東京-北京フォーラム

言論NPOに参加しています。話題の提供をしたり、私達のNPO日本医療政策機構と共同で、東京大学経済学部教授・経済財政諮問会議議員の吉川洋先生をお招きしてフォーラムの開催を行ったりしています。

この言論NPOは、昨年から年に1度、「China Daily」という中国の主要メディアと共同で、「東京-北京フォーラム」を開始しました。これは両国の関係改善を議論する、いわゆる“Track 2”と言われる、政府間ではない対話の場です。もちろん政府関係者も参加できますが、主催はNGOや民間です。昨年、北京で第1回が開催され、中国では相当大きく取り上げられました。

そして、第2回「東京-北京フォーラム」が、8月3日と4日に東京で開催されました。安倍晋三内閣官房長官と王駐日中国大使が挨拶をされましたが、これは中国の首脳にテレビ中継がされていたそうです。日本でも主要紙では取り上げられていました。午後のセッションの第1分科会に参加しましたが、ここでは中川秀直自民党幹事長の基調講演があり、これもなかなか良かったです。

中国の「China Daily」でも大きく報じられていました。

塩崎恭久外務副大臣も高校生の留学プログラムの成果について話をされていましたが、この様な“Track 2”的な対話の道から、若者や学者や民間で、現実的ないくつものプロジェクトが始まるのはよい傾向で、実際かなり動いています。日本と中国国民の意識調査では両国の関係はかなり冷え込んでいる感がありますが、この様なプロセスが市民社会のあり方の基本の一つであり、私たちのNPOや言論NPOは、これらを体現しているのです。

私は中国と日本の関係はアジア全体、ひいては世界への影響が大きいという視点から、両国だけの問題として捉えないことの重要性を強調しました。昨年、学術会議が開催した「アジアのダイナミズムと不確実性」というシンポジウムにお招きした、北京大学国際関係学院副院長の賈 慶国氏が、「中国から日本へのビザ取得が、学会に出席する学者でも結構面倒なので何とかしてほしい」という発言がありました。政府間ではまだそんなレベルなのです。

言論NPOのサイトを時々訪ねてみてください。