年の社会を展望して-イノベーターが未来を創る-

出典: 「技術と経済」(2007年9月号)

ニューデリー、インド厚生大臣の国際諮問会議へ

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前回はGates財団とDr. Yamadaの話を報告しましたが、その翌日5日にはNew Delhiへ飛びました。

今回の訪問は、3月に紹介したJeffrey Sachs教授達と、6日、7日の2日間に渡って開催されるインド厚生大臣の国際諮問会議の一員としての訪問で、農村部の保健医療行政(Rural Health)についてのヒアリングと意見交換が主な目的です。

このプログラムとパネルのメンバーはMV Projectのサイトの“Agenda and Meeting Presentations”のとおりですが、私の事務所の坂野(ばんの)君(写真1)も参加しました。彼は9月からHarvardのSchool of Public HealthのMaster courseへ留学しますが、その直前に世界の各分野を代表するトップの方々に会うことができた、と言って喜んでいました。

Sachsさんの本務はColumbia UniversityのThe Earth Instituteの所長です。近々また本が出版されるそうですが、本当によくがんばりますね。すごいエネルギーです。

諮問会議では、Mrs. Sachs(写真2:3月13日のブログでも紹介しましたが、Nobel医学生理学賞のPaul Ehrlichは彼女の大叔父さん。Ehrlichの弟子の秦佐八郎が感染症(スピロヘータ)に効く初めての人工化合物“salvarsan”を発見したのです)や、去年のDCPP 2nd edition「世界の健康政策」(2006/4/2))をDean Jamisonとともにまとめ、その発表の時に北京でお会いしたDr. Jaime Sepulveda(写真3:「ナイロビから ~立派なリーダーを知ること」(2006/6/30)でも紹介した、前厚生大臣のJulio FrenkとともにMexicoの医療政策のブレインです)にも久し振りにお会いしました。ちなみに彼は8月からGates財団に移るそうです。

また、つい最近「Global Fund」の理事長に選出された元McKinseyのRajat Guptaさんに会えたのもよかったです。(Global Fundは2000年の沖縄サミットで日本の提案によって設立されました。ここでも日本のイニシアティブは素晴らしいのですが・・・)

しかし、貧困で電気もろくにない困難を乗り越えようと、よくがんばっていますね。私と一緒にWHOのCommissionerをしているMirai Chatterjeeさん達が考えた、ASHAという村での女性の活躍を支援するプログラムはずいぶんと成果をあげているようです

翌日は朝から5時間ほど厚生大臣のDr. Ramadossと議論をしましたが、細部まで本当によくご存知で感心しました(写真4、5)。それもそのはずで、医師ですが、もともと農村の保健衛生をテーマとしていて、若干37歳で厚生大臣に就任し、今年で3年目です。経済成長も見込めて予算も増えていくでしょうから、課題は山積みですが、時間はかかっても、いい方向に動いていくと思います。

ところで、インドでは32州のうち8つの州で(もっと広い範囲だそうですが・・・)、水に含まれるフッ素の量が多く、中毒者が数百万人いると言われています。また3つの州では水からの砒素中毒が多いということで、これは本当に悲惨なことです。砒素といえばBangladeshでの中毒がよく知られていますが、同じ原因ですね。

9日、夜の便でシンガポールへ向かいました。

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写真1: 坂野君、Dr. Roger Glass(NIH Fogerty Intl Center)、私

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写真2: Dr. Sonia Erhlich Sachs、Mrs. Joanna Rubinstein(NY Academy of ScienceのEllis Rubinsteinの奥さんで、J. SachsのChief of Staff)、そして私

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写真3: 左から、Dr. Glass、 J. Rubinstein、J. Sachs、J. Sepulveda、(?)、そして私

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写真4: 左から、私、R. Gupta、(?)、厚生大臣

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写真5: Columbia U. The Earth InstituteのN. Bajpai、私、J. Sachs