すっかりご無沙汰してしまい、申し訳ありません。講演の予定などもこちらのサイトに掲載しているので、もしかしたらお会いしている方もいるのでしょうか。声をかけてくださいね。

この7月に臨床医師としては初めて、日本学術会議の会長に選出いただきましたが、この5年ばかりは科学アカデミーの国際的な動きがきわめて活発で(その理由などは「学術の動向」に書いています)、韓国アカデミーの訪問、尾身、細田両大臣とアメリカのワシントンへアカデミー訪問、それからサンデイエゴ、10月はジュネーブ、すぐに沖縄(新大学院のシンポジウム)、そして北京と行ってきました。その間にも国内各地にも行っています。また内閣府の総合科学技術議員もしていますので、毎週のように出かけては仕事をしています。

このサイトでご案内しているように、講演だとか、執筆の依頼は相変わらず増えています。そこでこれらを簡単に検索できるように、サイト内検索機能を付けました。利用してください。特に最近に出たものですが、東洋医学会での講演(2001年6月名古屋での講演)は歴史的な視点が協調されていて、ぜひ読んでほしいと思います。また、後日アップしますが、「科学新聞」にJR東海の葛西社長との「黒川対談 第5弾」が出ます。教育問題についてお話したので、是非読んでみてください。

ところで最近また強烈に面白い本を読みました。英語ですが実に面白い。なぜ、アメリカとイギリスが「イスラム国家の民主化」といっていることにイスラムが反発しているかを考えさせる、歴史物のNon-fictionです。“All the Shah’s Men”という最近出版されたもので、著者はNY Timesの記者です。来年あたり日本語で訳され出版されると期待します。こうしたNon-fictionが、このタイミングで出版されるということもすごいと思いますね。アメリカの健全なところです。はじまりはイランでの1953年のイギリス(チャーチル首相)とアメリカ(アイゼンハワー大統領)によるクーデター(これを行ったCIAのエージェントはルーズベルト大統領の孫なのです)によって、初めて民主的プロセスで選ばれたモサデク大統領を追い出し、Shahを英米の言いなりの国王にもどした事件です。このShahは圧政を敷き、結局24年後には追い出され、ホメイニ師が帰国、イランはきわめて宗教教条色の強い国になります。だから、イランやイラクの人たちはアメリカやイギリスの言う「イスラムの民主化」には何かおかしいと感じているのです。特に「インテリ層」は53年に起こったことを覚えているでしょうからね。さらに、91年の湾岸戦争を指揮したシュワルツコフ大将の父親は、この53年頃に10年にわたってイラン、イラクにいた軍人(元はNew Jerseyの警官でリンドバーグの子供の誘拐事件にかかわったそうです)で、Shahの父親の軍隊や秘密警察を作ったり、訓練していたのです。だから、人によっては「またシュワルツコフが戻ってきた!」と思ったかもしれません。「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったものです。

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