ケニア大統領との会見

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今日はケニアのKibaki大統領と2時間ほどの会談をしました。前大統領が統治していた4年前までは国自体かなり荒れていたようですが、今はだいぶ回復してきたようです。Kibaki大統領はその頃からの改革派。「さあ、なんでもいってください、遠慮なく」から始まって、このWHO Commissionの重要性を認められ、ケニアに委員会を作るよう指示されました。このようなWHO CSDH(Commission for Social Determinants of Health)への国内対応委員会を、国の最高責任者がじきじきに作るのはブラジルとケニアの2ヶ国だけですが、ケニアはアフリカでは比較的政情が安定しているので、アフリカへの政策としてモデルケースになりうるのではないか、それはケニアにとってもいいことだ、ということです。

スラムへ行く

午後は、厚生大臣Ngiluさんとナイロビ郊外のKiberaというスラムに行きました。50万人ほどが集まっているということですが、とんでもなくすごいところです。窓もない土とトタン屋根でできた狭い「家」に何人も住んでいるといことです。「家」にはトイレなし、調理するところもない。スラム自体には電気や水道はきていましたが、「家」にはほとんどきていません。ここに住む70%の人は貴重なお金で水を買っているということです。

クリニックもひどい状態で、エイズ患者は本当に多いです。全国的には人口の14%だったものが、今では 6%程度までに減ったということでしたが、スラムではエイズ患者が人口の30%にも上るということです。

1997年~2002年までJICAを通して関わったタイのパヤオ村では薬もなかったのですが、ここでは薬はくばらられていたので、まだましなのかなとも思いました。

ところで、このKibera村では2つの小学校を訪ねました。一つはスラムの中にあって、教会が運営しています。環境的にはひどかったのですが、ここでは子どもたちがみんなで歌を歌って歓迎してくれました。スラムのはずれにもう一つの公立の学校(1年生~8年生)があります。ここは国のモデル校になっているようで、全国でもトップクラスの生徒が集まっているそうです。教室では狭い机に3~4人が座り、子どもであふれかえっていました。

子どもたちは皆明るく、ここに未来があると思いました。“トイレの後は手を洗う”といったことも学校で実行させていました。「家」ではそんなことさえもできないです。そんな環境の中、子供たちは明るく、目をきらきら輝かせて暮らしていました。本当に心から感動しました。

先生たちもすばらしいかたばかりでした。皆が誇りにあふれているのです。「家」に帰っても電気があるわけでもないので、5時まで学校に残り、そして長い道を子供たちの手をとって帰るのです。

学校に「The most moving experience in my life, I see the future of the nation」と記帳してきました。このブログを見ている誰かが、いつか目にするかもしれませんね。

ホテルに帰ると、このホテルの女性のマネジャーが、今日見たスラムの出身で、さっき訪ねたばかりの町のはずれにある学校に通っていたと知り驚きました。アフリカには恵まれない国がまだたくさんあります。皆さんも何か少しでもできることを考えて、こういった活動に参加する機会を作ってみませんか?

Kenya1写真 ケニヤ大統領公邸で。大統領(中央)とCommssionerのNdioro Ndiayeさん