沖縄、Reuters、そしてカナダとの交流

前回はWashington D.C.からでしたが、10日に帰国して、翌日11日の午前は仕事、午後から沖縄にやってきました。仲井真知事らと夕食させていただき、翌12日午前は沖縄の新しい科学技術大学院大学に行きました。予定地の恩納村の一部に古くから残る、「白雲荘」といわれる建物があり、その建物が改築されて素敵なものになっています。ここにshowcaseなるような建造物ができるのだと思います。今年のうちに研究所の建築が始まる予定です。環境アセスメントとか、造成が難しいところなのです。

移行期の研究所も訪問し、昼食は何人かの研究者と楽しくさせてもらいました。前回報告した、「Janelia Farm」は確かにここのモデルとして大いに参考になるものと感じます。設計はすばらしいものになるでしょう。楽しみです。

午後は、沖縄県行政の幹部職員にむけた講演です。沖縄の強みを生かすべきで、それは地理的、歴史的な課題はありますが、特区を大いに活用して増やすこと、国際的な人脈(米国への移民が主ですが、沖縄は広島と共に移民した人の数が多分一番多い県です)をICT等を 使って生かすこと、さらに沖縄の科学技術大学院が将来の世界の人材育成の中心の一つになるであろうこと等々をお話しました。ゴルフでも世界的な人材を輩出しているのです。どこでも同じことですが、グローバルの時代では特に、中長期的な視野で将来を担うような国際的人材の育成、世界に通用する人材を輩出することが重要です。また、沖縄は臨床研修では一番人気を誇るエリアです。ここでも何度も紹介していますが、若者には絶大な人気があり、多くのすばらしい医師を輩出しています。

さらに沖縄の強みはその観光資源でしょう。南国の香り、ビーチリゾート、慶良間諸島などのすばらしいスキューバスポットの魅了等々です。沖縄の観光収入は年4,000億円。国内からの観光客が年間約500万人ですが、海外からのお客様は年間たったの15万人だそうです。那覇空港への直通の国際線はマニラ、台北、ソウル、北京です。毎日一便あるようですが、沖縄の魅力と対照的な中国の北や内陸の瀋陽、大連、北京、南京、西安などで宣伝し、さらに週2、3便でもいいから直行便を出してもらうことを提案しました。はじめは週2便のチャーター便でもいいのです。2泊3日、3泊4日とかの暖かい南国沖縄ツアーは、特に秋や冬の寒そうな時期には、すばらしい魅力と思います。沖縄の魅力がどんなお客さんを引きつけるのかを考えて、と私の考えをお伝えしました。みなさんはどう思われますか。

13日は土曜日でしたが、去年ダボス会議で知り合った、ReutersのLondon在住の女性記者“わき”さんとのインタビューがありました。どんな人が国際感覚を無意識の内に内在していくのかなど、話が弾みました。

その後はToronto大学のLollar教授とお会いしました。地質化学が専門ですが、話はまたもや弾みました。彼女は3年前に日本学術会議とカナダのアカデミーがはじめた、「Japan-Canada若手女性科学者交換プログラム」の一環でこられたのです。このプログラムのポイントは訪問先の高校生たち(日本から行くときは小学生のこともありえます。生徒の言葉、つまり英語の問題なので。)とセミナーをすることなのです。一週間の滞在ですが、皆さんとても楽しまれているようです。今回も高校生からたくさんの質問があがって、大変よかったとの話でした。去年Canadaへ訪問したお茶の水女子大学の加藤先生もこられました。このプログラムについては、去年の加藤・本間両先生が実に生き生きと、Canadaの科学教育で大学が中心となった取り組みなどをレポートされています(「日本・カナダ女性研究者交流事業を終えて」)。日本の子供たちに行われている科学教育が、なにか変なことにも気がつくのではないでしょうか。

グローバルの時代、若い時から、広い世界を訪ねて、見て、肌で感じてほしい、そんな機会をもっと増やしたいと思います。日本でもどこでも、将来は若者たちのものですからね。2006/7/212006/11/27のブログも参考にしてください。これが私が一番大事に感じ、考え、実践に移していることです。

16日には「イノベーション25」委員会が開催されました。17日からはWHOの会議でGenevaへ出発です。