2004年12月

NPO法人21世紀構想研究会 第50回研究会記念フォーラム
"ほんとにどうする日本改革"
日程: 2004年12月2日(木)
会場: 日本プレスセンター10階ホール
演題: 「改革のリーダーはほんとにいるのか」

平成16年度日本学術会議地域振興九州・沖縄地区フォーラム
医療と地域振興
日程: 2004年12月3日(金)
会場: 九州大学医学部百年講堂
演題: 「21世紀:日本の課題」

エコデザイン2004 ジャパンシンポジウム
日程: 2004年12月6日(月)
会場: 日本科学未来館
演題: 「"エコシステム"新世紀の挑戦 -科学者・技術者・産業人が挑むもの-」

高血圧と糖尿病フォーラム(静岡)
日程: 2004年12月8日(水)
会場: ホテルセンチュリー静岡
演題: 「糖尿病合併高血圧患者の治療が変わる」

東アジア医学生会議
日程: 2004年12月28日(火)
会場: 岸和田市立浪切ホール

日本経済新聞で紹介されました。

日本経済新聞(2004年10月18日、25日、11月1日)の「時間術」で紹介されました。

2004年10月18日(月)朝刊 「時間術」(上)

-資金の裏付けで配分に知恵-

四月から“パートタイマー”になりました。東海大学医学部は非常勤になり、東大先端科学技術研究センターも客員教授です。昨年七月に就いた日本学術会議会長が本業となりますが、これも任期があり、パーマネントの職業とは言えません。

思えば随分細切れの人生を歩んできました。医学者として日本と米国で研究・診療をしてきましたが、米国では帰国の時期を失し、はっと気がつくと十四年が過ぎていました。 米国では時間配分でハードな経験をしました。大学では研究・教育・診療の各面で責任をもちますが、どこに多くの時間を割くかは重要な問題でした。

というのも教育には十分な報酬がでますが、研究にはそれほど配慮してくれません。重点の置き方によっては、資金の手当てや、給料の大半を自分でまかなう必要があるからです。どう配分するか-別の意味で“時間との闘い”でした。

2004年10月25日(月)朝刊 「時間術」(中)

-学者も積極的な行動求められる-

「学者さんはいいですね。じっくり考える時間がたっぷりあって」と言われます。
「自分たちはこんなに忙しいのに」との思いも込められているのでしょう。

ちょっと待ってほしいというのが、正直な気持ちです。私自身、以前にも増して忙しくなっています。公職にあるせいか、優先しなければならない飛び込みの仕事が増え、スケジュール調整に四苦八苦しています。必要な時間をどうねん出するかが重要な仕事になっています。

学者が忙しくなったのには理由があります。これまでの日本は政・産・官のトライアングルが社会を動かしてきました。学者の存在はこれらの外にあるとの考えが主流でした。

これからは違います。何事にも透明性、自律性、そして社会の要請にこたえる時代では、そのためのデータや知恵が必要で、それらの情報を提供できる学者、専門家の重みが増します。学者は文字通り社会の一員になり、積極的に行動し、提言することが求められるのです。

その意味でも、私たちは“のんびり”していられませんし、忙しくなるのはよいことだと思っています。でも、忙しいだけではだめ。思案の時間も必要なのです。

2004年11月1日(月)朝刊 「時間術」(下)

-電子メール、即断の習慣を評価-

私は夜中に仕事をすることが多いのです。昼間は外向きの仕事にあて、物を書いたり、じっくり考えたりといったことは夜にします。電子メールを送ったり、返事を書いたりするのも夜中です。

電子メールは時と所をかまわず届くので迷惑だという人もいますが、世界中との“つながり”のスピードが速いといった点で評価します。

返事を出すとき、どんな内容にするかなどの判断を即座にしなければなりません。後回しにするとメール画面の上か下にいってしまい、忘れがちです。返信も含めて人任せではなく、自分でしなければならないことも電子メールがもたらした生活の変化です。

時間をもっと有効に使える仕組みを取り入れることも大切だと思っています。例えば、一週間に四十時間働くとすると、そのうちの三十時間を大学の、十時間を大学外の仕事に使うのです。大学からの報酬は三十時間分。

従来の「この道一筋……」もいいのですが、今までの社会制度で国際競争に勝てるかという不安があります。

(聞き手は編集委員 中村雅美)

この記事は、日本経済新聞社の許諾を得て、掲載しています。
著作権について http://www.nikkei.co.jp/hensei/shakoku_chosakuken.html

女性の活躍、そして世界の一流大学 学長人事

先日ご案内したように11月29・30日、12月1日の3日間にわたり、東京・青山のカナダ大使館にて、新世紀の日本・カナダの課題として「女性と科学、貿易、ビジネス」をテーマにした講演会が行われました。私は「なぜ女性?なぜカナダ?」というタイトルの基調講演をしました。先日のブログにも書きましたが、国連の統計によると、女性能力開発(Gender Development Index;参政権、教育機会等)ではカナダが1位、日本は8位と国際的に上位なのですが、女性の社会活動(Gender Empowerment Index)では北欧諸国が上位を占め、カナダ8位、日本は41位という事実から話を始めました。少子高齢社会、人口減少を迎える日本では、特に女性の社会活動の推進が大事です。パネル・セッションでは、カナダ・日本から女性2名ずつの演者が各テーマについて話し合い、衆議院議員の野田聖子さんも大変良い話をしていました。女性パワーが感じられた大変活気のある3日間でした。ところで、カナダの演者が、日本の女性の社会進出が遅々として進まないのならば、カナダは移民国家ですし、日本女性をカナダの大学等に積極的に誘致すると言っていました。カナダには素晴らしい大学が多いですから、本当にこんな事にならないようにして欲しいものです。

夜に行われたレセプション、晩餐にはカナダに縁の深い高円宮妃殿下、緒方貞子さん、遠山敦子元文部科学大臣らが参加してくださいました。来年初めには、野田聖子さんの招きで、女性と社会についての話を自由民主党にて行う予定です。

また、講演では女性の活躍が目立つ大学についても話しをしました。最近のことですが、MIT学長に49歳のYale大学学長の女性が招かれました。びっくりです。Cambridge大学学長(Cambridge大学卒、この人も Yale大学の学長でした)とPrinceton大学の学長(CanadaのQueen大学卒)も女性であることを紹介しました。また、これは男性なのですが、Rockefeller大学の学長もイギリスからNobel賞受賞者のDr. Paul Nurseを、California大学Berkeley校の学長はToronto大学の学長を招聘するなど、活発な人事が行われています。また、韓国の先端科学技術大学(KAIST、1971年設立;超一流の人材を輩出している)はNobel物理学賞受賞者のStanford大学教授 Robert Laughlinを学長に招聘しました。日本で一流といわれる大学では考えもつかないことでしょう。困ったものです。

「学」の中心たるべき大学からして、日本は鎖国マインド状態です。ほかは推して知るべしでしょう。