日本学術会議について

6月にヨーロッパで書いたブログから2ヶ月が経ち、早いものでもう8月になってしまいました。いろんなことが起こり、とても忙しかったのです。

知っている人も多いと思いますが、先日、日本学術会議の会長に選出されました。3年前に副会長に選出されたときも、50数年の歴史で臨床系の医師が三役に選出されるのは初めてのことでしたのでびっくりしましたが、今回も更なる驚きでした。

日本学術会議の月刊誌「学術の動向」にいくつも発言していますが、会員の方々が、こうした私の発言や活動を評価してくれたのだと思います。この数年で科学アカデミーが世界的に栄誉機関としてではなく、機能的に現在の地球的課題に広く発言を求められてきたのです。たまたま私は国際的にもその中心に近いところでこの3年活動していましたからよくわかります。このような活動、国際的な動きについてはときどき書いているところです。現在とこれからの学術会議、そして科学者の社会的責任等の課題についての見解は、もうすぐ「学術の動向」に掲載される予定ですので、またお知らせします。

また、一月前に学術会議が出した報告「科学者の不正行為」については、Science(7月11日号)でも取り上げてくれました。このような報告が学術会議という科学者の代表集団から出てくることが大切なのです。

卒後臨床研修もいよいよ発足しますね。厚生省医療政策局長の話では、これから予算獲得への国会での運動ということです。前にも言いましたが、これは変革への第1歩です。「混ざる」ことの大切さを活かすのも、活かさず「ムラ社会」のままでいるのも、医療関係者、研修医すべてにかかっています。医療人としての「社会的責任」を感じとりながら、より良い医師を育成する新しい出発点としたいものです。

しばらく苦労すると思いますが、5年も経てばかなり良いシステムになる可能性を秘めていると思います。