日本医事新報で「世界級キャリアのつくり方」が紹介されました。

石倉洋子さんと共著で、東洋経済新報社より出版された「世界級キャリアのつくり方:20代30代からの国際派プロフェッショナルのすすめ」が紹介されました。

 書評 「世界級キャリアのつくり方」

出典: 日本医事新報 No.4305 (2006年10月28日)

「イノベーション25」初会議と“Digital New Deal(DND)”

本日(26日)夕方に「イノベーション25」の初会議が官邸でありました。安倍総理出席の下、高市大臣が主催し、議長は私が務めました。この会議の出席者は、江口克彦(PHP研究所所長)、岡村正(経団連副会長)、金沢一郎(日本学術会議会長)、坂村健(東京大大学院教授)、寺田千代乃(関西経財連合副会長)、薬師寺泰蔵(総合科学技術会議議員)というそうそうたるメンバーです。

いまや世界中が「イノベーション」ですね。日本学術会議として昨年9月にこのテーマで国際会議「Global Innovation Ecosystem」を開催しましたが、今回の「イノベーション25」政策立案を考える上で大変参考になるものです。

でも、日本ではとかくこの言葉が「技術革新」とほぼ同意義に使われることが多いような感じもします。本当の意味するところは、総理も国会の答弁でも話されていますが、これは常に大きな変革をもたらす「社会のシステムの問題であり、結局はそのような気概を持ったヒトと、そのようなヒトを排出し、また支援する、ヒト、カネ、モノなどを誘発しやすい社会」を創造することです。日経新聞等でも識者の意見を掲載し、これは「技術革新」を意味するだけではないということをしきりに書いています。

この辺の話は<http://blogs.yahoo.co.jp/thetreasureship/4461156.html>でもコメントされています。

インターネットにしても、この10~15年で急速に社会へ広がりましたよね。wwwが1992年、Netscapeが1994年、Yahoo!やLycos等のサーチエンジン、Windows95が1995年、Linax, Google等々、これらにはほとんど日本人の姿が見られません。モノつくりとは違う発想ですね。8/14のブログで紹介した「ウェッブ進化論」を参考にしてください。

これらは技術だけでなく、Product Innovation、Process Innovation、Service Innovation、Finance Innovation等々であり、日本でいえばクロネコヤマトの小倉さんなどが、モノつくりではないイノベーションといえるでしょう。このように、必要なのは既得権勢力を無理やりこじ開けながら、より高い志で国内外の人たちの意識、無意識の思いを満たし、ほしくなるようなモノ・サービスを提供し、経済成長するというプロセスなのだと思います。

Innovation、innovateとは「in(内)」、「novate(新しく)」なのです。1938年、Shumpeterが経済成長の基本として指摘したもので、“「創造的破壊」なくして経済成長なし”ということなのでしょう。

ところで、このブログと出口俊一氏が主催している“Digital New Deal(DND)”というサイトをリンクして、「学術の風」という企画をはじめました。DNDのメールマガジンでは、私の主張する「大学の大相撲化」、「世界級キャリア・・」等々、多数紹介されています。是非みなさんも訪ねてください。

科学新聞で紹介されました。

内閣特別顧問就任に関する記事が掲載されました。

黒川前学術会議会長 内閣特別顧問に就任 -「イノベーション25」に参画-

 黒川清前日本学術会議会長が内閣特別顧問に就任した。安倍総理が3日、官邸で辞令を手渡した。
黒川内閣特別顧問は、科学的な視点からの知見、世界の科学情勢や科学技術に関する情報提供など、科学に関する特命事項を担当する。また、総理の所信表明演説にある「イノベーション25」の策定に参画する。黒川内閣特別顧問は「寝耳に水のことで驚いている。全力で頑張っていきたい」と話す。

 約10年前、イギリスのブレア首相は、ロバート・メイ卿を主席科学顧問 に任命した。科学的知見が必要な政策課題についてアドバイスするだけでなく、ロイヤル・アカデミーと政府とを繋ぎ、イギリスの科学技術政策を牽引してきた。黒川内閣特別顧問には、メイ卿のように、日本学術会議と政府とをつなげ、研究者コミュニティと政府との良好な関係の構築と総理への科学技術政策のア ドバイスを期待したい。

 また政府は5日、内閣府にイノベーション25を策定するための特命室を設置した。室長には丸山剛政策統括官(科学技術政策担当)を起用。近く有識者委員会を設置し、来年2月までに2025年を見通したイノベーションで実現する社会の姿を描き、5~6月までにそのためのロードマップを策定する。高市早苗大臣は「国民の7割はイノベーションとは何なのか分からない。夢のある分かりやすい社会の姿を描いていきたい」という。

出典: 科学新聞 2006年(平成18年)10月13日(金) 第3116号 1面より

科学新聞(2006年10月13日)で紹介されました。

黒川前学術会議会長 内閣特別顧問に就任 -「イノベーション25」に参画-

黒川清前日本学術会議会長が内閣特別顧問に就任した。安倍総理が3日、官邸で辞令を手渡した。

黒川内閣特別顧問は、科学的な視点からの知見、世界の科学情勢や科学技術に関する情報提供など、科学に関する特命事項を担当する。また、総理の所信表明演説にある「イノベーション25」の策定に参画する。黒川内閣特別顧問は「寝耳に水のことで驚いている。全力で頑張っていきたい」と話す。

約10年前、イギリスのブレア首相は、ロバート・メイ卿を主席科学顧問 に任命した。科学的知見が必要な政策課題についてアドバイスするだけでなく、ロイヤル・アカデミーと政府とを繋ぎ、イギリスの科学技術政策を牽引してきた。黒川内閣特別顧問には、メイ卿のように、日本学術会議と政府とをつなげ、研究者コミュニティと政府との良好な関係の構築と総理への科学技術政策のア ドバイスを期待したい。

また政府は5日、内閣府にイノベーション25を策定するための特命室を設置した。室長には丸山剛政策統括官(科学技術政策担当)を起用。近く有識者委員会を設置し、来年2月までに2025年を見通したイノベーションで実現する社会の姿を描き、5~6月までにそのためのロードマップを策定する。高市早苗大臣は「国民の7割はイノベーションとは何なのか分からない。夢のある分かりやすい社会の姿を描いていきたい」という。

科学新聞 2006年(平成18年)10月13日(金) 第3116号1面より

内閣特別顧問に

日本学術会議の会長の職を9月10日を持って終了したことはお伝えしました。京都で開催されたSTS Forum会議の最中で、その後、スイスに行ったことについてもブログに書いたとおりです。

しばらくは仕事を30%ぐらい減らして、NPO日本医療政策機構の活動に時間を使う予定でしたが、スイスから帰国後しばらくして、総理の科学担当顧問を要請されました。公式には10月3日朝に発令されました

何が起こるか、わからないものですね。前日の2日には日本学術会議の総会で、金沢一郎さんが新会長に選出され、皇室医務主幹をしておられることもあり、ニュースになりました。総会2日目の朝に、総理から辞令をいただきましたので、その旨を金沢会長から会員に伝えていただきました。私もですが、みんなびっくりしたでしょうね。科学担当の内閣特別顧問は初めてのことですから。総理からは科学や科学技術に関する国内外の情報等についてと、高市大臣が担当する「イノベーション25」を支援するように、というご下命でした。

科学担当の特別顧問のような立場は米国では定着していて、Clinton大統領の下ではNeal Lane元National Science Foundation会長、今のBush政権下ではMarburger氏がそうです。

英国でもこのようなポストは約10年前に作られ、初代が後にRoyal Society会長になったLord Robert May卿です。今は2代目で、Sir David King氏です。2人とも個人的に知っておりますが、特にMay卿とは去年の英国でのG8サミットで、G8学術会議宣言書等を成し遂げたPartnerということもあって、この5年ほどとても仲良くしており、ちょうど今回の学術会議の総会でも特別講演にお招きしていました。その日の朝に私の内閣特別顧問が発表されたので、とても喜んでくれました。

7日から海外の予定でしたが、急遽キャンセル。5日には「イノベーション25特令室」ができ、高市大臣と開室式をしました。やらなければならないことが沢山ありますが、まずは「イノベーション25」の立ち上げです。

 

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写真1 安倍総理と辞令交付の後で。

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写真2 Lord May of Oxfordと、日本学術会議のレセプションで。

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写真3 高市大臣と「イノベーション25特令室」開室式。