第12回ユネスコ国際生命倫理委員会での講演が紹介されました。

第12回ユネスコ国際生命倫理委員会で行なった講演が、JMS JAPAN MEDICAL SOCIETY 3月号に紹介されました。

 「生命倫理の今日的問題と生命倫理の国際性―生命倫理のアジア的パラダイム」

出典: JMS JAPAN MEDICAL SOCIETY 3月号

インドから、ところ違えば、、、

ニューデリーで開催されたアジア学術会議(毎年開催していて、今回が第6回です)に参加して、帰国してきました。幸いなことにあまり暑くなかったのですが、会議場のエアコンが効きすぎていて、弱くするように何回もお願いするほどでした。「インドに行って凍えそうだったよ」などとは報告したくないからね、といってお願いしたのですが、これでエネルギー問題を議論しているのでは話になりません。

しかし、国が違えばとんでもなく違うということも実感しました。例えば、レセプションですが、主催者の挨拶もなく、なんとなく始まってなんとなく終わっていくのです。インドでは大体そんなものだと言われました。ゆったりとしているといえば、聞こえはいいですけどね。

今回の会議では、特に女性の「ジェンダー問題」の委員会が元気でした(ここ3年は、毎回元気になっています)。報告書もすばらしものでした。日本からのメンバー2人(石倉洋子さんと深川由紀子さん)も物怖じしないし、英語は達者だし、論客だし、感心しました。このような方たちにお会いすると、元気をもらいます。

22日には学術会議メンバーの何人かがアゴラ、そしてタージマハールを1日で観光し、その後帰国してきます。私はといえば、23日からエジプトのアレキサンドリアに行かなければなりません。この世界で最古の図書館(約2,300年前)、「世界初のアカデミー」で、理事会と、BioVisionという国際会議が開催されるためです。

アメリカアカデミーの建物(国務省の目の前にあります)のドームの天井に、アレキサンドリア図書館、英国のRoyal Society、そしてイタリアのLinceiアカデミー(ヨーロッパ最初の科学アカデミー、1606年設立)の紋章が掲げられています。伝統でしょうか、歴史を知る国家の品格ですね。

国際持続可能性会議

4月2日のブログでも少し触れましたが、今年3月に国際持続可能性会議が東京大学が中心となって、バンコクで開催されました。小宮山総長も出席し、当地での同窓会も企画されていました。

会議では開幕の基調講演をさせていただいたのですが、その時行なった講演のレポートがありましたので紹介します。

元気を出してもらうのが私たち教育に関わる者の責務と考えています。そういったメッセージを伝えられたと思います。 レポートを書いてくれた黒田さん、ありがとうございました。

大学の大相撲化?! -続き

4月12日、総理官邸で小泉総理等と会食する機会がありました。その時にも総理に「大学の大相撲化」の話をしました。第3次科学技術基本法で国家の投資が増えるのはうれしいが、大学が鎖国状態では世界の主流から“外れて”いるといった趣旨です。同じ趣旨で去年の12月、今年の2月にも総理に私の見解を申し上げています。

同じ頃、総理のメールマガジン(2006/3/30)でこの話が取り上げられています。

さらに総理には「春場所は優勝、3賞みんなモンゴル」、そして「今年は世界で始めての最大の帝国“大モンゴル帝国”がジンギスカーンによって作られたのが1206年、今年がその800年目です。」と申し上げ、是非、モンゴルの力士とモンゴルを訪問されてはいかがかと提案いたしました。モンゴルでの日本の人気はさらによくなることでしょう。これも国家の外交戦略の一つと考えますが、いかがですか?

鎖国の時代ではないのです。特に大学という「知の世界」ではなおさらです。

大学の大相撲化?!

→English

4月14日から16日にかけて横浜で開催された、日本内科学会総会(慶応大学の池田教授が会長)で、特別講演をさせていただく機会をいただきました。嬉しいことです。今回で4度目となる日本内科学会での特別講演ですが、今回は前回行なった講演の延長で、大きな枠組みで見た日本の課題について、それからリーダーシップというものについてお話しました。

この講演では「大学の大相撲化」というスライドを使用しました。内容は以下のようなものです。皆さんはどのように考えますか?

日本の大学は現在も「鎖国」状態ではないか?この「グローバル時代」の中で、世界の一流大学はいかに世界中から優秀な学生を獲得するか、そしていかに優秀な学部卒業生を世界に輩出するか、という高い目標を掲げています。優秀な学生を世界に輩出することがその大学の世界での評価であるという認識なのです。それに比べ、日本の大学はいまだに「知の鎖国」(このサイトで“知の鎖国”というキーワードで検索してみてください)状態にあるというのが私の見方です。1月28日のブログ「ダボスから(3) 一流大学人の価値観、情熱、社会的ミッション」も見てください。「そんなことは無理」だというのでしょうか?

10数年前、相撲で小錦が勝ちまくっていたころ、「外国人が横綱なんてとんでもない」という議論がありました。しかし今ではどうでしょう。ちょっと前では曙や武蔵丸、今では朝青龍と、みんな外国人です。これはどんなことを意味しているのでしょうか?モンゴルは言うに及ばず、海外で相撲という文化を理解する人が増え、日本を好きになり、日本を評価するようになってきました。モンゴルでは日本のファンが増えています。

もし日本の大学が“学部”を開放したらどうなるでしょうか?もちろん英語の授業をとるだけで卒業できるようにするのです。日本語の授業をとる人も出てくるでしょう。日本人だって海外の大学へ行けば同じことです。同級生に世界のリーダーになる人も出てくるでしょう。すばらしい国であるという評判も立ってくるでしょう。大学の評価も卒業生の国際的評価によって「グローバル」になってくるのです。

現在、大相撲の力士は758人、そのうち外国人は60名(約8%)、中国人、韓国人もいます。幕内では 42人中12人が外国人(約29%)、三役では8人中3人(約38%)、モンゴルの横綱も入れれば、三役以上は実に9人中4人(約44%)が外国出身になります。春場所では優勝、3賞、全てモンゴル出身者が獲得しました。

大学という、相撲よりももっと開かれていい人材育成の場が、なぜまだ鎖国状態なのでしょうか。何か“ずれている”と思いませんか?途上国の学生に奨学金を出すことも一つです。このようなことで人材育成を通して国家の信頼が上がっていくのです。

ウィンブルドンはプロテニスの目標の一つとなっています。でもイギリス人はほとんど優勝できていません。しかし、イギリスの伝統、国を好きな人は世界中にたくさんいるのです。これを英国の「ウィンブルドン化」といいます。

“学部”を完全に解放している大学の一つが、立命館大学の大分キャンパス「Asia Pacific University」です(小泉総理も昨年11月に訪問されたそうです)。Cassimさんという Sri Lanka出身の方が学長をされています。学部学生の42%が外国人。去年12月に講義(もちろん英語で行ないます)に行きましたが、クラスの30%が日本の学生でした。この若者たちがこれから世界に目を向け、たくさんの国に多くの友達を作っていくかと考えただけで、嬉しくなりませんか?大分の町の評判もこれからどんどん上がっていくのではないでしょうか。