ダボスから(4)-小泉改革の話題

28日の午前は日本の話題があがりました。「Quiet Revolution of Junichiro Koizumi」というもので、タイトルはすごいですね。中川秀直議員、竹中平蔵大臣も登場し、Kimmit米国財務次官、AIGのNo.2だったKanaks氏(私の友人です。今度AIGを辞めますが、、、)なども参加していました。司会はNHKアメリカ総局長の藤沢氏で、なかなか面白かったです。しかし、聴衆の数はというとあまり多くはなかったですね。皆さん、ご苦労様でした。

イラクのセッションでは、イラクのハムデイ憲法委員会長、イランのサルミ開発大臣、ムーサアラブ連合事務局長等のアラブのリーダー、米国はゼーリック国務省次官、英国ストロー外務大臣等々が参加したパネルで、すばらしい討論が展開されていました。対立はしていますが、まずはレトリックが上手です。感心します。ちょうどパレスチナの選挙では、驚くことに「ハマス」が多数を獲得し、今日の中東問題、パレスチナ、イスラエル問題のセッションは、なんともいえない微妙なタイミングでした。

その後すぐにClinton元大統領とダボス会議議長Schwab教授の1時間ほどの対談がありました。まず、一番の心配事は、と聞かれて「気候変動だ」と。2番目は「政治経済が世界の大部分の人たちの幸せにつながっていないことだ」、「世界の人はもっと弱者、貧困への配慮が必要だ」と。3番目は「宗教的、文明の違いを超えたHumanityのグローバル社会を」と。しかし、マキアヴェリ、ウェバー、チャーチルを引用したり、即興でウィットのあるコメントしたり、Clinton氏は話で人の心を掴むのが本当に上手です。たいしたものです。国際的にも支援者は多いですね。

午後は、中川農林水産大臣が参加した「A Trade Compromise, for Now?」があり、これもなかなかよかったです。

ダボス会議の歴史や運営等に意見や見解の相違はあるでしょうが、それなりの実績のある国際的舞台になっているのは事実です。今回日本から3人の現職大臣を含めて中川政調会長、町村、川口両大臣経験者、また例年のことですが古川元久氏等の政治家の参加数が増えたのはよかったことだと思います。日本は何はともあれ経済は世界第2位の規模なのですから、それを反映させるように積極的に参加する企業リーダーがもう少し増えてもいいと思います。IBMの北城氏、ソニーの出井氏、野村ホールディングスの氏家氏、日本郵船の根本氏、日本碍子の柴田氏、キッコーマン、帝人、NHK、朝日、日経等も常連ですが、もっと多くてもいいように感じます。2,600人程の参加だそうですが、名簿で見る限り忙しい人達ばかりですし、特に政治家は当然ですが予測できませんから、最終的な参加者数とは異なるでしょう。大雑把に見て日本の参加者は全体の1.5%ぐらいですね、お付きの人は別として。

明日から、Stockholmへ移動し、Karolinska研究所(ノーベル医学生理学賞を選考するところです)で、Millennium Development Goalsの一部ですが、委員長をしているJeffrey Sachs氏たちと「Malaria」について会議です。